北緯66.6° ~北欧ラップランド歩き旅~

フリーランスライター森山伸也氏の体験記とも言える本書は、2008年の北欧でもっとも長い山道「北極圏トレイル」の旅、続いて2009年の「スウェーデン、サーレク国立公園」の旅、これら2年に渡る夏の旅を綴っている。

 

北欧ラップランド歩き旅への思い

「山を歩いているうちに、ひとっこひとりいない山中をキャンプ道具と食料を背負って一ヶ月も二ヶ月も野宿しながらひたすら歩いてみたい」

「人が集まるからルールができるわけで、おれが歩くフィールドはそもそも人がいないのでルールなど存在してはいけない。」

「歩きなれた日本の山ではなくて、はじめて肌で触れる自然。というのもおれにとって旅先に求める大事な要素であった。」

このような思いから足は極地へ向き、中でも一番情報源の少ないラップランドが、彼の中でベールに包まれ魅惑的な荒野と映ったようだ。

 

森山伸也の旅のコンセプト

ラップランドへ足を向けた彼の旅のコンセプトはこのラップランドを選んだ理由で明らかになり、中身を読み進める中で生じる様々な壁をどのような思いで回避し、時には諦め、喜んだり、怒ったり、驚いたりしている様がまざまざと映し出され、想像力を膨らませる。

北緯66.6° ~北欧ラップランド歩き旅~

北欧で楽しむロングトレイル

日照時間が短い事や、ウン百キロという長いトレイルを歩くという冒険度、気候の変化の忙しさや、1日の中での寒暖差・・。様々な環境の違いを体験し、森山伸也、その人が導き出す行動、装備の選定・・。

本書では失敗も成功も全て曝け出してくれているから、その様が自分の実体験と重ね合わせたり、新たな発見を導き出せたりで、滑稽でもあり勉強にもなる。

 

海外旅行で得られることの1つに文化の違いの体感というものがある。
彼はそれを人ではなく、町でもなく、ラップランドという場で体感している。それは日本における登山文化の違いであったり、環境の保護活動の考え方の違いであったり、食文化の違いであったり、賛否両論はあると思うが彼なりの素直な気持ちが読み取れる。

北欧の荒野へ通い続ける

北緯66.6° ~北欧ラップランド歩き旅~

自分が目指す山行というものがあり、その道すがら出会った人たちに対して何かしらの親近感を感じる人は多いのではないか?本書では、同じトレイルを歩きそこで出会った人々との出会い、別れ、これが非常に魅力的な描写で綴られていて、海外トレイルで人と出会うことの面白さというだけでも、日本を飛び出してトレイルをする意味や意義を感じずにはいられない。

2009年のサーレクの旅の終わり間近で出会った老人にこう言われる。
「Come back again to Rapland」

森山伸也氏の旅は現在進行中だ。

 

発売から1周年を向かえた、森山伸也氏からコメント

「2008年から毎年のように続けてきたラップランドの歩き旅。1冊の本にまとめることで、ようやくあの旅が消化され、完結したような気がします。まだまだ北欧の北極圏には歩きたい荒野がたくさんあります。しばらくは、北欧の荒野へ通い続けることになりそうです。」

 

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