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2021.08.02
さかいやスポーツ高橋さんが教える-スリーピングマットとシュラフの軽量化・注意ポイント

さかいやスポーツ高橋さんが教える-スリーピングマットとシュラフの軽量化・注意ポイント

テント泊における装備の軽量化につながる代表的なものにスリーピングマットとシュラフ(寝袋)があります。今回はどのような視点で選ぶと軽量、コンパクト化が行えるのかという点についてスリーピングマット編、シュラフ編と紹介していきます。

スリーピングマットの種類

スリーピングマットは大きく分けるとエアマット・クローズドセルマット・セルフインシュレータブルマット3つの種類に分類できます。

それぞれの特徴とメリットデメリットを把握することで自身の山行に応じた装備の軽量化、コンパクト化に役立ちます。

※横スクロールで表がスクロールできます。
エアマットクローズドセルマットセルフインフレータブルマット
イメージネオエアーXライトZライト ソルプロライト
重量軽い中間中間~重い
コンパクト性コンパクト嵩張る中間
耐久性弱い強い中間
価格高い安い中間

コンパクト性が魅力のエアマット

文字通りぺちゃんこの状態から空気で膨らませるマットです。言ってみれば浮き輪のつくりと同じ感じでしょうか。膨らませるのに多少時間と手間がかかりますが、持ち運びが軽く非常にコンパクトになります。鎖場や梯子、岩稜帯が連続するシビアな登山道を歩くときになるべくザックに外付けをしたくない場合などザックの中にコンパクトに収納して歩きたい方にはおすすめです!

エアマット

デメリットは3種類の中では価格設定が高めで、フィールドでパンクの危険性が伴うといった事でしょうか。

リスクが少ないクローズドセルマット

発泡性の素材で作られた固めのスポンジのような感覚のマット。折り畳んだり、クルクル丸めて収納します。一部の厚みが薄い製品を除いてはザックに外付けして持ち運ぶスタイルが特徴的です。

クローズドセルマット

とても軽く、パンクなどの心配もなく、安価な製品が多いので最初の1枚として選ぶかたも多いですが、デメリットはやはり嵩張りです。

快適性が魅力のセルフインフレータブルマット

エアマットのように小さく丸めた状態から、栓をひらくだけで半自動的に空気を取り込み膨張してくれるマットです。エアマットと違い中には発泡性のフォームが入っているので、最後は口で吹いてしっかり膨らますと弾性があり、地面の凹凸を感じにくくさせてくれます。価格も安価なものから比較的高価なものまでバリエーションに富みます。

セルフインシュレータブルマット

ただ、コンパクト性ではエアマットには敵わず。3種類の中では重量があり、装備の軽量化というよりも快適性や汎用性で選ぶかたが多いのが特徴です。

スリーピングマットの選び方

スリーピングマットの選び方

石や岩場が多いテント場では、パンクのリスクを回避するためにクローズドセルマットを選ぶ方も多いかと思います。

クローズドセルマットには厚みの違いで軽量なものがあり、例えばエバニューのトレイルマット100は500×1,000×9mmで180g、FPマット100は100cm×50cm×5㎜で160gと非常に薄く軽量で、これをザックの内側の側面に這わせるなどしてパッキングすることができます。

エバニューのトレイルマット100
FPマット100

軽量ではあるけれども寝心地が悪いのはイヤ‥という方はサーマレストのZライトソルなどが候補となりますが、収納サイズが大きいため、ザックに外付けして持ち歩くスタイルになります。鎖場や梯子が多い登山道では外付けした荷物が引っかかってしまう可能性がありリスクが生じることも念頭において選んでいただけると良いかと思います。

シュラフの軽量化

シュラフには大きく分けてダウン(羽毛)シュラフと化繊(化学繊維綿)シュラフがあります。どちらもダウンや化繊綿の嵩のなかに熱を滞留させて暖かさを保つので、水分や湿気などで嵩がへたってしまうのを防ぐ必要があります。化繊シュラフに関しては中綿が湿気や水に強く、結露で濡れてしまっても一定の保温力を保てますが、ダウンの場合は濡れてしまう嵩がへたってしまい保温力がガクンと落ちてしまいます。

シュラフの軽量化

しかしながらダウンは化繊と比較するとコンパクト&軽量性に優れ、たとえばまったく同じ収納サイズのダウン、化繊、両製品があったとすれば、広げたときにはダウンの方が化繊よりも嵩がでて保温性能が高くなります。品質が高いダウンを使ったシュラフを選べば少ないダウンでもしっかりと嵩を出すことが出来るので保温力が高く、さらに軽量化が行えます。

シュラフの軽量化

ダウンシュラフは濡れが大敵なのでシュラフカバーを併用することをおすすめしています。撥水ダウンを使用しているシュラフでも撥水であって防水ではないので使い続けていくことでシュラフ内に湿気が溜まります。一泊の登山であれば良いのですが泊数を重ねるごとに湿気による保温力低下が懸念されるのでシュラフカバーがあると安心です。

シュラフの軽量化

シュラフカバーなどのリスクにつながるギアについてはお持ちのシュラフや自身の山行スタイルをよく考えながら持つか持たないか、どういった製品を選ぶかを検討していただき「軽量を重視たいから」という理由だけで持ち歩かない手段を選ぶのは避けましょう。

シュラフを選ぶ際はテント場の場所と時期によって、最低気温が変わるので、まずどの温度域のシュラフが必要かを調べる必要があります。

人によって寒がりな方、暑がりな方とパーソナルな部分もあるので一概にこのシュラフがいいよと答えを出すのは難しいですが、夏の登山をメインにする方が冬用のシュラフを選ぶ必要はないし、その逆も同じです。

シュラフには快適使用温度域

シュラフには快適使用温度域というのが表示されています。例えば0度以上とあった場合、下減ギリギリの温度域のシュラフを選ぶのではなく、余裕を持った温度域のシュラフを使用することで、寒さに対する耐性が低い人でもリラックスした体勢で寒さを感じることなく睡眠することができる可能性が高まります。

ヨーロピアン・ノームを採用したシュラフメーカー

現在はヨーロピアン・ノームを採用したシュラフメーカーが多く使用温度が同一基準で示されているので比較的選びやすくなっています。

まとめ

スリーピングマットもシュラフも就寝時には欠かせないギアです。就寝時間は登山の疲れをしっかり取る大切な時間なので軽量化を重視するあまり、寒くて眠れないことがないよう、軽量コンパクト化も大事ですが、ギアの特性を理解して無理のない選択を心がけることが大事です。テントマットもシュラフも専門知識のあるスタッフが様々な視点で説明させていただきますので、不安のある方はぜひお店にてお気軽にご質問ください。

さかいやスポーツウェア館

東京神田神保町に店を構えて65年。多くのアウトドア好きに愛される「登山・アウトドア用品の専門店」。

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