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【八ヶ岳を望む絶景】展望抜群!男山の難易度別登山コース紹介

【八ヶ岳を望む絶景】展望抜群!男山の難易度別登山コース紹介

男山(おとこやま)は、長野県川上村と南牧村の境界に位置しており、「信州百名山」の付属12座に選ばれています。南佐久のマッターホルンとも呼ばれる男山は、山容が特徴的で、ふもとの野辺山高原から鋭い円錐が天に突き刺さるように聳え立っています。

その岩々しい山容から容易に想像できるように、山頂部からは360度すべての方角に視界がひらけており、特に目の前に広がる雄大な八ヶ岳を非常に美しく眺めることができます。全容を見るには、あまりにも大きすぎる八ヶ岳も、南の権現岳から北の蓼科山までの全容を見ることのできる希少なポイントの一つとなります。

他にも、佐久の街並みや西上州の山々、その奥に浅間山に遠くは北アルプスまで、壁のように立ちはだかる南アルプスに富士山、近くは金峰山や瑞牆山など、とにかく展望の素晴らしい山です。避けて登ることのできない急登を乗り越えたからこそ見える感動の絶景が山頂部からは広がっています。

この記事では、男山の基本情報や魅力、登山コースごとの特徴などを紹介しています。男山登山を計画している方や、川上村や南牧村周辺の観光に興味がある方はぜひ参考にしてみて下さい。

男山の基本情報と魅力

男山は、長野県南佐久郡に位置する標高1,851mの山で、どこからでも判別できるその特徴的な山容から地元のシンボル的な存在となっています。山系は奥秩父山系に属しており、同山系最西部の山とされています。

川上村の北側、南相木村との村境には、奥秩父山系から延びる1本の山脈が走っており、その西端が男山になります。この山脈には、信州百名山に数えられる天狗山や川上村の山岳信仰の的になっている御陵山などがあります。

男山という名前の通り、岩々しく雄々しい切り立った山頂部をもつ岩石の堆積によって形成された山です。あまり知られていませんが、川上村の千曲川を挟んだ向かい側には、男山とは正反対のたおやかな山容の女山も存在しています。

男山は、1年中登山者の絶えない山ですが、冬は非常に寒さの厳しい場所です。凍結や低温には十分に注意する必要があるでしょう。おすすめの時期は9~10月ごろで、八ヶ岳から野辺山高原、さらには南佐久地方の山々に広がる紅葉を楽しんでみてはいかがでしょうか。

山の名前 男山(おとこやま)
標高 1,851m
エリア 上信越
詳細情報 男山の地図・天気

魅力その①八ヶ岳の全容を眺める絶景

鋭く切り立った男山の頂上部からは、360度全方向に視界が開けており、眼下に広がる大パノラマを望むことができます。特に、野辺山高原を挟んで向かい合うように対峙する八ヶ岳の景観は圧巻で、南の権現岳から赤岳、横岳、硫黄岳など名だたる峰々を一望することができます。

さらには、北八ヶ岳の北横岳や蓼科山まで眺めることができ、東側では珍しい八ヶ岳の全容を眺められる絶景スポットとなっています。

魅力その②登高意欲をかき立てる特徴的な山容

八ヶ岳山麓に広がる野辺山高原に入ると、すぐに特徴的な山容の男山が目に入ります。岩石の体積によって形成されたと言われる男山は、ピラミダルで北アルプス・槍ヶ岳を彷彿させる鋭くとがった山頂部が、登山家の登高意欲をかき立てます。

どのコースから登っても、最後には男山の山頂直下の岩場をクリアしなければなりません。実際には、そこまで難易度が高い訳ではありませんが、鎖場や岩場の練習にはもってこいです。初心者の方のレベルアップや、八ヶ岳やアルプスに挑戦する前の腕試しにおすすめの山です。

魅力その③野辺山高原をはじめとした南佐久地域に広がる紅葉

男山の山頂からは、八ヶ岳だけでなく遠く南アルプスや富士山、浅間山に北アルプスまで多くの山々を眺めることができます。そんな大展望の男山ですが、山頂から眺める一押しの絶景は紅葉シーズンです。

八ヶ岳から山麓の野辺山高原にかけてと、反対側の奥秩父山系から妙義荒船佐久国定公園内の山々が幾重にも折り重なり、美しいグラデーションの深い山並みの景色を楽しめます。

男山の難易度別おすすめ登山コース

【天狗山縦走コース】

①馬越峠登山口→50分→②天狗山→45分→③垣越山→45分→④男山→45分→⑤垣越山→50分→⑥天狗山→35分→⑦馬越峠登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 4時間30分
距離 約6.4km
累積標高 約760m
難易度 ★★☆☆☆

男山に登る際のメジャールートで、標高1,600m付近の馬越(まごえ)峠から天狗山、垣越山、男山と稜線を歩く縦走コースです。信濃川上駅から男山の南斜面を登るコースよりも距離、標高差ともに小さいですが、それでも6.4kmに760mの標高差とそれなりに体力の必要なコースです。

登山口は、南相木村と川上村をつなぐ県道2号線の最高所、馬越峠にあります。路肩に切り開かれた無舗装のスペースがあり、6~7台ほどの駐車が可能です。トイレ等の施設はありません。また、12月から4月まで冬季通行止めとなりアクセスできなくなります。

登山口からは、稜線をめがけていきなりの急登を登っていきます。とはいえ、ものの5~10分ほどですので、ウォーミングアップのつもりでゆっくり登りましょう。稜線に出ると、目の前にボコッとした山頂の天狗山が見えてきます。

稜線上は、岩場が多く、ところどころに出てくるロープを使いながら天狗山を目指していきます。標高1,882mの天狗山までおよそ1kmほどの距離で250mほど登っていきます。天狗山直下で何か所かの岩場をこなして、1つめの天狗山に登頂となります。

山頂部は、割と広く平坦で西から北、東にかけての視界が開けています。北側には、佐久地方第一の名山である御座山やそのふもとに位置する山あいの集落、その向こうには折り重なるように荒船山などがあり、浅間山まで遠く見渡せます。天気がいい日には、北アルプスまで展望でき、目の前の八ヶ岳だけでなく多くの山々を見渡せる展望スポットとなります。

天狗山から先もまた急傾斜地で、特に天狗山山頂部直下は浮石も多く注意が必要です。だんだんと傾斜が緩やかになり、岩場も少なく落ち着いた稜線の登山道へと変わると、男山と天狗山の中間点となります。鞍部からなだらかに登り返すと、天狗山から45分ほどで2つ目の山頂・垣越山へと到着します。

垣越山の山頂部は、樹林に囲まれており、特に展望はありません。少し先まで進むと、瑞牆山の岩々しい輪郭が見えるようになります。

垣越山から先も、相も変わらず岩稜地帯を慎重に進んでいきます。途中には、2つのピークがあり、登っては下りを繰り返していきます。御所平方面、信濃川上駅からのコースとの分岐まで来れば、男山山頂はもう一登りです。

先のとがった円錐状の山頂へ向けて、最後の岩場を登り切れば登頂となります。男山山頂は、360度すべての方角に向けて視界がひらけており、天狗山以上の展望が期待できます。

権現岳や赤岳から蓼科山までの八ヶ岳の全てを眺めることができる希少な鑑賞スポットになっています。また、そのふもとに広がる野辺山高原、その南には立ちはだかるように連なる南アルプスと絶景が広がっています。

写真はイメージです

さらには、北側に長野県東信地方、西上州の山々が折り重なり、その先には浅間山や北アルプスまで眺めることができます。紅葉の時期には幾重にも折り重なる色彩豊かな山肌が、非常に美しい光景を創り出しています。

【男山ピストンコース】

①男山登山口→180分→②男山→110分→③男山登山口

必要日数 日帰り登山
総コースタイム※ 4時間50分
距離 約7.4km
累積標高 約800m
難易度 ★★☆☆☆

こちらのコースは、男山の南斜面を直接山頂へ向かって登っていくコースです。天狗山縦走コースよりも、登山口標高が低く、距離、標高差ともに大きいコースです。

男山登山口は、長野県道65号線から分岐するように伸びる林道の入口にあります。特に周辺に駐車場はありませんが、路肩スペースに数台であれば駐車することも可能です。

千曲川の対岸にはJR小海線の信濃川上駅があり、徒歩で約25分ほどの距離にあります。駅には、村営の無料駐車場があり、20台ほどの駐車が可能です。また、トイレもあるので、自家用車利用の方も駅に駐車するのが良いでしょう。

男山登山口と書かれた看板からゲートを開けて進むと、林道が続いています。南側の1,366mと1,535mのピークの鞍部から北側に回り込むように、林道を進んでいきます。ところどころで急傾斜の箇所もあるものの、比較的歩きやすい林道で頭の上にそびえる男山山頂を目指して近づいていきます。

標高約1,575m地点になると、林道が終わり、いよいよ男山山頂へ向けて急登の始まりです。ところどころにロープのある急傾斜を詰めていきます。木々が生い茂っており、展望は利きませんが、標高をあげるにつれ金峰山や瑞牆山など周囲の山々が垣間見えてきます。

250mほどの急登を登り切り、天狗山方面への分岐となると、男山山頂への最後の一登りとなります。ロープを使い慎重に登り詰めて登頂です。

男山のQA

男山に関する質問で多いのは、登山ルートや気温・積雪などに関することです。このような質問について以下QAを紹介します。

男山の登山レベルは?初心者でも登れる?

男山の登山ルートは、初心者から上級者の方まで、だれでも登ることができます。また、登山道はよく整備されており、道迷いやルート外れの心配は少ないでしょう。

ただし、5km以上と比較的長い距離のコースであり、また標高差も500m以上とそれなりにあります。中には急登区間やロープを使う岩場もあるので、時間には余裕をもって計画するようにしましょう。

冬場には積雪があり、アクセス道や登山道は氷結しています。豪雪地帯ではありませんが、寒さが非常に厳しい地域ですので、冬山装備は必須です。

男山の気温は?どんな服装で行けばいい?

男山のある南牧村の月ごとの平均最低気温と最高気温を下記の表にまとめました。真冬には月平均の最低気温が-12℃となるなど非常に寒さが厳しい地域です。一方で、晴天率も高く日中の気温は比較的高く1日の寒暖差が大きい傾向にあります。

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高 0.1 1.1 5.4 12.1 17.2 19.9 23.7 24.7 20.3 14.7 9.6 3.5
最低 -12.2 -11.4 -6.4 -0.6 4.9 10.2 15.0 15.5 11.4 4.4 -1.8 -7.9

夏でも天候次第では肌寒く感じる日もあるので、春や秋と同様に一枚羽織れる上着を持っていくといいでしょう。また、春・秋は他地域と異なり冬のように寒くなります。防寒対策は十分に行い備えましょう。

冬期間はしっかり冷え込みます。長野県内でも有数の寒冷地で非常に厳しい寒さになります。積雪は多くありませんが、一度積もるとなかなか融けず、氷結した路面や登山道となりますので、冬期登山の際には十分な下調べと装備・経験が必要です。

男山で見られる山の花は?見ごろは?

ミツバツツジ

男山では、初夏から夏にかけて様々な山野草のお花を見ることができます。特に、毎年5月末から6月ごろに咲くシャクナゲとミツバツツジは、八ヶ岳をバックに景色によく映えており人気の光景となっています。

下の表に見ごろと一緒にまとめて紹介しますので、参考にしてみてください。

山の花 見ごろ 山の花 見ごろ
アオダモ 5月 オオタチツボスミレ 5~6月
フデリンドウ 5月 ウマノアシガタ 5~6月
イカリソウ 5月 アズマシャクナゲ 5~6月
シロヤシオ 5~6月 ミツバツツジ 5~6月
ハシリドコロ 5~6月 シモツケソウ 7~8月

登山口へのアクセス・各種情報

馬越峠へのアクセスは、車のみとなります。男山登山口は、JR小海線の信濃川上駅から歩くことも可能です。冬季は、路面に積雪が合ったり凍結していますので、十分にご注意ください。

馬越峠駐車場

登山口情報

長野県川上村と南相木村を結ぶ県道2号線の馬越峠付近にある路肩の駐車スペースになります。6,7台ほどの無舗装の駐車スペースで、トイレ等の施設はありません.

例年12月上旬から4月中旬までは、冬季通行止めとなりアクセスできなくなります。

登山口までのアクセス

長野県佐久穂町から

八千穂ICから車で45分

山梨県北杜市から

長坂ICから車で約50分

男山登山口

登山口情報

長野県川上村にあるJR小海線の信濃川上駅から千曲川を渡り、広瀬地区へ向かう県道68号線の途中に登山口があります。登山口に駐車場はありません。

信濃川上駅からは、歩いて25分ほどになります。村営の無料駐車場があり、20台ほどのスペースがあります。無料で利用でき、トイレもありますので、車でのアクセスの際にもこちらを利用したほうがいいでしょう。

登山口までのアクセス

長野県佐久穂町から

八千穂ICから車で35分

山梨県北杜市から

長坂ICから車で約35分

信濃川上駅から

信濃川上駅から徒歩で約25分

男山周辺のおすすめ山旅スポット

南相木温泉 滝見の湯

出典:南相木温泉 滝見の湯

天狗山縦走コースの登山口、馬越峠から北側の南相木村に下ってすぐのところにある温泉施設です。山奥の地域にある共同浴場で、犬ころの滝という滝のすぐ横に位置しています。全面ガラス張りの内湯や周囲の山々に囲まれた露天風呂からは、山あいの村の大自然を肌で感じることができます。

お食事処もあり、地元の渓流で採れた岩魚のから揚げや地元産の蕎麦があり、それらをまとめた南相木定食はとても人気があります。大自然に囲まれた南佐久の奥座敷で、ゆっくりと浸かれを癒してみてはいかがでしょうか。

川上そば 善慶庵

長野県の中でも奥まった位置にある川上村の農家さんが営む信州そばのお店です。ご主人が畑で育てた蕎麦を、奥さんが打っています。十割蕎麦の盛り蕎麦しかメニューにはありませんが、香りと喉ごしの良い蕎麦は、わざわざ時間をかけて食べにくる人がいるほどです。

ヤツレン 野辺山乳製品直売所

出典:ヤツレン

南牧村の国道141号線沿いにあるポッポ牛乳で有名なヤツレンの乳製品直売所です。八ヶ岳山麓の酪農家から集められた生乳による製品は、とても美味しくお土産にもおすすめです。

夏には、ミルクたっぷりのソフトクリームが販売されており、141号線のドライブ途中に大勢の観光客が立ち寄る人気スポットになっています。

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