1日目のランチ『ポトフ風スープ』でお腹も満たされたところで、いよいよ尾瀬ヶ原へと入っていく。
6月上旬に見る尾瀬の景色
6月上旬、普通だと至仏山にはまだ雪は少しあるし、水芭蕉も見頃のはずだけど今年は3週間ほど季節が早いらしい。晴れていて綺麗に見える至仏山にも雪はほぼない。スノーボーダーで至仏山も燧ケ岳も滑っていて尾瀬に詳しい彼女も、今年といつもの違いを教えてくれた。
水芭蕉は、おばけみたいになってたけど、それでも小さな花々やワタスゲが綺麗。少し早いおかげで私ははじめてワタスゲを見ることができた。
非日常の別世界を楽しむ尾瀬ケ原
尾瀬ケ原は、別世界だから好きだ。静かに広がる尾瀬の世界、背中に至仏山、向かうところに燧ケ岳、どちらもかっこいい独立峰だ。至仏山はタイミング悪くまだ登ったことはないけれど、いつか登ってみたい。
尾瀬の山小屋で過ごすひととき
宿泊は、見晴らしの第二長蔵小屋。見晴らしのテント場も好きでよく泊まるけど今日は小屋泊。長蔵小屋も泊まってみたかったのだ。着いてすぐに缶ビールで乾杯。明るいうちのビール、しかも歩いた後のビールは最高!今回の4人は全員飲めるメンバー。
夕ご飯の前に小屋の人が尾瀬の話をしてくれた。山小屋ご飯は小屋の個性が出ていて面白い。何種類ものおかずはとても美味しかった。
夕ご飯を食べてもまだ外は明るく、夕陽は見えない場所だけれど、夕暮れの散歩にでかける。寒くて凛とした空気が心地よい。手にはビール。
泊まりでどっぶりと山の世界に入るのが好きだと思う。こんな夕暮れの時間や静かな夜の時間や明け方の時間。普段の生活では見過ごしてしまっている時間を心にとめることが出来る。ゆっくりとでも確実に暮れていく太陽や、暗くなってどんどん星が見えていくのはじっと見ていても飽きない。
あまりに寒くて、一度小屋へ戻る。山の季節は下界とは違う。まだ冬が終ったばかりの春のはじまりという季節。
今日はすごく晴れているからきっと星もきれいなはずと期待に胸膨らませて、暗くなってから外に出る。予想通り、星がきれいな夜になった。「あれは何座?」「衛星だね!」「飛行機多いね」など、それぞれにつぶやきながらじっと星を見ていた。
翌日は、早起きをして朝もやの尾瀬ヶ原を少し歩く。昨日と同じく小屋の人が話してくれて、おいしい朝食をいただいて出発した。ブナやシラビソの森は新緑でとても気持ちがいい。森の中だから鳥のさえずりがよく聞こえる。
尾瀬沼に到着して本日の山ごはん。
山ごはん「トマトラーメン」(4人分)の材料
・マルタイ棒ラーメン
・トマト2個
・しめじ 適量
・コンソメ 3本 (スティックパック)
・塩
・水適量
山ごはん「トマトラーメン」(4人分)のレシピ
山を始めたときに読んだ女性エッセイストの山登りエッセイで『山での食事に山ヤさんはみんなこれ!』みたいな紹介でマルタイ棒ラーメンがでてきていた。それまで知らなかった私は、早く山ヤになりたくて、マルタイ棒ラーメンを買って山にもっていくようになった。という思い出深い食材。
軽くて、とてもおいしくて、ちょっと感動したそのラーメンは非常食や簡単なランチとして山に持っていくことが多い。以前あまっていたトマトとキャベツをいれたらとてもおいしかったので、今日はトマトとしめじ。
さっとできておいしい。具なしで食べることも多いけれど、具があるほうがやっぱり嬉しいし、トマトはちょっと酸味があって塩気と酸味が疲れた体にちょうどいい。
このあとの休憩用に持ってきたコーヒー豆を友人にミルでひいてもらってコーヒーもいれてもらう。
尾瀬からはあとは、三平峠をこえて、あとはずっとくだり。
いつもそうだけれど、三平下から峠にむかうときは尾瀬から離れる気持ちで少し寂しくなる。長いくだりと林道を歩き大清水へ。
途中も植物や鳥の話で盛り上がりながら次の山の話に気持ちを馳せる。山旅が終るのは少し寂しいけれど、次の山旅も待っている。
温泉に入り、産直で地場野菜や豆を買って、それぞれ帰路へ。『尾瀬は私にとって山の原点でもあり、また帰ってきたくなる場所だ』と改めて思った。
尾瀬ハイキングで楽しめる山々と植物
尾瀬散策のハイライトといえば、なんといっても尾瀬沼と尾瀬ヶ原を挙げなければならない。しかし、この2大ハイライトも燧ヶ岳と至仏山という尾瀬の盟主なくしては、これほど魅力的な景観にはならなかっただろう。さらに三条ノ滝や平滑ノ滝、燧裏林道、アヤメ平などがより彩のある尾瀬をつくりだしている。また周囲にそびえる会津駒ヶ岳や田代山などの秀峰群にも心ひかれる。これら尾瀬で楽しめる山々を以下で紹介している。