登山をして富士山を見つけると喜ばしい気持ちになる。そんな富士山を間近で眺望できる山々がある。この富士山眺望が美しい周辺の8山を紹介する。

黒岳
- 標高:1793 m
- 選定:日本三百名山、山梨百名山

黒岳という名前は大菩薩南嶺にもあり、近くにあるので間違いやすい。富士山の眺望が美しいこの黒岳は御坂黒岳と呼ばれ、御坂山塊の最高点だ。
黒岳の登山ルート
三ツ峠入口から登りは約2時間50分、下りは約2時間10分という行程。
黒岳からの富士山眺望ポイント
富士山の北山頂南側の展望台から望む。手前に河口湖が広がる。冬の朝方には斜光線で肌の凹凸が際立つ。長くのびた稜線はほぼ左右対称で、美しい。
王岳
- 標高:1623m

御坂山塊にある王岳は尾根上のピークとして顕著な存在。西側からこの王岳を見ると、後ろに鬼ヶ岳や節刀ヶ岳を置いて、まるで王者のような風格を見ることができる。
王岳の登山ルート
西湖の根場(ねんば)から沢川に沿って登り、鍵掛峠を経て尾根を西進して頂上へ約2時間20分、下山は西へ女坂峠を経て精進湖畔へ約3時間30分。
王岳からの富士山眺望ポイント
富士山の北西山肌には際だった沢筋や尾根筋などがなく、やや平板に見える。積雪は昼間の気温上昇でゆるむが、夜間には凍結し、日中にはテカテカと光る。
竜ヶ岳
- 標高:1485m
- 選定:山梨百名山

本栖湖の南に位置する山。富士山噴火にまつわる伝説の多い山としても知られている。
竜ヶ岳の登山ルート
本栖湖キャンプ場から登りは約2時間。下りは約1時間30分という行程。
竜ヶ岳からの富士山眺望ポイント
富士山の西北西広くて平坦な山頂からさえぎることなく富士山が眺められる。山町右側には大沢崩れが見える。年末年始ごろには富士山頂付近から太陽が出る。近年ではダイヤモンド富士の初日の出が有名で、毎年1月1日~1月2日はたくさんの登山客で賑わう。
長者ヶ岳
- 標高:1336m
- 選定:山梨百名山

富士山の西に広がる朝霧高原の田貫湖より西に位置する山。静岡県と山梨県との境に連なる天子山地の主峰の1つ。
長者ヶ岳の登山ルート
天子の森オートキャンプ場から登りは約2時間20分。下りは約1時間30分という行程。
長者ヶ岳からの富士山眺望ポイント
富士山の西山麓には朝霧高原や田貫湖を配する。富士山最高所・剣ケは右端で、山体はやや左へいているように見える。山正面には大沢崩れが目立つ。
三ツ峠山
- 標高:1785m

岩登りの山として古くからの歴史をもつ山。遡ると唯阿大和尚の開山になる信仰の山でもあり、数々の旧跡が残っている。三ツ峠は、3つの突起から成り立ち、そこから三ツ峠の字をあてた。
三ツ峠山の登山ルート
表登山道の三ツ峠駅から約4時間30分。最短ルートは御坂トンネルの先の裏登山口から約1時間30分。
三ツ峠山からの富士山眺望ポイント
富士山の北北東山肌のほぼ正面に吉田大沢の幅広い沢筋が目立つ。山頂は平坦気味で、全体に安定感のある山体を見せる。山頂右端に白山岳の突起が見える。
石割山
- 標高:1412m

山頂直下にある石割神社には真っ二つに割れた大岩があり、これが名前の由来となっている。
石割山の登山ルート
参道入口から石割神社を経由して、登りは約1時間。下りは45分という行程。
石割山からの富士山眺望ポイント
富士山の東北東手前には山中湖の湖面がのぞく。富土山山頂部はほぼ平坦に見え、左稜線に宝永山、右後線に小御岳(スパルライン五合目近く)が盛りあがる。
高指山
- 標高:1174m

山中湖畔からアクセスしやすい山として親しまれている。夏にはヒオウギが咲く。
高指山の登山ルート
平野バス停から登りは約1時間。ここから切通峠を通り、明神山まで約1時間半。下りは明神山から交流プラザまで約40分。
高指山からの富士山眺望ポイント
富士山の東北東山頂はカヤトの原で明るい。手前に山中湖を配する。「富士山頂右側から右下方へと吉田大沢の沢筋が目立つ。東側稜線には宝永山が隆起している。
越前岳
- 標高:1504m

愛鷹山塊の最高峰の山。愛鷹山塊は黒岳、越前岳、呼子岳、鋸岳、位牌岳、前岳、袴腰岳、大岳、愛鷹山と9つのピークを持つ。愛鷹ツツジ、ヤマボーシといった花を楽しめシーズンになると賑わう。
越前岳の登山ルート
頂上まで複数のルートが存在し、難易度の調整が可能。十里木高原を登山口とするルートは、最短で山頂に立て初心者向き。登りは約2時間30分。下りは約1時間40分という行程。
越前岳からの富士山眺望ポイント
富士山の南南東十里木高原側の登山口上部から眺める。手前に別荘地やゴルフ場が広がる。宝永火口(1707年噴火)が口を開き、限裂の激しさをしのばせる。