陣馬山は奥高尾縦走路の西端に位置し、開放的な雰囲気で、都心のビル街から南アルプスまで、ほとんど360度の展望の山頂である。一ノ尾根、栃谷尾根、和田峠からなど多くのコースがあるが、ここでは陣馬高原下(上案下)から明王峠を経て山頂に至り、一ノ尾根を下って中央本線藤野駅に出るコースを紹介したい。

陣馬高原下から一ノ尾根の登山ルート概要
- 陣馬高原下
↓60分約2.4㎞/△461m・▽77m - 底沢峠
↓10分約0.5㎞/△22m・▽2m - 明王峠
↓10分約0.5㎞/△18m・▽20m - 奈良子峠
↓40分約1.7㎞/△151m・▽29m - 陣馬山(陣場山)
↓50分約3.4㎞/△134m・▽636m - 陣馬の湯
↓25分約1.9㎞/△52m・▽204m - 陣馬登山口
中央本線高尾駅北口から陣馬高原下行きのバスに乗り約36分、終点で下車する。車道を進んで、すぐ左に明王峠への道に入る。マス釣り場、陣馬高原キャンプ場と谷沿いの林道を進み、沢が二股になるところで林道七ツ久保線を分けて、緑色の橋で右岸に渡る。30mで林道は終わり、丸木橋で沢を左岸に渡り、杉、桧林の急な山腹を登るようになる。小尾根に取付いて高度を稼ぐと、底沢峠で縦走路に出る。これを右に10分ほどたどって不動明王尊と茶店のある明王峠に出る。富士山との対面である。
陣馬山へは、よく整備された幅の広い道を西へ進む。絵の植林の中に入るとひんやりした空気、広葉樹林の木漏れ日は、なにかしらホッとした空気の大した登りもないので、楽しんで登っていける尾根である。やがて少し急な上りになると、陣馬山の頂上である。
のびのびとした雰囲気の山頂から下山は一ノ尾根にとる。山頂の西の端から幅広い尾根を急に下ると、傾斜もゆるくなる。和田への道をわけ尾根を忠実に下ると陣馬登山口のパス停。バスの本数が少ないので、歩いても藤野駅までは30分くらいである。
高尾山から陣馬山縦走の登山ルート概要
- 高尾山
↓20分約0.9㎞/△6m・▽124m - 大垂水峠分岐
↓40分約1.5㎞/△209m・▽10m - 城山(小仏城山)
↓20分約0.8㎞/△6m・▽134m - 小仏峠
↓40分約1.3㎞/△212m・▽32m - 景信山
↓55分約2.5㎞/△212m・▽202m - 堂所山
↓20分約0.9㎞/△40m・▽61m - 底沢峠
↓10分約0.5㎞/△22m・▽2m - 明王峠
↓10分約0.5㎞/△18m・▽20m - 奈良子峠
↓40分約1.7㎞/△151m・▽29m - 陣馬山(陣場山)
城山から小仏峠へは、茶店とパラボラアンテナの間を北へ向かって下る。約20分で峠の上に開鎖された茶店がある静かな小仏峠である。
峠から景信山の登りにかかり、1段登るとヒノキの植林地に出る。再び急になって樹林帯の中をジグザグを切って登って行くと頭上が明るくなって、景信山に着く。これからたどる縦走路などの展望は三角点の北側で開ける。
景信山と陣馬山の標高差は130m。大きな登降もなく走り出したくなる道だ。切開きの少し滑りやすい道を下ると、小さな登降を繰り返区し送電線の鉄塔を過ぎる。どうどころ再び登りとなり、北高尾山陵の分岐点の堂所山を巻き、底沢峠で右から陣馬高原下からの道をあわせ10分ほどで明王峠。
歩きやすい道を進むと、徐々に急になってよく目立つ白馬の像が立つ陣馬山頂に着く。荷物をおろして山頂広場のあちこちを、見慣れた山、未知の山の展望を楽しんで歩きたい。陣馬山は展望の山である。
下山は和田峠を経て陣馬高原下から高尾駅へ出るのが早いが、車道歩きを嫌うなら、一ノ尾根を下り中央本線藤野駅に出るのが縦走の締めくくりらしくてよい。