軽量化を行うためにテントにシングルウォールを選ぶ登山者も少なくありません。その際に気にしなくてはいけないのが結露です。テント内外の気温差と湿度が高いとそれだけ結露も多くなる為、気を配る必要があります。今回は結露対策で実践している方法と便利な道具について紹介します。
結露をこまめに拭く
僕の場合は1泊2日であればシュラフのみで、スピードのマイクロセームタオルを枕元に置いて、時々結露を拭くような対応をとっています。パックタオルやキッチンの吸水クロスと比較してもスピードのマイクロセームタオルは絞ればほぼ乾いた状態になるし、吸水力も圧倒的に高く、量にもよりますが結露を一気に取り除けます。
寝ていて途中で目が覚めたら目をつぶりながら頭上の壁を拭くといった塩梅です。自分の息で頭上周辺に結露が付きやすいと考えています。
シュラフカバーで結露からシュラフを守る
2泊以上になるとシュラフの濡れが不安なのでモンベルのブリーズドライテック プラス スリーピングバッグカバーでシュラフを濡れから遠ざけています。
このモンベルのシュラフカバーは重量180グラムで透湿性が1平方メートルあたり35,000グラムという高いスペックを誇ります。
透湿性が10,000グラム低いドライテック スリーピングバッグカバー(商品名にプラスがつかない)は、重量は同様で価格は約7,000円ほど安価です。
それでも約7,000円価格が高いブリーズドライテック プラスを選んでいる理由は、高い透湿性によって体から出た湿気をしっかりと外に逃がしてくれる機能を重視しているからです。
透湿性が低いと、体からの湿気がシュラフカバーの内側に結露となって付着し、それによってシュラフを濡らしてしまう可能性が高くなります。
撥水が施されたダウンであっても、濡れるとダウンの嵩が落ちて保温力が失われるので、シングルウォールのテントの場合のシュラフカバーは必須装備の1つに数えています。
カチカチになった結露は暖かくなる前に取り除く
寒い場所で結露が起きた際、結露が凍っている場合があります。自分の体温や日が昇るにつれ上昇する気温などで凝った結露が溶け出す前に、グローブなどで結露を落としてテントの外に捨てます。寒い時期の登山ではただでさえ装備重量がかさむので、濡れによる重量過多を取り除くのは最優先事項として考え、朝起きて最初にすることにしています。
インナーテントの壁面に濡れては困る物を置かない
結露が多くなるとテントの壁を伝って底に水がたまります。この時保水しやすいウェアやスタッフサックなどがテントの隅に置かれていると朝起きた時にびちょびちょになってしまいます。だから保水しないスタッフバッグやザックなどにこれらは避難させて就寝します。
結露の話からは少し脱線しますが、湿っているソックスやグローブなどは就寝する際にシュラフの中に入れるようにしています。テントの天井にかけて乾かそうとしても、多くは現状維持という状態なので、自分の体温で乾かすようにしています。濡れていなくともシュラフの中に入れておくことで朝方寒い時にポカポカの靴下とグローブを身につけることができるのは大きなメリットと考えています。
湿度を事前に確認する
テント内外の温度差は前室で煮炊きを行うなどをしない限り、実はあまり変化がないと考えています。徐々に自分の息や熱などで暖かくなるんでしょうけど大きな変化はないように思います。風を遮る分暖かく感じるのが大きな原因だと考えています。なので気温差による結露よりも湿度による結露が大きな要因となると思うので、雨の可能性があるときは潔くダブルウォールに切り替えるのが懸命でしょう。