第5回 ヘビーデューティーに登山を楽しむ ~山ごはん編~

この登山で楽しめるメインディッシュ

ローストビーフ

蓋を開けた瞬間の立ち込める香りに「おおっ」と唸る2人。お肉を取り出し、僕の愛用オピネルのナイフでスライスしてみてイイ感じの赤みに「おおっ」と再び唸る2人。これには喉から手が出そうになる、いや出た!!口の中に肉の旨みが充満し「おおっ」と再々唸る2人。2度ある唸りは3度あるもんだ。

 

できあがったローストビーフと野菜のグリル

そうして出来上がったメインディッシュがこれ!お肉にはワサビを付け添えた。

冬登山ならではの厳しい世界

バケット

一方でカチンカチンに凍ったバケットを、まるで木を切るかのようにゴキゴキと調度良い大きさに切り刻み、暖めておいた鍋の中で蒸し焼きにして、カチカチからモチフワへと変身を狙う。バケットならではの外側のパリパリ感は失われたが美味しく食べる事ができた。

「この料理にはシャンパンでしょ!」と言いながら余っていたビールを飲み干しシャンパンをあける。凍ってないよね?という不安を抱きつつ「ポンッ」といういい音を出してキリキリに冷えたシャンパンを注ぎ、メインディッシュと共に口に運んだ。

こういう心に染み入る喜びを感じると、僕はいつも「あ~こういう時があるからこそ仕事が頑張れるんだよなあ」と思うんだけど、今回はそれよりも「今までの登山の中で、一番思い出深いぞ~」という思いが強く心をしめた。

なんだかんだいっても25kgほどの荷物を背負ったここまでの道のりはラクなもんじゃなく辛く過酷な登山であり、それを乗り越えた達成感のようなものが、ここまで料理とお酒を美味しいものにしてくれ充実した時間を作りだしているんだよね、と感じるのである。

1日目の登山も終了しテントの中で

テントに積もった雪

気づけば辺りは真っ暗。雪はしんしんと降り積もり、気づいたらテントの半分は雪で埋もれていた。前日にウェブで奥多摩小屋の環境を調べていた時は『雪はほとんどなし、テント場周辺はぬかるんでいて歩きづらい』といった説明と共に、写真と今日の晴れ予報をチェックしていたのだが、山の天気は気まぐれで、たった1日で雪山へと変化をさせてしまう力強さがあり、恐れと共に神秘さえ感じるのである。

さすがに寒さもこたえてきた僕ら2人は余っているビールとシャンパンを飲み干し、暖かなテントの中へと移動する。

 

テントの中で晩酌

テントの中では赤ワインとチーズで晩酌を楽しむ。フライシートにあたる「ポンッ、ポンッ」という雪の音を聞きながら、明日はどれだけ積もるんだろう?という期待に胸を膨らませつつ、話を弾ませ眠りにつくのであった。

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