登山のダウンジャケットは休憩着と使用するためザックの中に入れて持ち歩くことになります。 だからコンパクトで軽量、そして保温力が高いダウンジャケットが登山用におすすめです。今回は3シーズン用と冬山で活用しているダウンジャケットをそれぞれ2つずつ、計4種類紹介します。
4つの軽量ダウンジャケットの重量
3シーズン用に活用しているダウンジャケットはどちらも200g台と非常に軽量です。冬山用のダウンジャケットは300g弱と400g台と2種類あり、天候の良し悪しで使い分けています。基本的には軽量性と保温力にバランスのとれたダウンジャケットで、4種類ともにスペックに対して非常に軽量なダウンジャケットを選択しています。
商品名 | 重量 | 使用季節 |
アークテリクス セリウムSLフーディ | 215g | 3シーズン |
Rab ケイオンジャケット | 250g | 3シーズン |
マウンテンイクイップメント クラウド・セーター | 296g | 冬 |
Rab インフィニティマイクロライトダウンジャケット | 452g | 冬 |
3シーズン用ダウンジャケット2選
3シーズン用のダウンジャケットはアークテリクスのセリウムSLフーディ215gと、Rabのケイオンジャケット250gです。どちらも軽量だけじゃない優れた特徴があり、山だけでなく普段着にも大変おすすめです。
無駄を省いた作りが魅力、アークテリクスのセリウムSLフーディ
最も軽量なアークテリクスのセリウムSLフーディーは、850+フィルパワーのグースダウンを使用しており、アークテリクスのダウンジャケットの中で最軽量のモデルで215gとなっています。
ブランド | アークテリクス |
商品名 | セリウムSLフーディー |
重量 | 215g |
シェル素材 | アラト7デニールナイロン |
ダウン | 850+フィルパワー グースダウン |
ポケット | ハンドウォーマーポケット2つ |
スタッフバック | あり |
シェル素材はアラト7ナイロンです。7デニールと非常に薄い生地でありながら破れにくく防風性に優れた素材が採用されています。
ダウンパネルの作りは縦のステッチが一切なく、短い間隔で横のステッチが施されています。少ないダウンで保温力を高め、コールドスポットは極力少なく作られています。
3シーズンでの役割は休憩中の保温着として活用し、冬の登山ではダウンインサレーションとして主にミッドレイヤーとして着用することができます。
ドローコードはフードと裾に付いていて、風の侵入を防ぎます。ポケットはハンドウォーマーポケットが左右にあり、保温着として必要最低限のミニマムな作りという印象です。
肩と脇、袖口部分はステッチの施しがなく、ダウン量を減らし、これによって軽量化が行われています。
左側のポケットに取り外し可能なスタッフバッグがあり、ここにパッキングすることでナルゲンボトル1Lほどの大きさになります。
アクティブインサレーションとしても活用できるRabのケイオンジャケット
アクティブインサレーションとは行動中にも着用できるインサレーション(断熱ウェア)という意味で、寒い時期における行動着、3シーズンにおける保温着として活用できます。重量は250gでRabのダウンジャケットの中では最も軽量です。
Rabのケイオンジャケットは3種類のパネルで構成されていて、ダウンが封入されたパネル、化繊中綿が封入されたパネル、パーテックスクワンタムエアのパネルの3種類で、適材適所に使用されていることで保温と通気性のバランスに優れた作りとなっています。
ダウンは800+フィルパワーのヨーロピアングースダウンを採用しており、さらにNIKWAXによる撥水加工が施されているため雨や汗などによる保水によってダウンの保温力低下を抑えた作りとなっています。
ブランド | Rab |
商品名 | ケイオンジャケット |
重量 | 250g |
シェル素材 | Atmos10デニールナイロン |
ダウン | 800+フィルパワー ヨーロピアングースダウン NIKWAXによる撥水加工 |
ポケット | 胸ポケット1つ |
スタッフバック | あり |
シェル素材はAtmos10デニールの超軽量リップストップナイロンで、引き裂き強度に優れ、柔らかく、ダウン抜けもほぼなく、使い続けることによるへたりも気にならない特徴を備えています。
ダウンがある場所のステッチは縦と横に走っておりダウンズレがないように作られています。このダウンパネルは、冷たい風が当たりやすい体幹と背中と腕、フードの中心に施されています。
化繊中綿は雨が当たりやすい肩、裾の左右側面に施されています。化繊はダウンと違って雨に当たっても保温力が失われづらい特徴を備えています。
パーテックスクワンタムエアは脇周りのパネルに使われており、通気性が優れているのでこもった熱を外に排出します。
ドローコードは裾のみに施されており、めくり上がりを防止してくれます。ポケットは胸に一箇所備わっておりスマートフォンをスッキリおさめることができます。
これらの作りからアクティブインサレーションとしての機能性に優れたダウンジャケットという側面が強いです。スタッフバックにしまえばナルゲンボトル1Lほどの大きさです。
冬山用ダウンジャケット2選
冬山用のダウンジャケットは大きく分けて2つのカテゴリーが存在します。1つは上に挙げたような軽量なダウンジャケットをミドルレイヤーとして活用する側面、もう1つは保温着としての側面でこれから紹介するのは保温着としてのダウンジャケットです。
軽さと保温力のバランスに優れたマウンテンイクイップメントのクラウド・セーター
ダウン嵩とステッチの少なさが特徴的な見栄えのマウンテンイクイップメントのクラウド・セーターは800+フィルパワーの撥水ホワイトグースダウンを使用しており、296gという軽量性にも関わらず保温力抜群なダウンセーターです。
クラウド・デュペというダウンジャケットタイプは325gで、脱ぎ着のしやすいメリットがありますが、冬山登山で多く脱ぎ着をすることがないため、軽量で保温メリットの多いダウン・セーターを選びました。
ブランド | マウンテンイクイップメント |
商品名 | クラウド・セーター |
重量 | 296g |
シェル素材 | インパクト10デニール リップストップナイロン |
ダウン | 800+フィルパワー ホワイトグースダウン 撥水ダウン |
ポケット | ハンドウォーマーポケット2つ カンガルーポケットタイプ |
スタッフバック | あり |
シェル素材はインパクト10デニールのリップストップナイロンで、引き裂き強度に優れダウン抜けもほとんどありません。
ふんわりモコモコとしたダウンと少ないステッチによって保温力を高めた作りとなっています。
ドローコードは一切省かれており、ポケットはプルオーバースタイルのためカンガルーポケットが採用されています。手がかじかんだ際にポケットの中で互いの手で摩擦を起こせるのでとても温かく、お腹部分にジッパーがないことでコールドスポットが生まれづらい作りです。
スタッフバッグに入れることができ、冬山用のダウンウェアとしては非常にコンパクトかつ軽量です。
雨風に強いRabインフィニティマイクロライトダウンジャケット
商品名からもわかるようにゴアテックスのインフィニウムウインドストッパーを外側の生地に採用したダウンジャケットで、ダウンはNIKWAX撥水仕上げの700+フィルパワーのダウンを使用しています。
ブランド | Rab |
商品名 | インフィニティマイクロライトダウンジャケット |
重量 | 452g |
シェル素材 | ゴアテックス インフィニウムウインドストッパー |
ダウン | 700+フィルパワー NIKWAX撥水仕上げ |
ポケット | ハンドウォーマーポケット2つ カンガルーポケットタイプ |
スタッフバック | あり |
この作りによって雨に強く防風性にも優れたダウンジャケットに仕上がっており、濡れを気にせず着用することができます。
例えばテント内の結露で、ダウンジャケットが濡れないか?小雨がぱらつくタイミングで外に出なければいけないようなシーン。そんな時にも気を使う心配が少なく、しっかりと水をはじいてくれるので安心して着用し続けられます。
重量は452gで、今回紹介した4つのダウンジャケットの中では最も重量がありますが、耐候性に優れた特徴を活かすことで安心安全な冬山登山を楽しむことができます。
ドローコードは裾とフードに付いており袖口はストレッチバンドによって風の侵入を防ぎます。
ポケットは左右のハンドウォーマーポケットと胸ポケットが1つ付いており、防風性が高いため、ポケットに手を入れると寒い冬では非常に暖かく感じることができます。
まとめ
いづれもただ軽いだけでなく、ただ保温力が強いといったダウンジャケットではないことが分かると思います。今回紹介したブランドはダウンウェアに大きな力を注いでおり、高品質なダウンと、それを上手に料理することが出来る力によって生まれた魅力的なダウンジャケットとなっています。