酉谷山は日原川北岸の最奥部に位置する東京都最北端の山である。埼玉県側での呼称は黒ドッケ。雑木林の中にたたずむ山頂は、訪れる人も稀な静寂境だ。ここでは、日原からヨコスズ尾根を経て三ツドッケ(天目山)に登って長沢背稜を酉谷山へとたどり、三又に下って日原に戻る周回コースを紹介しよう。

ヨコスズ尾根~三ツドッケ~酉谷山の登山ルート

  • 難易度:中級
  • 合計所要時間:4:40
  • 累積標高:1565m
  • 距離:約11.3km
  • コースタイム:東日原-(150分)→一杯水避難小屋-(25分)→巻道分岐-(25分)→大栗山-(40分)→七跳尾根分岐-(40分)→酉谷山

東日原

奥多摩発の日原方面行きバスは土曜・休日には東日原止まりとなる。終点で下車し、バス停右手の道標に従って舗道から登山道に入る。しばらくは杉やヒノキの植林帯の急な登りが続き、やがて右手に金網を張り巡らしたフェンスが見えてくる。ヨコスズ尾根に乗れば傾斜は次第にゆるやかになり、滝入ノ峰は右から巻いて行く。このあたりは野生のニホンザルのテリトリーで、大きな群れを見かけることもある。右手がガレた急傾斜となっている箇所では滑落事故も起きているので、注意して通過しよう。やがて樹相はブナやミズナラの広葉樹林に変わり、露岩が点在するゆるやかな尾根道となる。新緑の季節などには気分爽快なところだ。

一杯水避難小屋・巻道分岐

長沢背稜が同高度となって一杯水避難小屋前の広場に出る。小屋から右に5分ほど行ったところに一杯水と呼ばれる倉沢塩地谷源暖の水場がある(涸れていることも多い)。避難小屋裏手の雑木林に付けられた小道をたどり、20分ほどで三ツドッケ山頂に登り着く。山頂直下の小さな岩峰からは南面に展望が開け、日原川を隔てた対岸の石尾根の山々が見渡される。

大栗山

山頂から西に下って凹谷山への縦走路に降り立つことができる。大栗山手前で左手に少し入った所にハナト岩の岩峰がある。ここは南面の山々が見渡せる絶好の展望台である(足元は切れ落ちているので要注意)。

七跳尾根分岐

縦走路に戻って大栗山・七跳山・坊主山と続く峰々は左を巻いて進み、日向谷ノ頭を過ぎてゆるやかに鞍部に下る。ここが画谷峠で、峠から道標に従って右の稜線上の道に入れば15分ほどで西谷山(1718m)山頂に着く。

酉谷山

雑木林に囲まれた山頂は展望には恵まれないが、深山の気配に浸って休憩を取るにはよいところだ。山頂を後にして峠に戻る。峠の直下には西谷避難小屋があり、小屋脇には湧水の可愛らしい水場がある。小屋から雑木林の中の道を下って行くと、やがて沢の源流部に出る。沢筋沿いのゴーロ帯を足元に注意しながら進むと、柱と屋根だけになった旧西谷小屋跡に出る。ここから先はおおむね西谷の右岸に沿った道となり、大雨で崩れた路肩の石組みが補修されたところも多く見られる。道が大きく崩れたところは山側に迂回路が付けられ、そこを越えるとやがて左下に三又の木橋が見えてくる。橋を渡って小川谷左岸の道を上れば小川谷林道だ。ここから日原鍾乳洞入口まで約6kmに及ぶ長い林道歩きとなる。2時間ほどの行程だが、新緑や紅葉の頃にはあたりの景色が目を楽しませてくれる。小川谷周辺は奥多摩界隈きっての紅葉スポットだ。

また野生動物も数多く棲息し、時折シカの鳴き声が聞こえたりする。鍾乳洞入口を過ぎて小川谷橋を渡れば日原集落は近い。(小川谷林道は2011年3月11日の東日本大震災時の落石で2012年12月現在通行禁止となっている。)

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