
大学で授業をした。
「動物を殺すことは慣れますか」という質問がきた。
質問はネットを通して担当教官の端末に飛んでくる。
質問者の顔が見えないから、無責任な質問もある。
この質問をした生徒も意地悪な目つきをしていたのかもしれない。
純粋に聞きたかっただけかもしれない。
殺しは慣れます、と私は答えた。
でも、何も感じなくなるわけではありません。
殺すことの衝撃には慣れますが心の中に澱のようなものが増えていきます。
行為には慣れる。
だが考察は逃れようもなく積み重なっていく。
そんな感じです。
サバイバル登山を写真と散文で紹介します。一の位に3が付く日(3日、13日、23日)に更新されます。
亀田正人

フィールドカメラマン。1980年、東京生まれ。山岳専門誌やアウトドア雑誌を中心に活動。 サバイバル登山からアウトドア料理まで幅広くアウトドアの撮影を行っている。最近はMTB、SUPにはまっている。
服部文祥

登山家。作家。山岳雑誌「岳人」編集者。1969年横浜生まれ。94年東京都立大学フランス文学科卒(ワンダーフォーゲル部)。オールラウンドに高いレベルで登山を実践し、96年世界第2位の高峰K2(8611m)登頂。国内では剱岳八ッ峰北面、黒部別山東面などに冬期初登攀が数本ある。99年から長期山行に装備と食料を極力持ち込まず、食料を現地調達する「サバイバル登山」を始める。妻と三児と横浜に在住。