全米屈指の景勝地であり、アメリカ先住民ネイティブアメリカンの聖地でもあるグランドキャニオン。その谷底を流れるのがコロラドリバー。距離にして約400kmの区間に160もの激流地帯が点在しているのですが、今年の冬、リバーカヤックに旅の道具の一切合財を積み込んで、壮大な景色の中を13日かけてダウンリバーしてきました。コロラドリバーを旅したのは今回で2回目になります。この旅を含めて冬のカヤックの旅に必ず着用しているのが、レイブンというメーカーのドライスーツです。
![レイブン『ドライスーツ』](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/IMG_2575_1706116444.webp)
![レイブン『ドライスーツ』](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/IMG_2573_1706116445.webp)
ドライスーツという名のとおり、とにかく水が入らない仕組みになっているんです。足回りはソックス状の作りですっぽり包み込み、首や手首にはラッテクスゴムが付いていて隙間なくピタッとフィットするので、泳いでも浸水しないのです。なので、唯一濡れるのは顔ぐらい。
![レイブン『ドライスーツ』](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/180550_111074512302576_25731_n_1706116445.webp)
レイブンのドライスーツは1回目のグランドキャニオンでインプレションをお願いされてテストパドラーとして使わせてもらいました。旅を終えて、自分が気になったところをフィードバックさせてもらい、改良されたモデルを今回着用することができました。
![グランドキャニオン](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/Mafia-Bulk-124-of-330_1706116446.webp)
例えばグランドキャニオンの砂はものすごく粒子が細かくて、それがドライスーツのファスナーに付着するとバカになっちゃうんです。ここが壊れると真冬のパドリングでは命取りで、ファスナーを閉めても閉まらずに開いちゃう。それって一番命取りで、知らずに泳いでしまうとウェアの中にどんどん水が溜まっていき最終的には沈んでしまうんです。そんな最悪の事態にならないにしても、何より体が冷える。
![レイブン『ドライスーツ』](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/IMG_2574_1706116446.webp)
こういう行ってみないとわからない環境におけるデメリットをフィードバックして、「ファスナーは大きくて、砂も払いやすくしたほうがいいよね」とか、「日本人の体型に合った」といった1つ1つを細かく改善して出来上がったものがレイブンのドライスーツなんです。
![グランドキャニオン](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/IMG_4400_1706116446.webp)
ただしこれを着ていると真冬であっても漕ぎ出すとウェアの中は熱がこもって蒸れてしまうんです。水が入らないほど密閉されているドライスーツの宿命というか、当たり前の事というか、そりゃそうですよね。なので中に着るものにはいつも気を遣います。
![グランドキャニオン](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/Crystal_Katsu-3-of-11_1706116447.webp)
だから今まで多くのウェアを試してきて、自分なりの色々と答えを導き出してきました。基本的なことなのですが、長い旅でのベースレイヤーは雨で濡れても汗をかいても体を冷さず匂いも気にならないウール素材のものがベストだとか。その中でどのメーカーの、どれくらいの厚みのものが自分のアクティビティにあっているのかも考えます。
![グランドキャニオン](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/Mafia-Bulk-94-of-330_1706116447.webp)
ベースレイヤーを着てセカンドレイヤーになるものを着てドライスーツというレイヤリングなんですが、まだセカンドレイヤーに関しては「最高のもの!」っていうのに辿り着いていないんです。抜けのいい、それでいてしっかり保温してくれるフリースを着用してたんですが、やっぱり蒸れに悩まされていたんですね。
![アラスカのカヤック旅](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/301802_408726162537408_1537161231_n_1706116447.webp)
今回のグランドキャニオンの旅の前は北アラスカの大河、コルビルリバーで25日間の旅をしました。この時に持っていったカヤックはフェザークラフト社のとても容量の大きいシーカヤックを持っていきました。荷室的にはラグジュアリーな大きさで多くのものが収納できたので、セカンドレイヤーも幾つか試したいと思って普段は絶対1つしかもっていかないけれど、この時に限って長年愛用していたフリースと、友人から借りたノローナのフリース2つを持って行くことが出来たんです。
![ノローナ『ロフォーテン ウォーム2ハイロフトジャケット』](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/IMG_2612_1706116448.webp)
その時僕はまだフルマークスには勤めていない身だったんですが、友人にフルマークスの人がいたんです。そのとき「ノローナっていうブランドを扱い始めるかも」っていうタイミングの時で、彼が幾つかノルウェーからサンプルを持ち帰ってきていました。ノローナが作られている国がノルウェーなんですけどアラスカと似た緯度なんです。そこに友人が気づいてくれて「このフリースもっていって試してみなよ」って言って貸してもらったのがノローナの『ロフォテン ウォーム2 ハイロフトジャケット』だったのです。
![ノローナの『ロフォーテン ウォーム2ハイロフトジャケット』](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/IMG_2611_1706116448.webp)
明らかに自分が持っているフリースと違って、とにかく抜けが違うなっていう感覚があったんです。生地を見るとノローナのウォーム2ハイロフトジャケットは向こう側が透けるんです。
![アラスカのカヤック旅](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/293978_408703292539695_924759692_n_1706116448.webp)
それでもいままで着用し続けて蒸れの悩みはあったものの、旅の途中でウェアを変えるというのはチャレンジだったのですが、物は試しとということでノローナを着たら時季と場所にもよるかと思いますが、蒸れなくて、アンダーが汗で濡れることもなく、その後の23日間はずっとウォーム2ハイロフトジャケットを着て旅していました。
抜けの良さ、通気性ってこんなに大事なんだなと感じた瞬間でした。それからというもの、このノローナの『ロフォーテン ウォーム2ハイロフトジャケット』は旅には必ず持ち歩くフリースになりましたね。
![アラスカのカヤック旅](https://ytb-ec-bucket-stg.ap-south-1.linodeobjects.com/images/16625_408705609206130_1210167821_n_1706116449.webp)