もう、かれこれ20年近く使っているステンレス製のクッカーで、僕が持っているギアの中でも一番長く使っています。ステンレスだから重いし、最近の食べ物ってお湯を入れるだけで食事ができるから「ステンレスじゃなくちゃいけない」っていうのがないんですね。
ひょんな事で出会ったクッカー
だからといってステンレス製のクッカーが欲しくて買ったんではないんです。このクッカーとの出会いはニュージランドに長く滞在していたときがあって、日本から出かける時に道具が重いからという理由で、日本からは何も持っていかず、現地で調達しようと思ったんです。
ニュージーランド南島のワカティプ湖畔に面した町「クイーンズタウン」に滞在していて、当時そこに山道具屋が一軒だけあって、そこで色々調達しようと思って出会ったのが、このクッカーだったんです。
クッカーと共にしたアクティビティ
本当はもっと軽いものが欲しかったんだけど、この山道具屋ではこのクッカーしかなかったんですね。当時はニュージランドドルが安く、欧米のブランドをニュージランドで販売出来なかったっていう背景があるんだと思います。だから韓国のブランドしか置いていなくて、結局のこのKOVEAという名前も知らないメーカーのクッカーを買うしかなかったんです。その時に一緒にストーブも買ったのですが、風に弱くノーマルのガスしか手に入らなかったので、冬の1500メーターくらいの山で使うと、いつまでもお湯が沸かず、寂しい思いをしました。(笑)
ニュージーランドではマウンテンバイクをしたくて、朝起きてマウンテンバイクして、仕事行って、帰ってきてマウンテンバイクやってっていう生活を繰り返していた時期です。そして冬になるとスキーをもって山に入るっていう生活をしていました。その時泊まりでアウトドアに出かける時は、このクッカーは必ず持ち歩いて、ご飯を炊いてました。
車のトランクにマウンテンバイクやアウトドアギアが入るように改造してニュージランドを車でぐるぐる回って、アクティビティを楽しんでいたときも、この頼りないストーブとクッカーで米を炊いてました。2つあるクッカーでは、1つで米を炊いて、もう1つでおかずを作るというような使い方が多いです。
その後、海外にクライミングに行くとき、ヨーロッパもブラジルもアメリカも色々なところに行きましたが、必ずこのクッカーは連れて行きました。
壊れない頑強なクッカー
壊れないものって捨てられないんです。そういう性分なんで、色々な道具を長く使っていて、そうすると勿論駄目になるものもあって、道具の強い弱いを多く気付かされる事が多いです。
このクッカー、例えば取っ手が取れてしまったりすれば、スッキリ捨てられるんですけど、たまに「取れないのかなあ」なんて思うこともあるんですね。(笑)
でもこいつは頑丈なんですね。そのまま焚き火に突っ込んだりもしていて、取ってのゴムの部分がボロボロになったりしてるんですが、なかなか壊れず優秀なんですね。
これを持ち運ぶとき、コンパクトにする為にクッカーの中にストーブを入れたりする方が多いと思うんですが、僕は中に一緒に仕舞わない主義なんです。理由は単純で汚れるのが嫌だからなんです。
クッカーはお茶碗という考えがあって、このお茶碗の中に土で汚れたストーブを入れたくないんです。料理をする時に、クッカーを最初に拭いたり、水で洗ったりっていうのが億劫で、ぱぱっと料理を始めたいんですね。フォークやスプーンも入れて汚れるのが嫌という潔癖症なところがあって。だからこのクッカーの中には何も入れないから、無駄な空間があることになるんですが、それよりもお茶碗を汚したくないんです。(笑)