箱根の山では金時山に次いで登る人の多い山だ。山頂の広さやその展望が人気の秘密。ここに登るルートはいくつかある。

    1. 箱根越えの古道を楽しめる「道了尊から明神ヶ岳」
    2. 箱根湯本駅から塔ノ峰を経由する「ロングトレイルコース」
    3. 明神ヶ岳から金時山に向かうコース

    と特徴様々に登山を楽しめる。その開放感と明るさを季節を変え、コースを変えて歩いてもらいたい。

    1.箱根越えの古道を楽しめる「道了尊から明神ヶ岳」

    • 難易度:中級
    • 合計所要時間:5:30
    • 累積標高:1393m
    • 距離:約11.2km
    • コースタイム:大雄山駅・関本バス停-(バス10分)→道了尊-(分)→見晴小屋-(分)→明神ヶ岳-(分)→柴刈り路分岐-(分)→明神ヶ岳・明星ヶ岳分岐-(分)→奥和留沢コース分岐-(分)→明星ヶ岳-(分)→大文字-(分)→宮城野支所前-(バス30分)→小田原駅

    箱根越えの最も古い道は、関本~明神ヶ岳~宮城野~碓氷峠~仙石原~乙女峠~御殿場を結ぶものだったらしい。外輪山に2度も登るのだから当時の旅人の苦労がしのばれる。「碓氷道」といわれるものだ。当時の道とは異なるらしいが、少しだけその雰囲気を味わってみよう。

    道了尊

    道了尊バス停から、天狗が住むことで有名な大雄山最乗寺の参道を歩く。大きな杉並木に延びる参道だ。境内の手前に大きな鉄下駄が祀られている。登山口はその左側にある。

    見晴小屋

    小古曽登山口で明神橋を渡り山道を急登する。杉林の中の道はどこが厳かな雰囲気に包まれている。この林を登りきればゆるやかな山道になる。登山道脇に石仏がひっそりとたたずむ。道を2回横切って行くと見晴小屋という避難小屋が見えてくる。休憩するにはいいところだ。

    明神ヶ岳

    ここから10分も登れば前方が開け、明るい草原の尾根道を歩くようになる。後方には丹沢山塊が見えている。さらに20分ほど登れば神明水だ。岩の下から清らかな水が湧き出している。

    神明水を過ぎると勾配の強い坂道を登るようになるが、すぐにそこを抜け、再び明るい草原状の尾根歩きが再開される。春から夏にかけて小さな野の花の楽しめる道だ。目の保養をしながら登っていると明神水に着く。ここも神明水同様水場として利用されているが、渇水期になると枯れることがあるので注意したい。明神水を過ぎれば明神ヶ岳の尾根道は近い。涸沢を越え灌木の間を登って行く。分岐点に出たらここを右へ進む。すぐに明神ヶ岳直下、箱根外輪山の稜線に乗ることができる。このあたりからは相模湾が一望できる。海から吹く涼風が心地いい。

    ひと登りで明神ヶ岳山頂だ。明神ヶ岳山頂は広く、眺望も雄大。金時山や富士山、相模湾、駿河方面のパノラマが広がる。気に入った場所に腰を下ろし、のんびりしよう。

    柴刈り路分岐

    下山は明星ヶ岳を経由して宮城野へ向かう。往路を戻り、道了尊に下る道を左に分けて直進する。すぐに再び道了尊の分岐が現れるが、ここも直進。ちょっと急な箇所もあるが危険はないのでゆっくり行動する。大雄山線塚原駅に下る道を左に見送って行くと鞍部に着く。ここを右に下っても宮城野に下りられる。明星ヶ岳は直進。

    明神ヶ岳・明星ヶ岳分岐

    ゆるいアップダウンがあるが、気持ちのいい尾根歩きが続く。宮城野へ下る道の分岐が右に見えてきたら、そこを直進する。すぐに明星ヶ岳だ。

    明星ヶ岳

    明星ヶ岳は開けて明るい稜線上にあるため、左の小さな詞がなければ気が付かないかもしれない。残念ながら東端から相模湾が見えるだけで展望には恵まれていない。明星ヶ岳から先ほどの分岐まで戻り、宮城野へ下る。

    大文字

    ハコネダケの茂る道をひと下りすると、視界が開ける。ここは毎年8月に大文字焼きが行われる場所だ。眼下に強羅の町並みが広がっている。眺めを堪能したら樹林帯を下ろう。舗装道に出れば宮城野橋バス停はもうすぐだ。

    2.箱根湯本駅から塔ノ峰を経由する「ロングトレイルコース」

    • 難易度:上級
    • 合計所要時間:7:05
    • 累積標高:1761m
    • 距離:約15km
    • コースタイム:箱根湯本駅-(35分)→阿弥陀寺-(60分)→塔ノ峰-(20分)→明星ヶ岳登山口-(100分)→明星ヶ岳-(25分)→奥和留沢コース分岐-(45分)→明神ヶ岳・明星ヶ岳分岐-(25分)→柴刈り路分岐-(25分)→明神ヶ岳-(30分)→金時山・明神ヶ岳分岐-(60分)→宮城野

    金時山・明神ヶ岳分岐から宮城野への下山は通行止めの可能性がありますので、事前にご確認ください。

    箱根湯本駅

    箱根湯本駅前から塔ノ峰を経由して、明神ヶ岳へ向かい、宮城野に下山する。6時間を越える歩行時間がかかるため上級向けとしたが、特別な技術が必要ではないので体力のある人なら踏破できる。また、明星ヶ岳まで登って宮城野に下るコース設定なら4時間余りで行ける。箱根湯本駅を降りたら箱根ベゴニア園への道標に従って、箱根登山鉄道の線路をくぐる。舗装された道が続くが、急坂なのでゆっくり登るようにしよう。15分ほどでベゴニア園と阿弥陀寺への分岐点に出る。ここを右へ。阿弥陀寺方面へ進む。舗装されているが急勾配の道をひたすら登る。道端にお地蔵様が現れたら阿弥陀寺はすぐ。

    阿弥陀寺

    阿弥陀寺は弾誓上人が修行したと伝わる箱根の古利。上人が修業したという岩屋が寺の裏にある。塔ノ峰への道はここの本堂右側から始まる。登り始めは岩がゴロゴロと転がる竹林を行く。きつい勾配だがすぐに石の階段になるので大丈夫だ。

    塔ノ峰

    登山道が土に変わると桧林を登るようになる。傾斜がなだらかになってくると、塔ノ峰まで15分の道標が現れる。まっすぐの道をひと登りで塔ノ峰山頂に到着。

    塔ノ峰山頂は小広く日当たりはいいが、展望を得ることはできない。ベンチなども設置されていないが、通過する人がほとんどの山なのでのんびりできる。

    明星ヶ岳登山口

    塔ノ峰から明星ヶ岳へ向かう。道標に従ってゆるやかに下る。階段を下るようになるときれいに舗装された林道に出る。ここを左へ行く。左側の視界が開け気持ちのいい林道だが、自動車も頻繁に通るので道の端を歩くこと。右手に登山口が見えてくると、そこが明星ヶ岳の登山口。

    明星ヶ岳

    登山口からは直線的に登ることになる。基本的には防火帯のように広い登山道だが、下刈りされず背丈まで伸びた草木の間を登るようなこともある。下刈りされていれば、左に二子山や神山が見え開放的だ。

    25分ほど登ると、自然環境保全地域の看板の立つ地点に出る。このあたりから勾配はゆるみ、歩きやすい尾根歩きとなる。天気が良ければ富士山が見え隠れするはずだ。大きな岩を越えると後方に相模湾が広がり、明星ヶ岳に着く。山頂は稜線上にあり、小さな祠がないと通り過ぎてしまいそうなところだ。山頂東端から相模湾が見えるだけだが日当たりは保障できる。

    奥和留沢コース分岐

    明星ヶ岳から広い道を明神ヶ岳方面へ数分進むと、分岐に出る。左は宮城野へ下る道。明神ヶ岳は直進する。道は明るく金時山方面の展望が良い。小さな岩場はあるが快適に歩を進めることができる。

    明神ヶ岳・明星ヶ岳分岐・明神ヶ岳

    鞍部で宮城野から登ってくる道と合流。さらに45分登れば明神ヶ岳山頂だ。

    金時山・明神ヶ岳分岐

    下山は鞍部まで戻り宮城野方面へ。展望のない樹林帯を下る。急な箇所もあるのでゆっくり歩くようにしよう。30分ほどで右に舗装道路がつながる箇所に出るが、これは別荘地内の道。そのまま登山道を下る。住宅街に入ったら、道標に従ってバス停まで歩く。

    3.明神ヶ岳から金時山に向かうコース

    • 難易度:上級
    • 合計所要時間:6:10
    • 累積標高:1779m
    • 距離:約12.1km
    • コースタイム:小田原駅-(バス30分)→宮城野支所前-(70分)→大文字-(20分)→明星ヶ岳-(25分)→奥和留沢コース分岐-(70分)→柴刈り路分岐-(25分)→明神ヶ岳-(60分)→火打石山-(分)→矢倉沢峠-(40分)→金時山

    歩行時間が長いために上級向きとしたが、登山道自体は初級者でも安心して歩くことができる。明神ヶ岳から金時山に向かう稜線の道は、日当たりがよく縦走気分が味わえる。明神ヶ岳までは明星ヶ岳を経由する宮城野橋バス停からのコースを行く。明神ヶ岳に直接登るなら、宮城野支所前バス停から別荘地の脇を抜けて鞍部に向かうコースの方が早い。(通行止め区域があるため、事前に確認が必要)

    宮城野支所前・大文字

    宮城野橋バス停から宮城野橋を渡り、明星ヶ岳、明神ヶ岳の道標に従って車道を歩く。老人ホームの分岐で大きく左に折れて細い舗装道路を登れば登山口に着く。樹林帯の中を進む。展望のない退屈な登山道だ。基本的に送電線を縫うようにジグザグに登る。夏場はたっぷりと汗を絞られる所だ。

    そろそろ視界の悪い登りに飽き始めた頃、展望と日当たりに恵まれた所に出る。ここは毎年8月に箱根大文字焼きが行われる場所。休憩するにはとてもいい所で、箱根の登山ケーブルや箱根で最も標高の高い神山などが一望できる。眼下には国道138号を走る車も確認できる。

    明星ヶ岳

    のんびり休憩したら樹林帯をひと登りして明星ヶ岳と明神ヶ岳の分岐に出る。ここを右へ歩き明星ヶ岳に行ってみる。山頂には小さな同が祀られているだけで特徴はない。山頂の確認をしたら分岐まで戻り直進しよう。

    奥和留沢コース分岐

    日当たりと展望に恵まれた尾根道を進む。最初は平坦だが、次第にアップダウンのある道になる。左から登って来る道と合流する地点が鞍部で、ここから時折急登が現れる。高度が上がるにつれ、相模湾の展望が開けるようになる。

    明神ヶ岳

    ひと休みしたくなった頃、明神ヶ岳山頂に到着する。明神ヶ岳山頂は広々とした広場になっている展望も良く江ノ島や富士山が眺められる。

    火打石山

    明神ヶ岳から稜線を歩いて金時山へ向かう。左に大きなガレ場、右に無線中継所を見ながら進む。

    展望の良い尾根道だがやせて細い。左に宮城野への分岐点が見えてくるが、この道は現在通行できない。火打石岳を巻きながら尾根道を進む。ハコネダケの中を軽くアップダウンするようになると展望はきかなくなる。時折、仙石原方面は眺められるが、意外に退屈な歩きが続く。周囲のハコネダケの丈が短くなると小さなピークを越え、正面に金時山が大きく見えてくる。

    矢倉沢峠

    矢倉沢峠まで来れば金時山はとても大きく見える。さらに勾配の強い登りを行く。30分ほどで公時神社分岐に到着。左へ下れば公時神社に下りることができる。この分岐を直進して金時山をめざす。左に大涌谷から神山が眺められる。

    金時山

    樹林帯に入ると急登になるが、わずかな時間で金時山山頂に立てる。

    下山は公時神社分岐から公時神社に下るか、乙女峠から乙女峠バス停に下るのが一般的。まだまだ歩きたいという人には、夕日の滝から地蔵堂バス停に下るコースをおすすめする。

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