個人的な話が得意ではない私が、なぜ今回自分の言葉で何かを人に伝えたいと思ったのか。そのきっかけは、ジョン・ミューア・トレイルを歩いた経験にある。

とにかく毎日が楽しかった。こんな遊び方もあるんだ。こんなに素晴らしい自然の中を歩けるんだ。みんなおいでよ。そう素直に思った。そしたら人に伝えたくなった。それだけだった。
――本文より

女優・小島聖の野性的でありながら洗練された感性が光る、待望の初エッセイ。

小島聖

女優としてのキャリアを重ねる一方で、プライベートでは大自然に魅せられ、国内のみならず海外の山へと旅を重ねてきた小島聖。そんな彼女が、バックパックひとつで何日もテントで過ごすような、女性にとっては少々ハードともいえる旅の中で、特に大切にしているのが“何を食べるか”ということ。

小島聖「野生のベリージャム」

ネパール、フランス・モンブラン、スイス・マッターホルン。あるいはヨセミテ渓谷からスタートし、アメリカ本土最高峰のホイットニー山を目指す、全長 340km ものロングトレッキングコース『ジョン・ミューア・トレイル』での20日間やここ数年繰り返し訪れているアラスカ――。色々な国、様々なシチュエーションの旅で彼女が何を選び、何に歓びを感じたのか。食のエピソードを中心に、その心の移ろいを瑞々しいテキストと写真で辿ります。

かつては、高峰秀子や沢村貞子などの名女優が、ひとりの女性として日々の食卓を綴ったエッセイを遺したように、小島聖もまた、食べることが大好きなひとりの女性として、都会と大自然とを行き来する中で感じたありのままを綴りました。彼女の野性的でありながら洗練された感性がいかんなく発揮された、読者の日々の生活が少し豊かになる、スパイスになるような一冊です。

小島聖「野生のベリージャム」

推薦文-松たか子(女優)

彼女が、山を一歩一歩進むときの、静寂の中に響くであろう足音を、私は知らない。
でももしかしたら、その一歩一歩があるからこそ、俳優としてときに、空間を飛び越える大きな一歩があるのかもしれないな、と勝手に想像する。何かを思い、歩く。何も考えず、ただひたすらに進む……。生きていく、生きてるエネルギーに包まれた本でした。そしてつくづく、「聖」ちゃんを生きているんだなぁ。

推薦文-細川亜衣(料理家)

小島聖という人は私たちが一生かかっても見ることのない光を、嗅ぐことのない香りを、感じることのない食べる悦びを知っている。そんな彼女の記すレシピはどんな料理人が書いたものよりも生々しく、美しく、尊い

野生のベリージャムの一部紹介

第1章 ネパール、マッターホルン、モンブラン

・ネパール
2010 年に初めて訪れて一目惚れしてから 7 年間通い続けているネパール。
エベレスト街道の玄関口の街、ルクラから周辺の山へのトレッキングの情景と共に、「ネパーリーティー」や「ダルバー
ト」などの国民食にまつわるエピソード加え、様々なレシピが登場する。

・マッターホルン
現地で本格的なクライミングの練習を重ねて挑んだ、初めてのヨーロッパアルプス登頂までの 9 日間の記録。

・モンブラン
「いつかザックの一番上に生のケーキを忍ばせて山歩きがしたい」という夢を叶えた、「モンブランの山頂でモンブラ
ンを食べる」までの記録。

第2章 アメリカ ジョン・ミューア・トレイル

ヨセミテ渓谷からスタートし、アメリカ本土最高峰のホイットニー山をゴールとする、バックパッカーの間で最もメジャ
ーな 340km ものロングトレイル。約 20 日間をかけて歩き続けるこのトレイルを、小島の友人でもあるロス在住のカ
メラマン・武藤彩と共に歩いた 2014 年の記録。

第3章 アラスカ

この 2、3 年にかけて何度か旅をしているアラスカ。
キャンプ生活を中心に、日本とは全く異なる食材を街で調達し、自生のベリーなどを摘んで、薪で調理をする、荒野
の食卓といえるような日常のスケッチ。ワイルドなレシピ多数。

山旅々のLINE@はじめました
友だち追加