穂高岳登山-初心者から上級者まで楽しめる難易度別ルート紹介

3000mの稜線が続く穂高岳は、北穂・奥穂・前穂・西穂などの岩峰からなり、滝谷や前穂東壁などの岩場を抱える、北アルプスを代表する山域である。日本第3位の標高を持つ奥穂高岳を中心として、北穂、前穂に囲まれた涸沢は、日本最大級の氷河圏谷であり、シーズンにはテント村ができるほどの賑わいを見せる。今回はこの魅力あふれる穂高岳登山について初級者から上級者まで楽しめる登山ルートを難易度別に紹介する。

穂高岳について

中部山岳国立公園の飛驒山脈にある標高3,190mの山と紹介される穂高岳は奥穂高岳を指す。奥穂高岳は北アルプス最高峰で涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、南岳、中岳、大喰岳と山稜が連なり、穂高連峰とも称される。奥穂高岳から北に位置する槍ヶ岳を含めて、槍・穂高連峰と称され登山エリアとして毎年多くの登山者が訪れる。

山域北アルプス南部
都道府県長野県・岐阜県
穂高岳と共に登れる周辺の山々奥穂高岳、涸沢岳、槍ヶ岳、 北穂高岳(3,106m)、前穂高岳、南岳、中岳、大喰岳
標高3,190m

中級者におすすめ!横尾~涸沢を経て奥穂高岳へ

①上高地駐車場→②徳沢→③横尾大橋→④涸沢ヒュッテ 本館→⑤穂高岳山荘→⑥穂高岳

必要日数1泊2日以上
コースタイム※9時間25分
距離約17.8km
累積標高約2,122m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

ルート紹介:横尾

ルート紹介:横尾

上高地から通称上高地街道を梓川沿いに行けば、穂高連峰、槍ヶ岳、蝶ヶ岳への登山道の十字路に横尾山荘がある。山荘の前から梓川を横尾大橋で渡って、ササヤプの中の平坦な道路を歩いていると、扉風岩の岩壁を見上げる河原に出る。ここには横尾の岩小屋跡がある。河原の中をペンキマークに従って進み、右の樹林帯に登れば、横尾本谷の流れを左に見ながらのゆるやかな道になる。苔むした岩混じりの道をしばらく行けば、通称切り株と呼ばれる、ひと休みするのにちょうどよいところに出る。ここは昔、北穂の小屋の材木を製材したところでもある。

ルート紹介:本谷橋

ゆるやかな道をさらに行けば、樹林帯から抜けて視界が開ける場所に出る。左には扉風岩の東壁、中央壁が一望でき、正面に北穂高の東稜の末端が威圧的にそびえている。ここまでくれば本谷橋まですぐである。

ルート紹介:涸沢

ルート紹介:涸沢

橋を渡り、屏風岩の末端を巻くようにして急な登りを行く。道はやがてゆるやかに登るようになり、しばらくして左から落ちてくるSガレに出れば、前穂高、奥穂高、北穂高に囲まれた涸沢が望める。ここから涸沢が見えているわりに、結構長い。ペースを崩さないでゆっくり行こう。急なりもなくゆるやかに登って行くと、道はやがてガレ場の中を通り、秋になれば見事な紅葉を見せるナナカマドが目立つようになって、分岐に出る。左の石畳の道は涸沢ヒュッテへ、右はテント場を通って涸沢小屋に行く。どちらも時間的には変わらない。涸沢から奥穂高へは、涸沢の中を通りお花畑を横切るパノラマコースと、涸沢小屋の前を通って行くコースのふたつがある。どちらの道も整備されていて、カールの底から一段上がった台地で合流する。

ルート紹介:ザイテングラート取付・穂高岳山荘

ルート紹介:ザイテングラート取付・穂高岳山荘

岩を敷き詰めたような道をトラバースしてザイテングラードに取り付く。岩場混じりの尾根状の道だ。急登が続くが、稜線から左に巻くようになれば穂高岳山荘の前に出る。白出のコルに建てられた山荘は風力発電と太陽光発電で有名である。また山荘の前には大きな岩を敷き詰めた立派なテラスがあり、大勢の登山者で賑わっている。

ルート紹介:奥穂高岳

ルート紹介:奥穂高岳

奥穂高への道は小屋の横から、いきなり梯子で登り始める。鎖も付けられた岩場なので慎重に行動しよう。岩場を抜けると道もゆるやかになり、稜線の右側を浮き石に気を付けながら行く。ジャンダルムやロバの耳の岩峰が次第に見え始め、道が左に回り込むようになれば頂上までもうすぐだ。

頂上には穂高神社の山宮が祀られた大きなケルンがありその横には展望指示盤がある。南西にはジャンダルムをはじめとする峻険な稜線が西穂高岳へと続いており、南東には吊尾根の向こうに前穂高岳が、北には北穂高岳を越えて槍ヶ岳への稜線が見え、山岳風景の醍醐味を堪能することができる。

高度感のある登山を楽しむ上高地から岳沢を経て前穂・奥穂高岳へ

①上高地駐車場→②岳沢→③岳沢小屋→④涸沢ヒュッテ 本館→⑤前穂高岳→⑥穂高岳

必要日数1泊2日以上
コースタイム※7時間30分
距離約7.3km
累積標高約1,850m
難易度★★★★☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

ルート紹介:上高地

ルート紹介:上高地

上高地から岳沢への登山口は、河童橋から10分ほど梓川の右岸を行ったところにある。上高地自然研究路を明神へ向かえば、立派な標識が立っているのですぐわかる。登り始めからしばらくは鬱蒼とした樹林帯の中を行く。

ルート紹介:河童橋・岳沢小屋

ルート紹介:河童橋・岳沢小屋

明神岳側のつづら折りの道を登ると、やがて岳沢名物の天然クーラーの横に出る。ここは真夏でも岩の間から冷気が吹き出し、ひと汗かいた身体には気持ちがよい。中明神沢のガレ場を横切って登ると、岳沢のガレ場の横に出る。雪崩による倒木の多いところだが、新たに生えた木々が秋になると紅葉し、倒木の白い幹とのコントラストが素晴らしい。ガレ場沿いに登り、次第に頃斜がきつくなって左手のガレ場を横切って右へ少し登ると、岳沢小屋に出る。ここは潤沢のような喧騒も無く、眼下に上高地平を望み、西穂、奥穂、前穂、明神の稜線に囲まれた、落ち着いた雰囲気のところだ。

ルート紹介:岳沢パノラマ

ルート紹介:岳沢パノラマ

岳沢小屋をあとに少し行くと、ジグザグの道となり、重太郎新道に取り付く。急な登りが続くが、最初の休憩場所として最適なのがカモシカ立場と呼ばれる尾根上のテラスである。扇沢下部の滝沢の岩壁、コブ尾根、奥穂南稜の岩壁が高度感たっぷりに眺められる。

ルート紹介:紀美子平

ルート紹介:紀美子平

北尾根と吊尾根を従えた前穂高岳テラスから梯子を登り、まばらになってきた樹林の中の急登をグングンと高度を稼ぐ。やがてハイマツ帯の中を登るようになり、頭上に前穂高岳のピークが見え始めると、展望は一気に開ける。眼下には上高地の緑の中に、ホテルの赤い屋根や大正池の青い色が鮮やかに見える。このあたりが雷鳥広場と呼ばれ、高山植物なども咲いている、雰囲気のよいところだ。まだまだ急登が続くが、一枚岩に付けられた長い鎖を登れば紀美子平に出る。山の地名には稀な女性名が印象的だ。

ルート紹介:前穂高岳

ルート紹介:前穂高岳

ここで前穂高の頂上へ行く道と、頂上を通らずにトラバースして吊尾根に行く道とに分かれる。頂上から吊尾根への道はないので、紀美子平に荷物をデポして頂上をピストンした方がよい。

頂上へは急な岩場を30分ほど登る。細長いピークには北アルプスでも珍しい1等三角点が設置されているだけあって、見事なパノラマが得られる。とくにこれから向かう奥穂周辺の支稜の荒々しさには圧倒される。東を覗き込むと青々とした奥又白池が小さく見えるが、東壁を登るクライマーのために、絶対に落石をおこさないようにしよう。

ルート紹介:最低コル

紀美子平から分岐を吊尾根に向かう。ゆるやかな登りのトラバースが続き、稜線に出れば吊尾根の最低コルである。ここから道は、再び岳沢側をトラバース気味に行くゆるやかに登りながら長い鎖場を過ぎれば、まもなく奥穂の南峰に着く。

ルート紹介:奥穂高岳

奥穂高岳の頂上は目の前だ。上高地からの高度差1600mの登りも終着である。頂上には大きなケルンの上にがあり、展望指示盤も置かれている。

岩登りのルートに注意!涸沢から北穂高岳

①涸沢ヒュッテ 本館→②涸沢小屋→③北穂高小屋→④北穂高岳

必要日数1泊2日以上
コースタイム※3時間
距離約1.9km
累積標高約824m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

ルート紹介:涸沢小屋

ルート紹介:涸沢小屋

涸沢小屋の横から北穂沢のガレ場の中をしばらく行き、左の草付きの斜面を登る。この斜面は、コバイケイソウ、ハクサンイチゲ、シナノキンバイなどがとくに多いお花畑になっている。ジグザグの急な登りが続き、いやな岩場が2箇所あるが高度は確実に稼いでいく。道がハイマツ帯の中を行くようになれば、まもなくゴルジュの上のガレ場に出る。見上げると左の南稜と右の東稜の間の北穂沢が頂上直下まで突き上げているのが望まれる。

ルート紹介:南陵鎖場

一般登山道は南稜に付けられていて、ガレ場からハイマツ帯の中をしばらく行って取り付く。稜線に出る前に長い鎖場があるが、意外と簡単に登れる。稜線からは岩場混じりの急な道である。コースを外れると浮き石が多いので、ペンキマークを忠実にたどろう。右手の東稜を見れば高度を稼いでいるのがよくわかる。細いリッジを越え、短い鎖を過ぎてしばらく行けば南稜のテント場に出る。北穂高岳はもう目の前だ。

ルート紹介:北穂高

ルート紹介:北穂高

テント場を通って北穂南峰の下で稜線の分岐に着く。左が涸沢岳、右が北穂北峰の頂上へ行く道だ。分岐を右に取り、遅くまで見られる残雪を慎重に渡る。松涛岩ノコルに出れば頂上までひと登りだ。コルから滝谷に下る道が付いているが、岩登りのルートなので入らないように注意する。頂上からは滝谷の迫力ある眺めと、キレット越しに見る槍ヶ岳が素晴らしい。

初級者は西穂独標まで!新穂高温泉から西穂高岳・上高地へ

①西穂高口駅 展望台→②西穂山荘→③西穂独標→④西穂高岳→⑤宝水→⑥西穂高岳登山口

必要日数1泊2日以上
コースタイム※9時間20分
距離約9.0km
累積標高約994m
難易度★★★★☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

ルート紹介:西穂高口

駅西穂高岳への飛騨側からのアプローチとしては、新穂高ロープウェイを利用するのが一般的だ。終点の西穂高口駅は2156mの標高で、西穂山荘まで200mほどの登りである。樹林帯の中をゆるやかに登って、ジグザグの急登を終えると西穂山荘へ着く。山荘はちょうど森林限界に建っており、目の前には焼岳がそびえている。

ルート紹介:西穂独標

ルート紹介:西穂独標

西穂山荘からハイマツの中を登れば視界が開け、ガレた斜面を登って丸山を越える。正面には西穂独標がそびえている。ゆるやかな道をしばらく行き、岩場を登ると独標の頭である。西穂高の山頂はここから約1時間30分だが、小さなピークを越えたり巻いたりしながら、ハイマツの中のヤセた岩稜を行く岩場のルートなので、初心者は独標までが無難だ。

ルート紹介:西穂高

ルート紹介:西穂高

独標からは峻険な岩稜が奥穂高岳まで続き、右に吊尾根から前穂高への稜線が望まれる。帰路は来た道を引き返すが、独標からの岩場の下りは十分な注意が必要だ。

ルート紹介:上高地

上高地へは西穂山荘の前を通り、新中尾峠への分岐を左に行く。樹林帯の中の急な道を下り、右手に玄文沢が見えてくると、道もゆるやかになって西穂登山口の門に着く。

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