登山に出かけると「思った以上に寒かった」という経験をされた方は多いのではないでしょうか?想定外の寒さと身体が動けなくなった際に役立つ装備にエマージェンシーシートがあります。今回は身体から放射される熱を効果的に反射するモンベルのコンパクトマルチシートをレビューします。
おすすめポイント
- 横長に広げて毛布のようにくるまることができ、ダウンジャケットやダウンシュラフのように雨などに濡れても保温力を失うことがない
- テント内のシートとしても使用することができる
- ペラペラしすぎず張りがあるので広げやすく、シャカシャカしづらい特徴がある
商品概要
ブランド | モンベル |
商品名 | コンパクトマルチシート |
商品説明 | カシャカシャした音がでにくいフィルムを使用した、再利用可能なエマージェンシーシートです。 |
重量 | 115g |
価格 | 990円 |
管理人の評価・レビュー
総合評価 | ★★★★☆ |
軽量性 | ★★★★☆ |
コストパフォーマンス | ★★★★★ |
汎用性 | ★★★★☆ |
御嶽山の噴火でエマージェンシーシートの重要性を再確認
平成26年に起きた御嶽山の噴火で生還した女性が以下のように語っていました。
『夜になるにつれ風が強くなり、標高3千メートルの過酷な環境が女性たちを襲った。女性は日が暮れる前、台座の前を歩いて通り過ぎようとした男性に頼み、ザックの中からダウンジャケットと簡易テントを出してもらい、防寒対策として体に巻きつけていた。(省略)周りが暗くなる中、ただ寒さに耐えた。長野地方気象台によると、標高1千メートル付近にある御嶽山麓の開田高原で噴火翌朝の最低気温は6・6度。女性が一夜を過ごした標高3千メートル付近は氷点下だったことが想像される。』
『 生死を分けたのは何だったのだろうか。「御嶽山は初心者でも気軽に登ることができるだけに、十分な準備をしている方は少なかった。生き残れたのは運もあるが最低限の準備をしていったからだ」と言う。女性は登山の際、日帰りでも簡易テントは必ず携行し、3千メートル級の山にはダウンジャケットも持っていった。夜になるまで生存していながら周囲で亡くなった登山客は、ダウンジャケットや簡易テントは持っていなかったようだった。生死を分けたのは「その差」と思っている。 』
この時からエマージェンシーシートの重要性を再確認し、どんな登山でも持ち歩く装備の1つとしています。
コンパクトマルチシートの特徴
モンベルのコンパクトマルチシートは重量115gで、広げると210×130cmの大きさになります。
畳むと6.5×6.5×10cmで片手に収まるほどの大きさになります。タイベックスのスタッフバックが付いていて軽量且つコンパクトに持ち運ぶことができます。
横長に広げて毛布のようにくるまることができ、ダウンジャケットやダウンシュラフのように雨などに濡れても保温力を失うことがありません。
エマージェンシーシートを使用するシーンを想定
想定として雨が降っている最中に滑落をしてしまい、身動きが取れなくなった場合に保温着と上からレインウェアを着用し、さらにエマージェンシーシートでくるまることで雨風から身を守ります。
日帰り計画で多くの装備を持ち歩いていない場合、保温する手段がない時にはエマージェンシーシート1枚あるだけで断然に体が冷えるスピードが異なります。
何事もなく帰ることができる頻度が圧倒的に多いのは当然なのだと思いますが、事故は突然起きる事を考えると、もしもの備えは重要です。
テント内マットとしての使用感
エマージェンシーとして使用するだけでなく、テント内のシートとしても使用することができる軽量かつコンパクトなモンベルのコンパクトマルチシートは、使用頻度を重ねても破れづらく、またペラペラしすぎず張りがあるので広げやすく、シャカシャカしづらい特徴があります。
テント内が寒くなるひとつに地面からの冷えがあります。この冷えを効果的に遮断しテント内を暖かく保つためにエマージェンシーシートをテント泊の際には広げて使うようにしています。
またテント内で誤って水などをこぼしてしまっても、コンパクトマルチシートは保水しないため、拭き取ればテント内を汚さずに済ませることができます。