ガタは、きている。
それでも、まだまだ手放すつもりはない。
あと何年共に旅に出られるかわからないけれど、できればずっと乗っていたい。
僕が車に求める条件は、まず第一に、走破性と堅牢性。未舗装の道路でも躊躇なく入っていけること。4wdでラフに使える車でないと、山や海などのアクティビティに心置き無く使うことはできない。
次に車内空間の広さ。旅先で宿に泊まることは稀だし(宿なんてないところがほとんど)、いちいちシェルターを張るのは億劫だ。車中泊をすることが多い僕にとって、余裕を持って寝ることができるのは絶対条件だ。加えて何かと装備が多いアウトドアアクティビティ、行き先やアクティビティに応じて荷物を積み替えずとも、そのままフィールドへ向かうことができるよう、積載能力は譲れない。
そしてアフターケアの充実度。良心的な販売店に出会うことに加え、パーツの豊富な車種であること。万が一壊れたときに『修理困難』では困る。
そんな、アソビ一辺倒の視点で選んだ僕の愛車はトヨタ・ハイエースバン。現行の200系ではなく、旧型の100系だ。見た目はポンコツ。万人受けはしない。「工事車両以外時間帯通行止め」と書かれているのに、あっさり通してもらえたこともある。
ディーゼル3L。堅牢なエンジンを積んだ4wdのこの車は、アウトドアに相性抜群だ。オフロードで生まれたパジェロやランドクルーザーのようにアウトドアを意識した車でないにせよ、それらの車種にはない車内空間の広さで、居住性は群を抜いている。
居住性を高める為の車内改造
後ろの荷室には寝台を作った。材料費はたしか5000円くらい。180cmくらいの身長なら3人はゆうに寝られる(そんな寝ないけれど)。上のクリアランスは105cm。これはソロテントの天井の平均的な高さで、あぐらをかいて座っても天井に頭が付かない。
寝台の下には荷物を積み込める。ここの高さは45cm。一般的なカーゴボックスやクーラーボックスなどがすっきりと収納できるサイズ。隙間なくぴったりと収まるものが多い。世界は案外規格に収められている。山道具や釣り道具、調理道具等はここに仕舞ってある。
側面にはテーブルをつけた。ビスを打ち込むのに躊躇しては良い車はできあがらない。普段は閉じていて、使う時だけ開く。換気には十分注意しさえすれば、ここで食事を作ることができる。釣り場でフライを巻くこともしばしば。
この車さえあれば何処へだって行くことができる。荷室にはMTBはもちろん、カヤックもそのまま積み込める。カヤックはルーフキャリアに積み上げるのが一般的だが、上げ下ろしたり縛り付けたりするのはかなり面倒な作業。そのまま積めるのは出艇がいくぶん楽になる。
4ナンバーなので、車検は年一回。持ち込むと大抵いつも「いったい何処を走っているんだ?」と笑われる。山道や砂浜、至る所を走るのでボディにはへこみが無数にあるし、潮風に吹かれ、サビだらけ。ブレーキパッドは一年でぺらぺらに消耗する。故障も何度か経験したけれども、その度にメカニックのお世話になり、愛着は増してきた。走行距離はただ今20万㎞。ようやく脂がのってきた頃かな。まだまだ頼むよ。