乗鞍周辺には、谷間の秘湯あり、高原のリゾート温泉ありで、登山やスキーの疲れ、日々の疲れを癒すのにもってこいの温泉地が数多い。いずれも湯量豊富な名湯で、新緑と残雪に輝く春山の眺め、あるいは、はらはらと落ちてくる紅葉の錦の中で湯に浸かる露天風呂の味わいは格別のものがある。これらの温泉地は、乗鞍岳や上高地探訪の基地にも好適で、周辺観光の中核となっている。ここでは乗鞍からみて信州側に位置する白骨温泉について紹介しよう。

    白骨温泉について

    出典:白骨ゑびすや

    乗鞍岳の東北麓、標高1400m付近の湯川の深い谷間に、10軒の旅館、ホテルが静かにたたずむ。約500年の古い歴史をもち、3日入れば3年風邪をひかないという名湯である。

    出典:白骨温泉 湯元齋藤旅館

    白骨の名は、湯の中に石灰分が耽殿結し、白骨に見えるからとも、白く濁った湯の花が湯船に付着するところから、白骨温泉と呼ばれたものが転じたともいう。中里介山が小説『大菩衛峠』の中で、盲目の剣士机竜之介が目の治療のためにつかった油としてこの温泉を登場させてから、白骨温泉の名は世に広く知れ渡ることとなった。

    出典:白骨温泉 白船荘新宅旅館

    歌人若山牧水は、数週間湯治滞在し、その思い出を『幾山河』の中で記している。スーパー林道が開通し、現在は旅館・ホテルとも通年で営業し、冬も賑わっている。泉質は硫黄泉など。

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    白骨ゑびすや

    出典:白骨ゑびすや

    ゑびすやの露天風呂は白骨温泉の大自然を一望できる素晴らしい眺望が自慢。源泉を惜しみなく掛け流している白濁した湯船に浸かると日頃の疲れも吹き飛ぶだろう。

    白骨温泉 かつらの湯 丸永旅館

    出典:白骨温泉 かつらの湯 丸永旅館

    源泉100%掛け流しで、ぬるめのお湯にゆっくり入ることが出来る、飲泉出来るお湯の効能が楽しめる。温泉のお湯で炊く、温泉粥は白骨温泉の名物だ。

    白骨温泉 湯元齋藤旅館

    出典:白骨温泉 湯元齋藤旅館
    出典:白骨温泉 湯元齋藤旅館

    玄関手前の「薬師堂」のすぐ下に白骨温泉の「湯元」1号源泉がある。温泉地の一番初めの源泉は開湯300年以上とも言われており、今でもその源泉より浴槽へ給湯している。「加水なし」「掛け流し」「掘削無しの自然湧出」のお湯を、堪能できる古風豊かな温泉宿だ。

    中の湯温泉旅館

    出典:中の湯温泉旅館

    1915年(大正4年)に創業の、山合いの一軒宿「中の湯温泉旅館」。安房トンネル工事が原因の水蒸気爆発により、安房峠途中の現在地へ移転をしたのが1998年。穂高連峰が臨め、焼岳登山の新中の湯コースの登山基地としても大変便利だ。ロビーの大きな窓から眺める自然の壮観な景観は、山人でなくとも圧倒される迫力だ。

    白骨温泉 白船荘新宅旅館

    出典:白骨温泉 白船荘新宅旅館

    自家源泉「あらたまの湯」は8ヶ所の浴槽があり、24時間完全源泉を掛け流している。各湯口からはいつでも湧きたての温泉を飲むことも可能だ。貸切風呂は2ヶ所で、こちらのお風呂は今ではめずらしい足元自墳泉となっている。浴槽の下にも源泉があり足元からボコボコ湧き出す大地の鼓動を感じることができる。

    白船グランドホテル

    出典:白船グランドホテル

    白骨温泉の湯は湧き出した時には透明な色をしており、それが時間が経ち、人がお湯に浸かり撹拌することによって徐々に白くなる。かけ流して6時間程経つとようやく少し透ける白さになり、翌朝まで流すとすっかり見違えるように乳白色に変化する。乳白色に変化するのは、温泉に含まれる成分が微粒子となって白く濁りを見せるため。その日の天候、気温、入浴するの人数等により、お湯の色や白濁の度合いが変わるという。

    白骨温泉から楽しめる登山

    白骨温泉から十石山

    出典:信州山岳ガイド
    • 難易度:上級
    • 合計所要時間:3:30
    • 累積標高:1209m
    • 距離:約5.3km
    • コースタイム:白骨温泉-(210分)→十石山

    十石山を愛する地元有志により整備されたこのルートは、標高差の大きい健脚行程ながら、静かな山歩きの楽しみと山頂台地からの眺望により登山者が増えてきた。登山道はほぼ明瞭だが標識は乏しく、整備状況によっては少々のヤブや風雨による倒木の可能性も否めない。経験を積んだ中級者以上が楽しめるよき一山といえよう。

    白骨温泉バス停から現在は通行止めとなっている上高地乗鞍スーパー林道のC区間へ進む。登山道の取付点は料金所跡を過ぎて最初の鋭角な右カーブ。あるいは、さらに林道を進み、左手に中部電力白骨無線局が建つすぐ先の鋭角な右カープ地点から取り付いた方がわかりやすい。

    カラマツ林に続く登山道を進み、「至十石山」の標識の立つ丁字を左に折れる。広葉樹が美しい急斜面を経ていったん傾斜がゆるむと、深い針葉樹の森に変わる。尾根の平坦部を経て再び登って行くと、やがて樹林を抜け出し、ササやハイマツが覆う頂上直下の急斜面に出る。これを登りきった山頂台地に、十石峠避難小屋が建っ ている。間近にする槍、穂高連峰をはじめ眺望に優れた絶景の地だ。山頂へは避難小屋から左に進む。切れ落ちた路肩に注意しながら5、6分もたどると、ハイマツに覆われた小さな空間に三角点が置かれている。さらに南西へと尾根をたどれば平湯乗被登山道に出られるが、ガレ場や不明瞭箇所もあり十分な注意が必要である。

    見晴峠を経て白骨温泉へ

    乗鞍観光センター前の道路を北に向かい、スーパー林道の料金所跡手前を左折して少し歩くと、右手に旅館福島屋がある。その角を右折、舗装の坂道が右へカーブするところが登山道入口だ。

    登り始めてすぐ、標識に従って右折すれば、白骨温泉までは1本道。カラマツの植林地にジグザグを描く登り道で、オオバギボウシやヤマウドなどの山菜も見られる。右斜上して尾根に出ると、鉢盛山など東側の眺望が得られる。そこから山腹を左に巻くように登ると、右側に横穴のような窪みがあるが、昔、大樋鉱山を探して掘った跡といわれている。

    さらに登ると、道の左側に見晴岩があり、そこからの乗鞍岳、乗鞍高原の眺望がじつに良い。残雪の頃は白き、たおやかな乗鞍の峰々が目にまぶしく、秋には抜けるような青空にカラマツの黄葉が心に残る。

    人休みの後、ひと踏ん張りすると見晴峠。しかし、樹々にさえぎられ、見晴らしは良くない。峠からはコメツガ、ウラジロモミ霞沢などの針葉樹林となり、樹間に霞沢岳と西穂高岳稜線が見え隠れする。さらに下ると、トチノキ、ハンノキ、オオカメノキなどの明るい広葉樹林帯となる。山菜の王様といわれるタラノキが目につくようになるころ、スーパ一林道に出る。白骨温泉までは、もうひと歩きだ。

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