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さかいやスポーツ高橋さんが教える-軽量化ステップ。バックパックの選び方

さかいやスポーツ高橋さんが教える-軽量化ステップ。バックパックの選び方

一昔前には考えることができなかった軽量な登山装備が現在では手軽に入手可能です。重量1キログラムを切る山岳テントや、500グラム以内に収まるダウンシュラフ、100グラム前後のレインウェアなど様々です。軽量な装備を入手したのであれば、一緒に検討したいのがバックパックです。今回は登山装備の軽量化を行うためのステップとしてバックパックの選び方とおすすめのバックパックを紹介します。

軽量化のためのバックパックを選ぶ前にしておくべきこと

軽量化の考え方ですが、まず山にもっていくための安全装備、例えば防寒着、エマージェンシーグッズ、予備の衣類などを全く省いて軽量化をするというのは難しいと思います。こういうことを行うと登山においてリスクにつながるので避けましょう。

なぜ軽量化を行うかといえば、登山中の荷物を軽くすることで身体にかかる重量の負担軽減させ体力を維持し、安全に快適に行動距離や時間を延ばすためだと考えています。ですのでやみくもに安全装備を省いてしまうとそれは無謀な登山になってしまいます。

山域や季節、自身の行動スタイルを熟考し、自分が安全のために必要と思うものは必ず持っていく前提で、工夫を凝らして軽量化を行うことが基本的な考え方です。水濡れを避ける工夫をして化繊のシュラフや防寒着をダウンに変える、クッカー類をチタン製のものにする、山ご飯1つをフリーズドライにする、テントやマット等をより軽量なものになどなど、少しずつ装備を変えて軽量化を行うと無理なく・ストレスなく行えると思います。

そして持ち歩く装備が決まったら、それがしっかりパッキングできる容量を把握して実際にバックパック選ぶという順番が重要です。自身が持ち歩きたい装備をもって専門店に行き実際に荷物をいれて背負ってみるのも良いと思います。装備が無理なく入って且つ背負い心地が良ければ山行に対するイメージが膨らむのではないでしょうか。

先にバックパックを軽くして、バックパックの容量に合った装備を考えるという順番にしてしまうと、熟練者じゃないと自分が必要と思う装備がパッキングできなくなる可能性が出てきてしまうので気をつけましょう。

おすすめのバックパック

今実際に使用しているザックが従来型の背面パットやフレームなどがしっかり作られているモデルだった場合、軽量に特化した(いわゆるUL系と呼ばれる)ザックを背負うと違和感をもつ方が多くいらっしゃいます。なぜならそれらのザックは荷物のバランスを取るフレームや背面、ショルダーのパットを簡素化もしくは省略して軽さを出す工夫がされているものが多いからです。もしそこが気になる場合は、いきなり色々そぎ落とした超軽量なザックを背負うのではなく、荷室に関しては素材、構造共に簡素化して軽さを出しつつもショルダーパットや背面フレームなどはしっかりと作られた、背負い心地と軽量化を両立させたモデルを選ぶと良いと思います。

軽量なバックパックの良し悪しを知ろう

ザックの表側は軽量なナイロン素材などを用いて、シンプルな1気室の作りながら、裏側は背面パッドやフレームが比較的しっかりと入っていて荷重分散に長けた、背負い心地をおろそかにしていないモデルを軽量化の第1歩として選ぶと違和感がなく良いと思います。重量だと1000〜1500グラムで一般的なバックバックと比較するとかなり軽い仕上がりとなっています。

一般的なバックパックは、ザックの外側に様々な機能とポケットが取り付けられてたり、背面長やウエストハーネスの調整が可能だったりと便利な機能が満載で、かつ丈夫で厚みのある素材を底面などの要所に使用したりと耐久性にも優れます。2気室や多収納スペースで装備を整理整頓し易いモデルも多く、使い勝手はとても良くなっています。その分どうしても重量がかさみます。

ただ、多少の重さはあっても荷物の荷重バランスを整えてくれたり、肩や背面にフィットしたハーネスで重さを分散して支えることが出来るので、身体への負担が少なく安心して歩けるという利点があります。そこを重視する登山者の方が多いのが現状で、これは決して悪い事ではありません。

重量の重い、軽いのどちらが良い悪いということではなく、軽量なバックパックがどのような部分を省いて軽量化しているかを理解することが重要です。

山行プランを計画したら、山中でのリスクなどを考えつつ装備の軽量化が行えて、且つしっかりパッキングが出来、体のサイズにも比較的合っている、そのすべてがうまくいくと軽量なバックパックが機能を発揮するということを覚えておくと良いかと思います。

おすすめのバックパック2選

エクスペドのライトニングやグラナイトギアのペリメターあたりは軽量なバックパックの手始めとしておすすめです。

どちらのバックパックも背面にフレームが入っていて、ショルダーハーネスとヒップハーネスのパッドもしっかりしています。本体には必要最低限のポケットがあり、ギアなどをザック外側に抑えつけられるようなコードなども備わる、シンプルだけれども扱いやすいバックパックに仕上がっています。

グラナイトギアのペリメターは面白い作りで雨蓋とボトム部分のフラップを伸ばして使用することでロールマットやロープなど多くのギアを挟んで外付けできます。

アメリカのトレッキングではベアキャニスターやコンテナをフラップに挟むというような使い方ができます。

外側のフラップを全て外してしまえばより軽量化が行えてそれこそ尖ったULバックパック風に早変わりすると言うのも面白いですよね。いろいろな使い方ができて便利でシンプル。軽量ザックの新しい形というイメージです。

さらに軽量化を行うためのバックバック

すでに持っている装備の軽量化は行えているが、バックパックがオーバースペックに感じていてより軽量なバックパックにチャレンジしてみたいと思う方は例えばトレイルバムのバックパックはいかがでしょう。

本体は1気質で外側にはメッシュのポケットがあるだけの非常にシンプルな作り。重量は40〜50リッターで485グラムと軽量です。

外付けの大きなメッシュポケットにすぐに使いたいウィンドブレーカーや濡れた雨具などのギア類を収納したり、本体はシンプルな1気室だからパッキング次第ではカタログスペック以上に装備を収納することが出来たりと、工夫次第でとても使い勝手が良くなるのですが、先ほど紹介したエクスペドやグラナイトギアのバックパックに比べ肩、腰、パッドなどが薄く簡易的で、荷物をバランスよく支えるためのフレーム等も省略されているので、ある程度重い荷物を背負い慣れていて装備の軽量化もしっかりと行えている人向けのウルトラライトバックパックという位置づけになります。

もともとこのバックパックはロングトレイルにおいて必要装備をもって歩く為のバックパックなのでアルプスなどの高所登山に背負っていくバックパックとして使用する場合は注意と鍛錬が必要です。

背面部分が簡略化され、フレームなどもない作りの為、その分身体への負担が大きく、生地も比較的薄手なので岩等に擦り付けて破ける可能性も出てきます。そういったデメリットも理解した上で軽量化していくのであれば、こういうバックパックは非常に武器になると思います。

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