聞こえる音は、自分の滑る音だけ

北海道のとあるスキー場。未圧雪エリアへのゲートをくぐると、そこはスキー場内とは思えない、森に包まれた空間が広がっていた。周りの音を、木々と深い雪が遮断する。自分の滑走音と息遣いだけが聞こえる、非日常の空間。ふと立ち止まると雪の落ちる音がする。どこかに迷い込んでしまったような感覚になる。

不思議な空間を滑り抜け、圧雪されたエリアからリフト下へ到着した時には、数分前の出来事が夢だったのではないかと思った。確認するため、私はもう一度リフトに乗り込み、その場所を目指すことにした。