食べるために生き物を獲るというのは興味深い体験である。
だがけっして気持ちのいいことではない。
「生きるために殺す」ということには解消できない矛盾がある。
私は日ごろ食べる肉をすべて「殺し」てはいない。
気の進まない殺しを他人に押し付けて、その代価として金銭を払っている。
殺しを買っているということだ。
そのやましさを感じることなく、肉を食い続けてるために私は、自分で大型獣を殺すという経験を求め、実践してきた。
サバイバル登山を写真と散文で紹介します。一の位に3が付く日(3日、13日、23日)に更新されます。
亀田正人

フィールドカメラマン。1980年、東京生まれ。山岳専門誌やアウトドア雑誌を中心に活動。 サバイバル登山からアウトドア料理まで幅広くアウトドアの撮影を行っている。最近はMTB、SUPにはまっている。
服部文祥

登山家。作家。山岳雑誌「岳人」編集者。1969年横浜生まれ。94年東京都立大学フランス文学科卒(ワンダーフォーゲル部)。オールラウンドに高いレベルで登山を実践し、96年世界第2位の高峰K2(8611m)登頂。国内では剱岳八ッ峰北面、黒部別山東面などに冬期初登攀が数本ある。99年から長期山行に装備と食料を極力持ち込まず、食料を現地調達する「サバイバル登山」を始める。妻と三児と横浜に在住。