第1回目はオススメのレインウェアとして、ゴアテックス製のモンベル・ストームクルーザーについてお話ししました。第2回目はゴアテックスの種類とそれぞれの特徴についてまとめてみました。最後となる今回はゴアテックス以外の防水透湿素材を使用したレインウェアの性能についてお話ししていきたいと思います。
ゴアテックス以外のレインウェア-素材
ゴアテックス以外の防水透湿素材については「ネオシェル」や「eVent」、またブランドが独自で開発しているオリジナル素材など多種多様です。そのどれもがゴアテックスと全く同じ性能ではなく、それぞれに通気性やストレッチ性といった機能に特徴を持たせて差別化を図っています。
これらゴアテックス以外の防水透湿素材はたくさん種類がある為ここで全てを紹介することはできないのですが、いくつか代表的なものを挙げてみようと思います。
通気、透湿性と動きやすさに特化したレイン素材
例えばザ・ノース・フェイスのフューチャーライト。グローバルアスリートたちの要望を受けて世界各地でテストを繰り返しながら、ザ・ノース・フェイス社が主導して開発した素材です。この素材は高い通気、透湿性能に重きを置いています。
動いていて汗をかきはじめた時にウェア内の湿気を外に排出し、衣服内をドライに保つ機能に優れたハードなアクティビティーを想定したレイン素材です。
通気性に優れているため強風に当たると若干寒さを感じやすく、また透湿性に重きを置いているためゴアテックスと比較すると耐水性が劣るという弱点が挙げられますが、通気、透湿性を高めることでアクティビティ時の身体から出る蒸気や、汗による衣服内の濡れを極端に軽減することができ、結果的には自身の汗濡れによって体温を奪われることが少なくなる。かつストレッチ性があるから動き易いというフィールドを動き回る人のニーズに沿った素材といえます。
同様の考え方で開発されている素材にポーラテックの「ネオシェル」やファイントラックの「エバーブレス」などが挙げられます。
ファイントラックのエバーブレスは「フューチャーライト」や「ネオシェル」と比較すると耐水性とストレッチ性に長けている分、透湿性は若干弱いように個人的には感じますが、素材が濡れている状態になっても著しい透湿性の低下を起こさなかったり、それでも蒸れを感じる時はリンクベント(ベンチレーション)を開放することで物理的に蒸れを解消させることが出来るなど、便利で面白い個性をもっています。
まとめ
防水性能と通気透湿性能、両方を完璧に実現するのは理論上難しく、いずれの素材も軽量性、耐水性、耐久性、防風性、通気性、透湿性、のバランスは様々です。ですので自分の登山スタイルで重視するポイントが明確であれば、おのずと選択するレインウェアも決まり易くなるのではないかと思います。
間違えのないレインウェアの選び方はまずは自分の登山スタイルを知って、何を重視しているのかを確認して、レイン素材を選んで、次に自分の体型や好みに即したレインウェアを選ぶというように段取りを行うと良いと思います。でもそれってとっても難しい事ですよね。もし解らないことや迷っていることなどがありましたら、さかいやスポーツのスタッフにお気軽にご相談くださいね。
さかいやスポーツウェア館
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