今僕が一番好きで使っているロッドの1つに、カムパネラというメーカーの胴調子のカーボンロッドがあります。はじめは先調子のカーボンを使っていて、投げやすいなあという感触があったんです。そのあとグラスのロッドにいって『あ、これちょっとおもしろい投げ心地だなあ』って思っていてこれも好きで使ってますが、最近では父にもらったこのカムパネラのロッドで釣りを楽しんでいます。
フライロッドで行うロールキャスト
フライフィッシングにロールキャストっていう投げ方があるんです。フライって投げるときに木にひっかかる時があるんですね。それって後ろにフライがいって投げているから、その時に木にひっかかるという事が多いんです。こうならないように自分より後ろにラインを出さずに投げる方法があって、これをロールキャストっていうんです。
このロールキャストが胴調子の竿だから凄くやりやすいんです。少ない力でも曲がってくれるのが大きな利点ですね。
カムパネラという竿について
カムパネラは日本は岩手で作られているんです。まだ、この竿に興味がなかった頃に何故か工場に行ったことがあるんです。岩手に釣りに出かけて、その時に大雨に見舞われて釣りが出来なくなっちゃったんです。『どうしよう』って悩んだ時に、ふと『このフライの工場が岩手にあるから行ってみよう』って思い立って出かけたんです。父が凄く好きなブランドなんですね。そういうのもあって見に行ってみようかなって思ったんです。
そうして行ったら、皆さん凄くいい人たちで、色々工場の中を見せてくれるんです。驚いたのはカーボンを焼く釜を自社で持っているんです。
色々なところで分散して作っているという工場が多い中、このメーカーは全部自分たちのところで生産しているっていう魅力をみつけたんです。
ちなみにカムパネラは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』に出てくるカムパネルラからとったみたいで、イーハトーブ岩手という土地柄からも理解できます。
フライフィッシングで楽しむロッド
この竿は遠くに投げると釣りやすいとか、この竿は近くで釣りやすいとか、各竿で釣りやすい場所っていうのがあるんです。そういう事でいうと、この竿は近いところに正確に竿を投げることに優れているんです。
そういうシチュエーションって岩手とか秋田とかにある川に多い気がするんです。工場も岩手ということもあって、そんなシチュエーションを考えて作られた竿なのかなあって感じます。
同調子の柔らかい竿ってあんまり使ったことがなかったんです。使うまでは『遠くに投げれたほうがいいでしょ』っていう考えが強かったんです。でもふと思い立って『結局は近いところにも魚はいて、そこに正確に投げれるって言うことも同じように大事なんじゃないか?』って気付きがあったんです。そういう釣りを最近では楽しんでいて、最近はこれがベストだなあって思っています。