フライフィッシング、テンカラを楽しみに渓流に出かけて釣りをする際に必須装備となるのが沢靴です。軽量性、歩きやすさ、コストパフォーマンス、耐久性といったスペックからモンベルの沢靴は非常に安定した作りで何度か買い替えながら使い続けています。今回はモンベルのサワークライマーの特徴やサイズ感、他のモンベルの沢靴の比較を含めて紹介していきます。
モンベルの沢靴の比較
モンベルの沢靴はアウトソールの種類、構造の違いで6種類の展開があります。アウトソールの種類と特性を理解した上で最適な沢靴を選びましょう。
※横スクロールで表がスクロールできます。アイテム | サワークライマー | サワークライマー リールアジャスト | サワートレッカー | サワークルーザー | サワーシューズ | サワタビ |
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イメージ | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() |
重量(25.5cm・片足) | 370g | 371g | 380g | 390g | 328g | 320g |
価格(税込) | ¥15,400 | ¥16,940 | ¥14,190 | ¥23,100 | ¥6,820 | ¥7,480 |
アウトソール | ラバー(アクアグリッパー) | ラバー(アクアグリッパー) | ポリプロピレン・フェルト | ウールフェルト | ポリプロピレン・フェルト | ラバー(アクアグリッパー) |
ミッドソール | E.V.A. | E.V.A. | E.V.A. | E.V.A. | なし | なし |
アッパー | ポリエステルメッシュ、合成皮革、ゴム、クリマプレン® | ポリエステルメッシュ、合成皮革、ゴム、クリマプレン® | ポリエステルメッシュ、合成皮革、ゴム、クリマプレン® | ポリエステルメッシュ、合成皮革、ゴム、クリマプレン® | クリマプレン® | クリマプレン® |
レース | イージーフィットシステム | BOAフィットシステム | コードロック仕様 | イージーフィットシステム | -- | -- |
ソールの張り替え | 不可 | 不可 | 可 | 可 | 不可 | 不可 |
モンベルのサワーサンダルを活用することで、ラバーソールを、コケやぬめりに強いフェルトソールに変換可能です。またその逆も可能です。サワーサンダルの重量はMサイズ・片足で137~183gと軽量性に優れているので、行った沢の状況に応じてアウトソールの種類を変更することができます。

アウトソールの種類と特性
アウトソールの種類によって特性が異なります。以下の表をチェックして、行く沢の状況の理解を深めることが重要です。
※横スクロールで表がスクロールできます。アウトソールの素材 | コケ | 岩 | 草付 |
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ウールフェルト | ◎ | ◯ | △ |
ポリプロピレンフェルト | ◯ | ◯ | △ |
ラバー(アクアグリッパー) | △ | ◎ | ◯ |
沢靴のサイズ感・サイズの選び方

沢靴のサイズ感はできるだけ足を入れた時に靴の中でブレがないようフィットするものを選ぶ必要があります。 沢においては滑りやすい岩の上に足を乗せることが多々あり、この時に靴の中で足ブレが生じてしまうと転倒の危険性が生じます。僕はいつも履いている靴のサイズが26.5cmなのですがモンベルのサワークライマーは26cmを履いています。
また冷たい川に入る際はネオプレンソックスを履いてから靴を履くのでネオプレンソックスの厚みも考えておくと良いでしょう。
足に強くフィットさせることでブレが生じずそれによって靴擦れを回避することもできますが、登山とは違って靴の中での足ブレは沢の方が多々あるので、僕の場合は靴擦れ用のテープを必ず持っていくようにしています。
靴擦れが気になる人はヒールカップを入れたり、ネオプレンソックスとインソールを組み合わせてフィット感を高めることをおすすめします。
サワークライマーで楽しむ沢遊び
魚影が濃い沢を探すとなると、できるだけ人が入りづらい場所に足を運ぶことになります。そうすると山登りや岩登りをしながら沢に向かうことになります。
山を登る時はサワークライマーを履きその上からチェーンアイゼンを装着し行動します。状況に応じてロープを使って岩を登ったりザレた登山道をトラバースすることもしばしばです。

このような条件を考えると釣りをしている最中に濡れた岩場でも優れたグリップ力を発揮するだけでなく、登山をするシーンも想定してシューズを選ぶ必要が出てきます。

この際僕が気にしたのはチェーンアイゼンを履いた時に足への接触にインパクトがないこと、またチェーンアイゼンを履かなくともある程度なグリップ力を備えたラバー製のアウトソールであること、といった点で、最終的にサワークライマーを選択しました。
サワークライマーが採用するアウトソール
サワークライマーが採用しているアウトソールは水中の岩肌をとらえることに優れたアクアグリッパーというラバーです。 モンベルが独自に配合したゴムは接地面との密着性が高く岩肌などでも滑りづらく転倒のリスクを軽減します。

岩肌に足を置く際にはなるべく広い設置面積で捉えるために足裏全体を使って歩くと良いでしょう。
使用前の点検について
沢に入ってからシューズが壊れてしまっては非常に危険です。 だから以下の点についてはしっかりと点検をしてから沢に入るよう心がけましょう。

- ソールの剥がれがないか
- アウトソールがすり減っていないか
- 縫い目のほつれや留め具に脱落がないか
- 靴紐が傷んでいないか
- アッパーの屈曲部分にひび割れなどがないか
- アウトソールが屈曲送り返してひび割れ等の異常がないか
この点検は沢靴に限ったことではなく登山靴でも同様なので覚えておくとよいでしょう。
モンベルが採用するイージーフィットシステム
モンベルの沢靴の特徴の1つにイージーフィットシステムがあります。これは シューレースを引っ張った際に足のつま先側のシューレースから足首に向かって均等に締めることができます。

しかしながら歩いている最中にどうしてもシューレースが緩んでしまうといった経験をされた方も多いはずです。そんな時に片手ですぐにシューレースを閉めることができるサワークライマーのリールアジャストもおすすめです。

サワークライマーのリールアジャストは素早い着脱を可能にするBoAフィットシステムを搭載しており歩いている最中に靴が緩んだと思ったらすぐにフィット感を向上させることができる特徴を備えています。
サワークライマーと一緒にセットで考えたいソックスについて
季節と場所によっては雪解け間近の沢に向かうこともあります。また東北方面は未開の地が多く冷たい川も多いです。足は濡れる前提で釣りを楽しむのでできるだけ厚手のネオプレンソックスを履くようにしています。

モンベルから発売されている沢登り用のネオプレンソックスには2.5mm 厚のネオプレンプレーンソックスと0.5mm 厚のライトネオプレンソックスがあります。
寒いことが想定される沢では厚みのあるネオプレンソックスを履いてその上からサワークライマーを履いて行動するように心がけています。
歩きやすさの特徴
サワークライマーのトゥーカップは岩などにぶつけてもつま先を痛めないよう樹脂製のカップを挿入しているため安心して岩場を歩くことができます。

またかかと部分は樹脂製の芯が入って補強されているためかかかとのブレが少なく歩きやすいのが特徴です。
ソールはねじれが少なく不安定な岩場に登っても安定した歩きで転びづらい工夫が凝らされています。

アッパーは水はけが良いのでシューズ内に水が溜まることがなくサワークライマーの特徴の1つである軽量性を損なうことなくいつでも快適に歩き、登ることができます。
足のむくみを解消
水の中に入って足を冷やすと、足のむくみが生じます。帰りの電車や野営時には足を暖めると共に程よいコンプレッションのあるソックスがおすすめです。僕が愛用しているのはソックウェルとC3fitのソックスで、いづれもメリノウールを採用した着圧ソックスです。


また足首の前側にあるくぼみを親指で捉えるとむくみが解消しやすいです。ここはリンパが詰まりやすい場所で、座った状態で踝周りを踵をたててマッサージしてあげると足がポカポカします。沢遊び後にケアすると良いです。