尾瀬沼の日帰りハイキング

尾瀬ヶ原とともに尾瀬を代表する景勝地が尾瀬沼だ。尾瀬沼方面へのルートで最もポピュラーな登山口が大清水、それに野岩鉄道の開通でより便利になった沼山峠がある。沼山峠からならば、1時間ほどの歩行時間で、尾瀬沼へ到達できる。ここではほかに富士見下から皿伏山経由、奥鬼怒から物見山経由で大清水、同じく奥鬼怒から黒岩山経由の各ルートを紹介している。

尾瀬沼の概要・気温について

群馬県利根郡片品村と福島県南会津郡檜枝岐村にまたがって位置する沼で面積は1.81km²。只見川の最上流に位置し、尾瀬ヶ原に比べると240 m程標高が高く1,660mの場所にある沼。

指定尾瀬国立公園
都道府県福島県、群馬県
標高1,660m

※横スクロールで表がスクロールできます。

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最高気温-5.2-4.8-16.914.217.721.222.316.510.55-1.2
最低気温-13-14-9.5-4.60.96.110.711.57.80-4.8-9.7

沼山峠から尾瀬沼の難易度:初級者におすすめの日帰りハイキング

長蔵小屋

①沼山峠休憩所→②沼山峠→③沼山峠展望台→④小淵沢田代分岐→⑤大江湿原→⑥創始者平野長蔵翁の墓→⑦長蔵小屋

必要日数日帰り登山
総コースタイム※2時間10分
距離約6.4km
累積標高約212m
難易度★☆☆☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

このコースは、かつては沼田街道と呼ばれ、 会津と上州とを結ぶ交易路として利用されていたもの。 そんな昔を偲びながら歩けば、より味わい深い山旅になるだろう。

尾瀬沼山バス停は以前、黒鍬清水だったところ。 現在は沼山峠休憩所が建ち、 多くのハイカーを迎えている。沼山峠の頂へは、南側の木の階段に取りつき、その後は木道をたどり、オオシラビソの多い樹林の中を登って行く。本来の沼山は道標もなく、それとわからずに通過してしまう。 平坦道から下りにかかるころ、沼山峠展望台に出る。尾瀬沼や皿伏山、荷鞍山などが見渡せる。

ゆっくり展望を楽しんだら尾瀬沼へ下って行こう。大きくジグザグをきってゆるやかに下る。 下りきったところが大江湿原の北端。湿原の花々を楽しみながらのんびりと木道をたどる。

小淵沢田代への道を左に分けて5分ほど行くと、右手に平野家の墓所がある。小高い丘の上に造られており、長蔵小屋の創始者平野長蔵翁などがここに眠っている。 コースから2分ほどのところにあるので、興味のある人は墓参していくとよいだろう。 目の前の長蔵小屋へは、ニッコウキスゲの群生する湿原の中を歩いて行けばよい。

大清水から尾瀬沼の難易度:中級者におすすめの日帰りハイキング

大清水から尾瀬沼へ中級者におすすめの日帰りハイキング

①大清水登山口→②三平橋→③三平峠(尾瀬峠)→④尾瀬沼休憩所→⑤尾瀬沼展望所

必要日数日帰り登山
総コースタイム※5時間0分
距離約14.7km
累積標高約763m
難易度★★☆☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

尾瀬の表玄関である大清水は多くのハイカーでつねに賑わっている。バスは大清水休憩所前に到着。それを右に見て車道を進む。すぐに車両止めのゲートがあり、その先で車道がふた手に分かれる。一ノ瀬へは直進する車道を道なりに進む。落葉広葉樹林の中にのびる広い車道をゆるやかに登って行くと、一ノ瀬休憩所の建つ一ノ瀬に着く。一ノ瀬休憩所の手前には水洗トイレも完備。この先、三平下まではトイレや休憩所はなく、本格的な山歩きになるので、しっかりと身支度を整えよう。

一ノ瀬休憩所の北側で片品川を渡り、三平峠への道に入って行く。片品川の左岸沿いをゆるやかに登る。冬路沢を渡るころからやや急登に変わり、3回ほどジグザグを繰り返すとベンチの並ぶ小広場に飛び出す。

小広場を通過し、クマザサの間のジグザグ道を登る。登りきったら右の尾根通しの道を進む。東方の展望がよく開けると間もなく左に大きく曲がり、オオシラビソの樹林帯に入る。ゆるやかに登りつめれば三平峠だ。

峠からはゆるやかに左方へ下って行く。道が右に大きく曲がるころ、眼前には燧ヶ岳が雄姿を見せる。下りきったところが尾瀬沼山荘の建つ三平下だ。長蔵小屋へ尾瀬沼東岸沿いの木道を20分ほどたどればよい。

富士見下から尾瀬沼の難易度:中級者におすすめの小屋泊登山

富士見下から尾瀬沼の難易度:中級者におすすめの小屋泊登山

①富士見下→②富士見小屋跡→③尾瀬沼分岐→④セン沢田代→⑤大清水平→⑥大清水平分岐→⑦尾瀬沼山荘

必要日数1泊2日登山
総コースタイム※11時間40分
距離約27.7km
累積標高約1,491m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

以前のように沼田駅から直通運行ではないものの、戸倉(鳩待峠行バス連絡所)や鎌田から富士見下へのバスの運行が再開され、アクセスの不便さが解消された。富士見下から富士見峠へは一般車両の通行は禁止されており、業務用車両だけが通行できる林道を延々と歩いて行くことになる。

富士見峠から白尾山、皿伏山を経て尾瀬沼へ向かうこのコースは、夏のシーズンでも比較的人影が少なく、静さらぶせやまかな尾瀬が味わえる。メインルートを卒業した人におすすめしたいコースである。

富士見峠に建つ富士見小屋から東に林道を進むと、地図上の富士見峠があり、尾瀬ヶ原へ下る八木沢道を左に分ける。さらに林道はマイクロウェーブ反射板の立つ台地まで延び、そこで終点になる。台地からは南側の展望だけが開けている。

道標に従って登山道に入ると小湿原が現れ、湿原越しに燧ヶ岳が望める。小湿原をあとに白尾山の山腹を南面から東面へ回り込むように登って行く。小さな傾斜湿原をいくつか通過して白尾山の山頂に着く。最高点の東直下に小さく開け、峠のような雰囲気がある。皿伏山へは白尾山北面の急坂を下って行く。開けていた展望もなくなり、樹林の中の暗い道を進む。ほぼ下りきると小ピークを右に巻き、再び下ってようやくセン沢田代に着く。丈の高い草やササが茂り、ほとんど湿原を見ることはできない。

しばらくは平坦な木道をたどるが、後方を見ると今下ってきた白尾山が大きく望める。やがて少し登りになり、小ピークを右に巻いて行く。小さな水流を渡ると、いきなりジグザグの急登が始まる。ここがこのコースで一番きついところで、一転して暗い樹林帯になってしまう。この急坂を登りきれば皿伏山の山頂に飛び出す。皿伏山は周囲を樹林に囲まれて展望が開けない。それでも、休憩用のベンチが置かれている。

皿伏山を越えれば、あとは尾瀬沼までほとんどゆるやかな下り道がつづく。深い樹林に包まれて眺望はないが、ときどきパッと明るい小湿原に出る。いくつかの小湿原を経て急坂を下ると、いままでにない広い湿原が眼前に広がる。ここが大清水平だ。春遅くまでミズバショウが咲き、初夏にはニッコウキスゲが原一面を彩る。そして、北側の樹林の上には燧ヶ岳が雄姿を見せている。

大清水平から再び樹林の中へ入って行く。ゆるやかな下りが急になるころ、尾瀬沼の南岸分岐に着く。右の南岸沿いを行けば三平下、左の西岸沿いを行けば溶尻だ。時間があれば左へ、なければ右にとり、今日の宿、尾瀬沼山荘か長蔵小屋、尾瀬沼ヒュッテに向かおう。南岸沿いの木道は傾いて滑りやすい箇所があるので要注意。

奥鬼怒から物見山・大清水の難易度:温泉と湿原を楽しむ中級者登山

奥鬼怒から物見山・大清水

①日光澤温泉→②鬼怒沼→③鬼怒沼巡視小屋→④物見山→⑤大清水湿原

必要日数1泊2日登山
総コースタイム※10時間40分
距離約19.2km
累積標高約1,867m
難易度★★★☆☆
※「40~50代(または60代)の登山経験者/2~5人のパーティー/夏山の晴天時」を基準に設定

奥鬼怒方面から尾瀬を訪れるには、鬼怒沼湿原からふたつのコースがとれる。ひとつはここで紹介する、物見山新道をとって大清水に下り、さらに三平峠越えで尾瀬沼に行くもの。もうひとつは黒岩山から小淵沢田代を経て尾瀬沼に至るものだ。この物見山新道ルートは大清水までなら黒岩山ルートに比して歩行時間も少なく、大清水に着いたときの体力の状態で大清水泊にするか尾瀬沼までがんばるかの決定ができる。黒岩山ルートほどコースに変化はないが、トレールもきちんとしていて静かな山旅が味わえるはずだ。

鬼怒川温泉駅からのバスは広大な女夫渕温泉駐車場の最奥に停車する。奥鬼怒温泉郷へは駐車場の北端で鬼怒めおとぶち川にかかる女夫淵橋を渡り、奥鬼怒林道を行く。林道を道なりにたどって行くと、奥鬼怒歩道の入口を示す道標がある。道標に従って樹林の中を進み、鬼怒川のほとりに出たら対岸へ渡り、奥鬼怒歩道を上流へ向かう。

奥鬼怒温泉郷中もっとも手前に位置するのが八丁湯。その上流に加仁湯、最奥には日光澤温泉がある。加仁湯の直前を左に分かれ、40分ほど山道をたどれば手白澤温泉がある。いずれも露天風呂が自慢の山のいで湯だが、登山者に親しまれているのは日光澤温泉。翌日の行程を考えると日光澤温泉に泊まっておくのがベターだが、ほかでもそれほど時間の差はない。いずれにしても、1日目は温泉郷のひとつに泊まることになる。

翌日は早めに出発。日光澤温泉の玄関に向かって手前を左に入り、すぐに根名草山への道を左に分ける。ほぼ宿の裏手で鉄橋を渡り、鬼怒川の左岸沿いに進む。丸沼との分岐で右にとるとジグザグ道が始まる。20分ほど急登を続けてオロオソロシの滝展望台に着く。

展望台からもしばらくは急登がつづく。1時間ほどがんばると次第にゆるやかな登りになってくる。ササ原の平坦道を行くようになれば、すぐに鬼怒沼湿原の南端に飛び出す。木道をたどって湿原を行こう。

鬼怒沼湿原は大小40にものぼる池塘が点在し、シラビソなどの樹林が周囲を包みこんでいる。池塘に山姿を映す鬼怒沼山をはじめ、燧ヶ岳や根名草山、日光白根山など、見事な展望をゆっくり楽しみたい。

湿原の北端に物見山と黒岩山への分岐点がある。ここを左にとり、ササ原の中を進む。傾斜がつきはじめると針葉樹の林になり、しばらく登ると物見山の山頂に着く。あいにく展望は開けない。

山頂から湯沢出合までは延々と急な下りがつづく。丸太橋のかかる湯沢を左岸へ渡る。沢から離れてカラマツ林につづく広い道を進み、物見橋を渡って大清水への林道をたどる。左手に根羽沢鉱山跡を見送り、40分ほど平坦な道を行けば片品川を渡り大清水に着く。

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