日本の古き良き時代の庶民の生活、「森」を舞台に描かれた珠玉の名作、畦地梅太郎の画文集、日高の山々を愛した坂本直行の代表的画文集、山を仕事場とする猟師や、山里に暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な出来事など、山や登山に関する話題本から傑作本といったおすすめの本を紹介します。
山の怪談ブームに火をつけた現代版・遠野物語『山怪』

シリーズ累計20万部突破!!山の怪談ブームの火付け役。山で働き暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な体験。NHKドキュメンタリーで映像化、漫画化、海外で翻訳化もされたベストセラーがついに文庫化!秋田・阿仁のマタギたちや、各地の猟師、山で働き暮らす人びとから実話として聞いた、山の奇妙で怖ろしい体験談。
山を仕事場とする猟師や、山里に暮らす人々が実際に遭遇した奇妙な出来事。深い親交を持つ著者だからこそ聞き得た阿仁マタギの体験談をはじめ、時代の流れとともに消えつつある「語り遺産」を丹念に集めた現在形のフィールドワーク。「現代版遠野物語」として絶賛されたベストセラーを遂に文庫化。書き下ろしの「山怪後日談」を収録。
北アルプスの黒部川の岸辺、薬師沢小屋のリアルを語る『黒部源流山小屋暮らし』

北アルプスの山小屋の中でも、黒部川の岸辺という特殊な環境にある源流の小屋、薬師沢小屋。電波も届かない山奥で、どのような暮らしがあり、どのような出来事が起こるのか。
薬師沢小屋で働いて12年目になるイラストレーターのやまとけいこが、小屋開けから小屋閉めまでの時間軸に沿いながら、リアルな山小屋ライフを楽しい文章とイラストで紹介。
40歳代の串田孫一の随想集『山のパンセ』

当時、40歳代の串田孫一の、山にまつわる思想、思索などを平易な文章で綴った随想集。四季にわたって山行をした紀行も多く、内容はバラエティに富んでいる。1957年に実業之日本社から出版され、好評を博し、62年『山のパンセ2』、63年『山のパンセ3』があいついで出版された。本著作は全91編を収録し、1冊に合本されたもの。超ロングセラーとなった串田文学の代表作。
全国53の山小屋管理人、小屋番たちによるエッセイ『小屋番三六五日』

山を住処とし、山を仕事場とする小屋番たち。ちょっと懐かしくて、あたたかい気持ちになる、全53話を収録。巻末には、ピオレドール受賞クライマーで南アルプス・甲斐駒ヶ岳七丈小屋管理人を務める花谷泰広さんのスペシャルエッセイを収録。
『山と溪谷』誌に2001年から2006年まで長期連載された、全国53の山小屋管理人、小屋番たちによるエッセイをまとめた書籍を再編集。
次世代に語り継ぎたい『男の民俗学大全』

次世代に語り継ぎたい、遠藤ケイ畢生の大作、堂々の復刻
マタギ、炭焼き、刺青師、花火師、川漁師……。日本の古き良き時代の庶民の生活と暮らしを支えてきた男たちを、十数年にわたって徹底取材した記録。精緻かつ骨太のイラストを文庫版で忠実に再現。
関野吉晴(探検家・医師)による文庫解説を加えて「大全」にふさわしい復刻版となっている。
手塚治虫 珠玉の名作11話『手塚治虫の森』

すべての生命の源でありエネルギーに満ち溢れる「森」を舞台に描かれた珠玉の名作11話。
手塚治虫が遺した作品のなかから、「森と人間」を手テーマとしたマンガを10編セレクトしてまとめた作品集。
セレクトするマンガは、森を舞台とする寓話、ミステリー、環境問題まで、幅広い作品のオムニバス、そこには「森はすべての命の源である」という通念が感じられ、手塚治虫を知っている世代、よく知らない世代含め、「人間と自然の関わりと共存」という普遍的なメッセージを伝える作品集。
畦地梅太郎の画文集『山の出べそ』

版画家として知られ、山の文芸誌『アルプ』のメンバーとしても活躍した畦地梅太郎が、1966年に創文社から刊行した画文集を復刊。
「わたしの書く作文などというものは、なんの役にもならんものである。ちょうど、出臍のおかしさにも似たおかしげなものである」
本書は昭和41年(1966年)に創文社から刊行された山の画文集。出版当時、畦地梅太郎64歳、ちょうどアルプ100号の出版年と重なり、畦地梅太郎の創作活動の円熟期ともいえる時期となる。
この本に先立ち、1957年に「山の眼玉」(朋文堂)が刊行されていますが、「山の眼玉」「山の足音」「山の出べそ」などの画文集は畦地梅太郎が残した貴重なモニュメントとして高く評価されてきた。
本書には、名を伏せたAさん、Bさんなどが登場するが、串田孫一、内田耕作といったアルプスのメンバーと読み替えると、畦地さんの紀行文がより鮮明に読み取れる。また、当時の山小屋の主人や登山者の様子を仔細に、かつユーモアを交えて綴る本文から、とぼとぼ歩く画家・畦地梅太郎さんの山の見方、感性が伝わってくる。
日高の山々を愛した画家の代表的画文集『原野から見た山』

北海道の大地に生き、日高の山々を愛した画家の代表的画文集。若き日の山の追憶から昭和三十年代の紀行までの二十六篇を、力強く明快な山岳画や植物のスケッチとともに収録する。
開拓期の北海道の山や原野、開拓農民、造材労働者、アイヌの人たちなど、北の大地とそこに生きる人々の姿がユニークな視点から生き生きと描かれた、北海道の山の文化を代表する名著。
ウィズコロナの時代にブームの山林購入のすべて『山を買う』

いま「山を買う」ことがひとつのブームになっている。アウトドア好きのお笑い芸人や人気Youtuberが山を買って存分にソロキャンプを楽しんでいたり、アイドルタレントが山を買うまでの話をテレビ番組が企画したり。また、大企業はCO2削減・環境保護のために山林を購入を考えてる。
- 山ってそんなに簡単に買えるの?
- 山を買ってよかったことは?
- 山を買うときの注意点は?
実際に山を買った人たちの話を紹介しながら、山を買うブームの考察や山林購入を取り巻く諸問題も解説。山を買うことのさまざまな情報をまとめた気になる一冊。
萩原編集長の山塾 秒速! 山ごはん

NHKのテレビ番組「実践! にっぽん百名山」の解説者を5年にわたってつとめた萩原編集長が、豊富な経験をもとに、山ごはんとおつまみの達人げんさんとコラボし作りあげた最新の山ごはん本。
同番組の料理コーナーで紹介したものだけでなく、速く作れてウマい山ごはんレシピが盛りだくさん!カップ麺よりも早く、フリーズドライより手作り感があり、最短10秒~最長5分で完成するウルトライージークッキング。
とにかく手軽にすばやく調理できるメニューを、長年の登山経験やプロのアドバイス、調理のエピソードなどを交えつつ、実際の調理時間を秒単位で見せながら、その手軽さと美味しさを紹介。もちろん、日々の時短料理にも役立つ。