服部文祥 獲物山

服部文祥の獲物を巡る山行、思想を膨大な写真とともに収録した「獲物山」は、サバイバル登山家の服部文祥が凝縮された本。飾り気や嘘のない彼の魅力を堪能できる。山旅々で以前紹介した『サバイバル登山入門』はハウツー的な要素が強く楽しめ、『獲物山』はサバイバル登山の記録と服部文祥の思想を楽しめる。

過去2年にわたりアウトドア誌「Fielder(フィールダー)」にて掲載してきたサバイバル登山や狩猟記録に大幅な加筆、再編集を施したほか、本書書き下ろしの山行記録、家庭、生死にまつわるエッセイなどを収録しており、多くの写真家による質の高い写真群も見どころの1つとなっている。

木村伊兵衛写真賞を受賞した新進気鋭の写真家・石川竜一による「命影(めいえい)」・「狩猟~誠実なる蛮行」は本書のエッセンスが凝縮された本書の見どころとなっている。

読み進めていくと「ついこのあいだまで全人類がやっていたこと」を実践している服部文祥の姿や考えを本書から知り、現代人と食べ物とのあいだにある、なんとも不可思議な現実を深く考えてしまう。