都心からのアクセスが良好な丹沢において、山深く自然の息遣いを濃く感じる西丹沢エリア。登山者に人気のエリアですが、登山経験を必要とする山域であり、初心者では行きづらい場所でもあります。その西丹沢にありながら、初心者でも気軽に登れる大野山は、初めての登山からファミリーハイクまで、一年を通して多くの登山者を受け入れています。今回は、西丹沢の大野山をご紹介します。
大野山の特徴
標高723m、360度の広い視界で、北側は丹沢湖、南面は相模湾が望める大野山は、急勾配の登山道が多い丹沢において、登山口からの標高差が少なく登りやすい山で、県内、都心のハイカーから人気です。昭和43年に県営牧場が山頂に完成し、以降「大野山は牧場がある山」としても、ハイキングから観光まで、地域の魅力を発信する山としても認知されています。
県営牧場は2016年に廃止され、以降は大野山かどやファーム、薫る野牧場としてそれぞれ生まれ変わり、今も大野山には数十年前と変わらず乳牛の姿を見ることができ、大野山のシンボルとして今も在り続けています。
山の名前 | 大野山 |
都道府県 | 神奈川県 |
標高 | 723m |
天気・アクセスなど | 大野山の詳細情報 |
紹介する大野山の登山コースについて
今回ご紹介するコースは、大野山で日帰り可能な登山コースです。JR御殿場線 谷峨駅をスタートし、山北駅へ下山するコースです。道標や登山道は整備されており、標高を上げると眺望のある道が続き、気持ちの良いハイキングが楽しめます。
おすすめ度
おすすめ度は「★」で表しています。「★」3つが中級とお考えください。「歩きやすさ」「コース上の眺望」「アクセスの良さ」を考慮して決定しました。おすすめ度が高いほど、丹沢が初めての人におすすめです。
コースタイム
休憩時間を含まない、下山までの移動時間を記載しています。行動途中の休憩、頂上の大休止をプラスした時間が登山にかける時間になります。日帰り可能なコースタイムですが、季節によって日没の時間が早まるので、秋冬といった日没が早い時間は、行動開始を早めるといった対策を取ると良いです。
難易度
「歩く以外の動作が必要か」「コース上に迷うところがあるか」「登山道が整備されているか」を考慮して決定しました。大野山の登山道は丹沢の他の山と比較して易しい登山道なので、日頃歩かれている方であれば大丈夫です。とはいえアスファルトではない自然の道となるので、初めて山を登る方は、スニーカーではなく登山靴を履いて登られるのをおすすめします。
コース紹介:谷峨駅から山頂を経て山北駅へ-のんびり大野山ハイキング
場所 | 神奈川県 |
コースタイム(休憩時間を含まない、往復の移動時間) | 5時間 |
距離 | 約11.4km |
累積標高 | 約1,250m |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
おすすめ度 | ★★★★☆ |
スタート地点はJR御殿場線の谷峨駅。都市部の駅と比べて静かで、目の前には酒匂川が流れ、遠くに大野山方面が望めます。
谷峨駅を出発し、登山道へ向かいます。
国道246号線を横切り、田畑を抜けて酒匂川を渡ります。
視界が広く「どこがコース?」と不安になりますが、要所で道標を付けてくれているので安心です。
橋を渡り舗装路を行き、住宅地の脇を通ると登山道に入ります。
樹林帯を行く気持ちの良い登山道です。
最初の休憩ポイント。トイレもあります。
その後も緩やかに標高を上げます。
舗装路を横切り先を行くと、視界が一気に開けます。
富士山も見える最高のロケーションです。
東京スカイツリーと同じ標高。手作り感があってホッコリします。
心地良い風を浴びながら、景色を堪能しつつ山頂を目指します。
途中に休憩できるポイントがあります。
道は平坦となり、丹沢湖方面が見えてくれば、山頂まで間もなくです。
山頂着。
頂上は足を広げて休めるので、写真を撮ったり、ご飯を食べたり、昼寝したり、好きな時間を過ごせます。
休憩を終えたら、山北方面へ下山します。
転ばないよう慎重に
舗装路に出ると、道に沿って山北駅を目指します。山北駅までは距離があるので、地図を広げたり、舗装路に出た後はスマートフォンのナビでも案内が可能なので、確認しながらゴールを目指します。
国道246号線に出れば、山北駅までもうすぐです。
山北駅着。最後までのどかで心休まる風景に癒やされます。
大野山山頂の眺め
頂上からは丹沢湖方面の見通しが良好です。
遠くには丹沢主脈方面も。「今度はあそこに登ろう」と次へ続く気持ちを抱けるのも、大野山の良いところです
大野山トイレ情報
谷峨駅、山北駅、山頂などの要所にトイレが設置されています。通年利用できるので、とても安心です。忘れずに利用すれば、お手洗いの心配ありません。
大野山の駐車場情報
大野山登山の起点となる谷峨駅、山北駅周辺に駐車場はありません。そのため、公共交通機関の利用が基本となります。
山頂直下。イヌクビリ駐車場
山頂から山北駅方面に向かい間もなくに、イヌクビリの駐車場があります。山頂までの距離は短く観光向けの駐車場になります。小さなお子さん連れや山頂の景色を見にのんびりしに行くなど、ハイキング以外の目的で利用するのにおすすめです。
大野山までのアクセス
東京起点の場合、JR東海道線 国府津駅で御殿場線に乗り換え、谷峨駅まで2時間ほどです。
静岡方面からは、御殿場線 御殿場駅から約30分です。
大野山周辺の観光情報
かどやファーム
大野山山頂付近にある牧場です。県営牧場から引き継がれ、綺麗に整った設備を始め、街では見られない風景に心癒されます。かながわブランド牛である足柄牛を飼育しており、山の中で育てられている牛を間近で見られるのは、子どものみならず大人も貴重な体験となります。
山頂からは徒歩では少し遠いですが、時間があれば是非立ち寄られることをおすすめします。
カフェ・リーフス
大野山から山北駅に下山するコース上、国道246号線付近にあるカフェです。店内はレトロな雰囲気で、手作り感のある落ち着いた空間は、どこか懐かしさを感じさせます。メニューはコーヒーやチーズケーキがおすすめです。一緒に登った仲間とほっと一息つきながら、今日の山を振り返りながら次の登山の話をしたりと、大野山ハイキングの締め括りとしておすすめです。
さくらの湯
山北駅前ある、町営の入浴施設です。大浴槽と露天風呂があり、しっかり歩いた身体の疲れを取るのに最適です。料金も良心的な400円なのがありがたいです。着替えとタオルを事前に用意して利用すれば、帰りの電車はとてもリラックスできます。何より嬉しいのは駅から至近距離にあるので、入浴後にほとんど移動せず乗車できる点で、短時間でも入浴していきたい人にもおすすめです。
おすすめ登山道具
大野山の登山道は樹林帯があるものの、陽の当たる時間が多く、標高も平地より上がるので、紫外線や熱中症などの対策をしておくと良いです。特にキャップは頭部の保護や紫外線、熱中症対策に効果を発揮するので、機能性のあるものを選ぶのがおすすめです。登山ウェアのコーディネイトとしても楽しめ、各メーカーからのラインナップも豊富なので、色々選べるのも嬉しいですね。
大野山でのんびり登山を満喫しよう!
大野山は登りやすく、頂上の景色、登山後の観光や入浴など、登山の楽しみを1日で満喫できる魅力ある山です。ひとりで時間を忘れて昼寝をしたり、仲間とのんびり話したり、気軽に登りながら自然と触れ合えるのは、低山ハイキングならではの醍醐味であり、初めて山を登る人にはとても新鮮で、日頃難しい山を登る人には気分転換に、初心者から経験者まで多様な楽しみができます。
大野山ハイキングで、のんびりと自然を満喫してくださいね。