飛龍山は秩父側では大洞山と呼ばれ、雲取山からの奥秩父主脈上に位置する標高2077mの山である。縦走路からやや離れており、山頂も山梨百名山の標識があるのみだ。しかし奥秩父らしい原生林とシャクナゲの花などを求めての登山であるなら、三条の湯からのよい1日コースとなる。

飛龍山の登山概要・難易度
- 難易度:中級
- 合計所要時間:9:45
- 累積標高:2528m
- 距離:約22.5km

飛龍山の登山ルート
- お祭
↓95分約4.4㎞/△410m・▽247m - 塩沢橋
↓75分約3.6㎞/△391m・▽149m - 後山林道終点
↓30分約1.3㎞/△296m・▽142m - 三条ノ湯
↓130分約2.8㎞/△865m・▽50m - 北天のタル
↓40分約1.4㎞/△258m・▽178m - 飛龍権現
↓20分約0.5㎞/△73m・▽6m - 飛龍山(大洞山)
↓15分約0.5㎞/△6m・▽73m - 飛龍権現
↓30分約0.8㎞/△60m・▽118m - 前飛龍
↓80分約3.5㎞/△48m・▽588m - サオラ峠
↓70分約3.7㎞/△121m・▽913m - 丹波
お祭~三条の湯
三条の湯までは、以下の記事を参照頂きたい。林道終点から三条の湯までは山梨森林百選にも選ばれた気持ちのよい広葉樹林の登山道である。
三条の湯~北天のタル
山のいで湯に一泊したら、翌日は早朝の出発としたい。指導標に従い小屋の裏手からジグザグの急登が始まる。ゆるやかな登りになり中ノ尾根を越える。このあたりから北天のタルまで、山腹のゆるやかな登りになっている。2つの沢を渡り、どちらも水が補給できる。丈の低いササに覆われた道になると南側の展望が開け、すぐに北大のタルに出る。ここからの縦走路は、すべて主脈南面を巻くようにつけられている。笠取山方面への道をとる。
飛龍権現~飛龍山

立派な木道があり、約20分で山頂からの道(急なジグザグの登りで、山頂への踏み跡)と合わさり、簡易な指導標がある。さらに20分で飛龍権現の石の祠がある分岐に着く。ここから山頂までの道はやや不明瞭であるから気をつけたい。指導標があり踏み跡に従い北へ登る。わかりづらいところもあるが、すぐに尾根上の道となる。次第に北から東向きに進む。尾根を外れないように行くと、途中1箇所山頂と見誤る平地があるがさらに進むと、権現から約20分で三角点のある山梨百名山の標識が1本ある山頂に着く。南面のみ少し開けている。権現から山頂まではシャクナゲが多く6月ごろの開花時は美しい。
飛龍権現~前飛龍~サオラ峠~丹波
下山は、飛龍権現まで来た道を戻る。縦走路を笠取山方面に5分程進むと左手に、禿岩という展望の良い岩があり立ち寄るのもよい。丹波へは南へ下る。

前飛龍のピーク(標識などない)を越えるとすぐに、露岩の分岐に着く。右はロープが張られ、岩岳尾根の道であまり整備されていない。本コースは左のミサカ尾根の道をとる。最初は急下降であるが、次第になだらかな歩きやすい尾根道となる。
熊倉山(火打岩)を過ぎると樹林の様子も変わり、小広いサオラ峠(竿裏峠)に着く。峠からは南面の急な転げ落ちそうなジグザグ道の下りだ。一気に高度を下げ山王沢の指導標に着く。緩やかな下りに変わり杉の植直林帯をぬけると、熊除けの電流フェンスが現れる。何箇所か扉を開けて通過すると指導標があり、ここからは車道と一部畑道を行く。青梅街道に出て左へ進めばすぐバス停である。奥多摩駅行きのバスは1日4本なので事前に時刻を調べておくようにしたい。