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ウルトラライト・登山装備軽量化方法−装備リスト付き

ウルトラライト・登山装備軽量化方法−装備リスト付き

登山装備を軽量化するための方法は、順番にステップを踏んで行うことが大事です。頭と登山装備の整理を行なって不必要な装備を削り、時にはウルトラライトな装備を導入することも検討材料にすると良いでしょう。今回はステップごとに軽量化までの道のりを紹介していきます。

装備の軽量化を行うメリット

まずはじめになぜ軽量化を行うかということを整理しておきましょう。軽量化を行うメリットは

  • 体力が奪われづらい
  • 歩行距離が伸ばせる
  • 安定した歩行が行える
  • ザックのコンパクト化で歩きやすい=危険回避

などが挙げられます。軽量化によって今まで諦めていた登山に挑戦できるかもしれません。登山小屋泊からテント泊に移行する際の助けになるかもしれません。

軽量化を行うことでリスクヘッジにつながる可能性が高まります。ここで注意が必要なのは軽量という優先順位を上げすぎて、本来必要な機能が損なわれてしまい、結果リスクをとってしまうという点です。寒すぎて低体温症になりかけたとか、就寝が損なわれたとか、そうならないように正しいステップを踏んで、効果的な軽量化を行うことを心がけましょう。

登山装備軽量化までのステップ

  • 装備を並べる
  • 装備を分ける
  • 装備を選ぶ
  • 装備重量を量る
  • 装備を変える

大きく分けて5つのステップで、まずは頭と登山装備の整理を行います。こうすることで本当に必要な登山道具なのかを改めて考え直し、不必要なものを省き、必要なものを持ち歩く、これだけでも軽量化が行えます。

最後に必要なものに対してその道具が軽量なものなのかを考察し、より軽量化を行える場合はウルトラライトな道具に切り替えることを検討します。お金との相談にもなるので、軽量化インパクトの高いアイテムを買い換えましょう。

装備を並べる

装備を並べる

いつも登山で持ち歩いている装備を並べてみましょう。レインウェア、防寒着、テント泊装備、着替、山ごはん道具というようにカテゴリでまとめます。

装備を分ける

並べた装備の中から、登山に持っていっているけれども全く使っていないものと、よく使うものを分けます。

装備を分ける
クッカーとストーブをばらしてみて使っていないものをリストアップ
使っていないアイテムを省いたら、これだけになった
使っていないアイテムを省いたら、これだけになった
使っていないアイテムの重量を量ったら230g
使っていないアイテムの重量を量ったら230g

上記に当てはまらないものとして、時々使うもの、使っていないけれども必要、というカテゴリーもあると分けやすいでしょう。

全部で4種類の分類で装備を分けることができたら、次によく使うもの以外のカテゴリーについて吟味をしていきます。

装備を選ぶ

よく使うものはきっとあなたにとって登山で重要な装備なのだと思います。これ以外のカテゴリーの中からまずはじめに『使っていないけれども必要』から見ていきましょう。

ここにはレインウェアやファーストエイド、エマージェンシーキットなどがあるかもしれません。これらは時に命を守る重要な装備となるので持っていく装備カテゴリーに移動させます。

移動させた後に残った装備と、時々使う装備、全く使っていない装備に対して吟味します。

例えばこんな装備があれば削る対象です。

  • スタッキングされたクッカーを持ち歩いていたけれどもその1つは全く使っていなかった
  • 寒さが不安でフリースを持ち歩いていたけれども、いつもダウンジャケットだけで寒さをしのいでいた
  • フォーク、スプーン、ナイフのカトラリーセットを持ち歩いているけどナイフを使ったことはない
上のアイテムは省ける防寒アイテム 下のアイテムだけあれば事足りると判断
上のアイテムは省ける防寒アイテム 下のアイテムだけあれば事足りると判断

きっと登山をする際に不安がつきまとい『もしも』を考えすぎて、持ってたけど実際には他で用が済んだとか、そもそも心配し過ぎだったとか、そういった考えの装備が削る対象になります。

装備重量を量る

並べる・分ける・選ぶのステップで必須装備と決めたアイテムの重量を量ってみましょう。重量を測る際、テントペグやグランドシートなどもひとつひとつ丁寧にリストアップします。テントの総重量のうち意外とそれらも重量に起因していることが分かるはずです。

テント泊装備

カテゴリアイテム重量
テントヒルバーグ・ソウロ2,400g
グランドシートタイベックス225g
ペグヒルバーグ・Vペグ11g/1本
シュラフマウンテン・ハイパーラミナ スパーク740g
サーマレスト・エアヘッドライトピロー79g
就寝防寒コクーン・マミーライナー120g
就寝防寒SOL・エスケープライトヴィヴィ156g
テントマットサーマレスト・ネオエアーXサーモ430g

防寒着リスト

カテゴリアイテム重量
ダウンジャケットRab・インフィニティージャケット366g
ダウンパンツマウンテンイクイップメント・パウダーパンツ213g
フリースサロモン・ラディアント フルジップ331g

レインウェアリスト

カテゴリアイテム重量
レインジャケットノースフェイス・ストライクトレイルフーディ110g
レインパンツノースフェイス・ストライクトレイルパンツ125g

グローブリスト

カテゴリアイテム重量
保護グローブTEMRES・11craftsman60g
レイングローブTEMRES・03advance70g
防寒グローブエクストリミティーズ・シニータッチグローブ66g

電気機器リスト

カテゴリアイテム重量
ヘッドライトレッドレンザー・MH 594g
ランタンUCO・ランタンミニ104g
ハンドライトジェントス・閃102g
スマホGoogle・Pixel3a147g
モバイルバッテリーアンカー・パワーコア10000180g

安全装備リスト

カテゴリアイテム重量
ファーストエイド色々287g
プラティパスの水筒プラティパス・容量2 L40g
水筒オスプレイ・スポーツボトル60g
サングラスオズニス・フラット10100g
地図山と高原地図33g
マスクシートゥーサミット・バリアフェイスマスク
+山旅X-PACマスクケース
18g
多機能バンダナTerritory Run Co.・TERRITORY RUN HEADWRAP36g
トイレットペーパージップロックに必要な分のトイレットペーパーを入れる17g
帽子サンデーアフタヌーン・ウルトラアドベンチャーハット74g

上の表はテント泊を想定した装備リストです。山小屋泊の場合はテント泊装備を無視すれば良いです。

重量を量ると重い荷物が一目瞭然で、重い荷物ほど次のステップ『装備を変える』の優先候補になります。

重い荷物を量ってから、改めて本当にこの荷物が必要なのかと考えることが重要です。装備を並べて分けて選んでも、まだなお心配が抜けずに不必要なものを選んでいる可能性があるので改めてここで考えなおしましょう。

ただしここで重要なのは重いから持ち歩いてはいけないということではありません。自分の登山スタイルにおける『楽しい』『快適』を犠牲にしてつまらない登山にしてはもってのほかです。

例えば、快適にテント生活を送るために持ち歩いていたサンダルがあるとします。トレイルランニングシューズを履いて登山をするなら、靴紐を緩めるだけで開放感を得ることができるのでサンダルが不必要になるかもしれません。

トレイルランニングシューズを履いて登山をするなら、靴紐を緩めるだけで開放感を得ることができる

またレインウェアなどは重量があることで耐候性に優れているという側面もあるので、山行計画と一緒に考える必要があります。これは次の装備を変えるステップでお話しします。

装備を変える

ここからいよいよ装備を変えるステップです。装備を変えるといっても3つの手段が存在します。

  • 買い換える
  • まとめる・交換(変更)する
  • 削る

買い換える

装備の軽量化が初めての方は、買い換えるという手段が最も軽量化のインパクトが高いでしょう。既に軽量化を行ったことがある人は、『まとめる・交換(変更)する』や『部品を削る』手段を検討するのが良いかもしれません。

買い換える装備候補の優先順位を決めるために、装備重量一覧に買い換える装備名、価格、重量、買い換えることによって生じる重量の差を追加します。
※以下の表にある『買い換え候補』は、現時点で知りうる限りの軽量化におすすめのアイテムです。
※買い替え候補のあるアイテムだけをリストアップしています。

テント泊装備

※横スクロールで表がスクロールできます。
カテゴリアイテム重量買い換え候補価格重量重量差1gあたりコスト
テントヒルバーグ・ソウロ2,400gNEMO・ホーネットストーム1p¥46,200760g1,640g¥28
グランドシートヒルバーグ・グランドシート225gタイベックス¥2,106130g95g¥22
ペグヒルバーグ・Vペグ11g×6本
=66g
バーゴ・チタニウム ウルトラライトステイク¥550×6本
=¥3,300
7g×6本
=42g
24g¥137
シュラフマウンテン・ハイパーラミナ スパーク740gシートゥーサミット・スパークSP1¥30,250350g390g¥77

防寒着リスト

※横スクロールで表がスクロールできます。
カテゴリアイテム重量買い換え候補価格重量重量差1gあたりコスト
ダウンジャケットRab・インフィニティージャケット366gアークテリクス・セリウム SL フーディー¥48,400216g150g¥322

重量差が出たら重量を価格で割ることで1gあたりのコスト(上の表、一番右)が一目瞭然になります。このコストパフォーマンス順で買い換える優先順位をつけるとインパクトのある軽量化が行えます。

お金に余裕がある人は、装備の重量差だけで購入する商品の優先順位をつけると、より軽量化インパクトが高まります。

買い換える上で気を付けるべき点は、山行内容と装備を照らし合わせることです。2000m以上の縦走登山に出かけるならば強い雨風に当たることを想定すべきです。

風速1mで体感温度が1度下がるので、薄手のレインジャケットで縦走登山をするのは危険です。この場合は重量を優先順位にするのではなく耐候性を重視したレインウェアを持ち歩くべきです。

軽装備=危険、重装備=安全

装備という単位で見るとこれは健全でないと考えます。それは冒頭でも話したように軽量化におけるメリットを見ると理解できます。

装備というマクロではなく、カテゴリというミクロで見ていくと、レインウェアのように安全を重視したことで、重装備とまでは言わないまでも、ある程度の重量は容認することが必要なんだと理解できます。

まとめる・交換(変更)する

まとめることによる軽量化方法はいくつか存在します。

まずはスタッフバッグです。細かくアイテムを分ける為にたくさんのスタッフバッグやポーチを使っている場合、それらをひとまとめにすることで軽量化が行えます。

使用しているスタッフバッグの総重量150g 馬鹿にできない数値だ

この時に使用するスタッフバッグが防水性のものであれば、レインカバーを省くことができます。ザックが保水する生地で作られている場合は雨が降って重くなってしまうので、その場合はレインカバーは持ち歩きましょう。

次に枕です。テント泊装備で枕を持ち歩いていましたが、スタッフバッグと兼用になるアイテムを導入し一石二鳥になって軽量化が実現します。

枕は枕以外に使用できない。スタッフバッグ兼用のアイテムを導入

次にウィンドブレーカーです。薄手で軽量なレインジャケットを手に入れてからはウィンドブレーカー兼用としています。レインジャケットとウィンドブレーカーを比較すると透湿性の良さはウィンドブレーカーなのですが、暑くなればジッパーを開けるなどすれば涼しいので、不快な思いはありません。

左と真ん中のアイテムはレイン上下 右はウインドブレーカー

交換とは、例えばテントのガイラインを3mmのものから2mmに変えるなど、持ち歩く装備の見直しとなります。ガイラインを細くすることで自在もコンパクトにすることができます。

ガイラインに限らずザックに取り付けられているドローコードや、コードロックもみなすことで積み重ねによる軽量化が実現できます。ここで注意が必要なのはグローブをした状態で使用しやすいかという点です。特に寒い時期においてコードロックを小さくしたことでグローブを外さなければいけないということも念頭に置いておきましょう。

上は2mm、下は3mm のガイラインで、自在も変えることで軽量化が行える

次にランタンです。ヘッドライトをランタン代わりに使用します。地面に置く場合は、ヘッドライトの上に水の入ったプラティパスを乗せればランタンになります。

またDCF(ダイニーマ・キューベンファイバー)製のクッカー収納袋にヘッドライトを入れるとランタンになるアイテムが山旅から出ていて、これがかなり使えます。テント内にぶら下げることもできるので様々なシーンで活用できます。

ハンドライトとLEDランタンを省く

最後に燃料です。山ごはんのスタイルに関わってきますが、手料理を楽しみたい場合はガスストーブが便利ですが、お湯を使って山ごはんを準備するのならば、燃料を固形燃料に変えることができます。

お湯を使う山ごはんにするというだけでクッカーもコンパクトかつシンプルなものに交換できるので軽量化のインパクトはかなり大きいです。

削る

最後に削る手段です。テントマットの多くがレギュラー180cmで身体全体を支えるサイズです。サイズを Sサイズ120cmに削り足元はザックを敷きます。これが意外と寝心地を妨げません。

次にバックパックの雨蓋です。雨蓋があるバックパックを使用している場合は、確実に雨が降らない日帰りの登山の場合は取り外すことで軽量化を行います。レインカバーがあるのならば雨蓋を省いても支障をきたすことは少ないと思います。

ステップごとに軽量化までの道のりを紹介してきました。今回は食料については触れていませんが、軽量化を行うのに食料の考察もまた非常に重要です。

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