いよいよ今年も残り1ヶ月を切りました。みなさんはどのような1年でしたか?
私はこちらで記事を書くチャンスをいただき、とても勉強になる、楽しいチャレンジをさせていただきました。また記事がきっかけでSNSをフォローしてくださったり、イラストのお仕事のご縁に繋がったりと、山登りを通して自分のフィールドが大きく広がる経験になりました。
今年もどうもありがとうございました、と年末のあいさつをしてしまいそうな勢いなので、本題です。今回は山登りを題材にした小説を紹介したいと思います。
登場人物が山を登る物語では、行き方やルートが詳しく書かれているだけではなく、自然や天候の移り変わりの描写も美しいので、読んでいて情景が浮かび、本当に登っているような、そんな感覚になるから不思議です。山を登る方は共感する部分が多いと思うので、ぜひおうち時間で読んでみてはいかがでしょうか。
北村薫「八月の六日間」
まずご紹介したいのは北村薫さんの「八月の六日間」。
この小説は、文芸誌の副編集長をしている主人公の女性が山登りを通して、仕事や恋愛で感じる孤独や不安に向き合っていくお話です。
この小説を読み切ったのは、一昨年のゴールデンウィーク、家族で上高地へ行く前夜でした。安房峠の途中の旅館に一泊し、布団の中でこの小説を読み終えたときは、なんだか救われたような気持ちになり、翌日の山登りへの期待感が高まったのを覚えています。
私が印象に残っているのがこの一節
「思い通りの道をいけないことがあっても、ああ、今がいい。私であることがいい。」
主人公の人生における迷いと山登りがリンクしていていいなあと。
どの場面で出てくるかは読んでみて確認してみてくださいね。
ちなみに上高地登山の当日は快晴で、河童橋までの道を両親と歩きました。ゴールデンウィークということもあり人が多かったのですが、ゆっくりと足並みをそろえて歩く時間はとても楽しいものでした。

湊かなえさん「山女日記」
また、最近読んだのが湊かなえさんの「山女日記」。読書好きの父に山登りの本はないかと聞いたところ、紹介してもらった一冊です。
この小説は短編で物語がいくつか収録されており、それぞれの登場人物が抱える悩みや苦悩を、山登りをする姿を通して描かれています。どの登場人物も自分の人生に一生懸命で幸せになりたくて。それでもうまくいかないこともたくさんあって。そんな現実と戦い、導かれるように山を登り、山が背中を押してくれます。そんなエピソードが丁寧に描かれている一冊です。
山登りは普段体験しないできごとの連続で、ぬかるんだ道を進んだり、突然の雨に見舞われたり。
知らない花を見つけて感動したり、こんなに水って冷たいんだ、という発見があったり。
日常生活であれこれと考え悩んでしまうことはありますが、山登りをしている間は一旦その悩みも忘れられるというか、リセットされる感覚になります。逃避とも言えるかもしれませんが、逃げ場を持っているってとても重要なことですよね。それが自然の中なら、とても素敵なことであると私は思います。

信濃川日出雄「山と食欲と私」
さて、最後に今後読んでみたい山の本というか、漫画をご紹介します。
信濃川日出雄さんの「山と食欲と私」。
こちら、山登りをされている方の間では有名かもしれませんね。
今後は山頂で食べるご飯を充実させたいと思っているので、冬休みに一気読みしようかなあ。
他にも山登りを題材にしたお話があれば、ぜひ教えてください!
今月は今年ラストの山登りを控えているので楽しみです。今後は登った山のレビューもしていければいいなあと。ゆるゆるとした更新になると思いますが、よろしくお願いします。 寒さも深まっていますのでみなさんご自愛くださいね。
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