穂高岳は北穂高岳、奥穂高岳、前穂高岳、西穂高岳と4つの山があり、いずれも登山の難易度が異なります。今回は上高地から涸沢を経由し奥穂高岳への登山ルートを紹介します。穂高岳の中で北アルプス登山の初心者にも挑戦しやすいルートです。
上高地へのアクセス方法
上高地へのアクセス方法は松本方面から、高山方面からの2つの方向からアクセスすることができます。
松本方面から上高地へのアクセス
松本方面から上高地へアクセスする方法は2種類あります。以下の表は車と電車の所要時間とアクセス方法です。
※横スクロールで表がスクロールできます。方法 | 所要時間とアクセス |
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車 | ・長野自動車道 松本ICから沢渡駐車場まで約1時間 ・沢渡駐車場から上高地まで約30分 |
電車 | ・松本電鉄上高地線-新島々駅-路線バス(タクシー)で上高地まで約1時間30分 |
高山方面から上高地へのアクセス
高山方面から上高地へアクセスする方法は2種類あります。以下の表は車と電車の所要時間とアクセス方法です。
※横スクロールで表がスクロールできます。方法 | 所要時間とアクセス |
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車 | ・高山ICから平湯あかんだな駐車場まで約45分 ・平湯あかんだな駐車場から上高地まで約30分 |
電車 | ・高山飛騨バスセンター 路線バス-平湯バスターミナル(シャトルバス・タクシー)で上高地まで約1時間25分 |
この他乗り換えなしで上高地へ直行する方法もあります。
上高地から奥穂高岳は2種類の登山ルートがある
上高地から奥穂高岳へは主に2つのルートがあります。そのひとつが今回紹介する涸沢ヒュッテを経由して奥穂高岳へ向かう方法です。
もう1つは河童橋から岳沢小屋方面に歩き重太郎新道を歩き、吊尾根を縦走して奥穂高岳へ向かう方法ですが、この登山道は重太郎新道の鎖場と、吊尾根にある鎖場が初心者向けとは言えないので、初めて奥穂高岳への登山に挑戦する場合は涸沢ヒュッテを経由して登るのをおすすめします。
山域 | 北アルプス南部 |
都道府県 | 長野県・岐阜県 |
穂高岳と共に登れる周辺の山々 | 奥穂高岳 |
標高 | 3,190m |
少なくとも1泊、初心者には2泊がおすすめ
この登山ルートは総距離が約36km、総コースタイムが約16時間要するため涸沢のテント場で1泊して奥穂高岳へ向かう登山プランをおすすめします。
1日目は上高地バスターミナルから涸沢のテント場まで、2日目は涸沢のテント場を朝早く出発して奥穂高岳へのピストンを行い、当日中に上高地バスターミナルに戻るか、もう1泊涸沢のテント場で泊まるかの1泊2日か2泊3日のプランとなります。
上高地から奥穂高岳へ向かう初心者にも挑戦しやすい登山ルート
必要日数 | 1泊2日もしくは2泊3日 |
コースタイム※ | 16:32 |
距離 | 35.2km |
累積標高 | 1,828m |
難易度 | ★★★☆☆ |
上高地バスターミナルから明神までは梓川の幻想的な川の様子、前穂高岳の景色を見ながらゆったりとハイキングを行います。
明神から徳沢までも危険箇所は少なく、梓川を一望しながらゆっくりと歩くハイキングコースとなります。
徳沢は休憩スポットが多くあり水場、トイレがあるのでここでゆっくりと休憩をしましょう。ここから蝶ヶ岳へ登山をすることもできます。
徳沢から横尾までの登山道も特に危険箇所がなく同様にバイキング気分で歩いて行きます。
横尾に到着したらトイレ、水場があるので一息入れて涸沢へ向かいます。横尾から徐々に登山らしい勾配がある登山道を歩いて行くことになります。
横尾橋を渡り徐々に標高を上げ、本谷橋辺りまで来るとダケカンバ林の急坂がスタートします。ここから涸沢までは一定の登り坂を歩いていく長い登山となります。眺望も良くないため1日目の最も辛い箇所です。
涸沢ヒュッテまでは上高地バスターミナルから約6時間です。初心者の方はおそらく涸沢まできたらそのままの足取りで奥穂高岳へ向かうのはかなり厳しいと感じると思います。
もし体力がある方ならば涸沢に荷物をデポして奥穂高岳に向かうのも一考です。次の日は涸沢から上高地へ来た道を戻ることになるため、1泊2日のプランとして2日目に余裕が生まれます。
涸沢ヒュッテには眺望の良い休憩スペースがあり、優雅な時間を過ごすことができます。仲間と来た場合は是非ビールでも飲みながら山話に花を咲かせてはいかがでしょう。
涸沢ヒュッテからは涸沢パノラマコースを歩くか、涸沢小屋を経由して南陵取付まで歩くかのどちらかになります。涸沢パノラマコースは眺めが良く高山植物も見どころの1つなのでおすすめの登山コースです。特に7月は多くの花々を見ることができます。また紅葉時期も素晴らしい景色を楽しむことができる登山コースです。
南陵取付まで歩いて約30分ほど登るとザイテングラート取付に到着します。ザイテングラートは岩尾根の急坂が続く登山道で、浮石も多いため落石に注意しながら歩きましょう。今回紹介する登山コースの中で難易度が高いポイントです。
穂高岳山荘に到着したら休憩を入れて奥穂高岳へ向かいます。穂高岳山荘から岩場をよじ登るように奥穂高岳へ向かいます。鎖と梯子のある岩場なので落石に注意しましょう。
注意ポイントは穂高岳山荘で風が弱くともこの岩場を上ることで西側からの風が強く当たる場合があります、奥穂高岳正面の広場で風がなく暖かくとも奥穂高岳へ向かう稜線上で強い風に当たることも考えてウィンドブレーカーは必ず携帯しましょう。
穂高岳山荘から約50分歩くと奥穂高岳に到着します。奥穂高岳の頂上からは西にジャンダルムを見ることができ、前穂高岳の方面に伸びる吊尾根、360度の眺望は素晴らしいです。
ここから吊尾根を歩いて岳沢小屋方面から上高地に降りる登山プランも練ることができると思いますが、急坂が多く雨が降っていると大変滑りやすい重太郎新道は難易度が非常に高いため初心者の方は元来た道を戻るプランを選ぶのをおすすめします。