マウンテンカラ

マウンテンカラ第3回全体ミーティングとなる今回は、目標としていた南アルプスの地でのマウンテンカラ。1回目の管理釣り場での修行、2回目の大自然に出てのテンカラ実践を経てようやく辿りついた南アルプスというフィールドで楽しむマウンテンカラ。

 

南アルプス北部

南アルプスといっても長野県、山梨県、静岡県と3県をまたぐ広大な山脈であり、僕たちが今回楽しむフィールドは北部の領域。

参加メンバーはナミネムくん、高橋くん、ムッチーくんと僕という4名で、初日はナミネムくんと僕、2日目から高橋くんとムッチーくんが合流するという計画。元々がトレラン、登山というフィールドで楽しんできた僕たちだから、マウンテンカラという山登りもテンカラも食事を含めたアウトドアをボーダレスに楽しもうというコンセプトの山遊びが生まれたわけで。だから当たり前のように『南アルプスはどこの山に登ろう?』という計画が織り交ぜられる。

 

広河原のテント場

初日はナミネムくんがトランスジャパンアルプスレース 2016に出場している仲間を応援したいという裏計画もあり、登山をメインとした山行。そうして2日目は広河原のテント場で後から来る高橋くんとムッチーくんと合流し広河原でテンカラ。最後は僕にとっては挑戦ともいえる山行。という登山→釣り→登山というなんとも贅沢なマウンテンカラを楽しむ計画となった。

 

広河原峠

初日の計画はほぼナミネムくんにお任せの計画。夜行バスで広河原に到着したら早川尾根小屋経由でアサヨ峰、その後栗沢山から長衛小屋のテント場で荷物をデポ。ここまでで通常のコースタイムが9時間。更にここから仙丈ヶ岳の周遊を計画しているという。ちなみにこれを合わせると通常のコースタイムが16時間。ナミネムくんに「走るの?」と聞くと「歩くよ」という。「頃合をみて、仙丈ヶ岳までは行かないかもしれないし、釣りができるところがあれば釣りしたいしね」とお互いに無理せず楽しむ計画でスタートした。

 

広河原峠までの登山道

ナミネムくんは僕にとってみれば自分とは比べ物にならない程の体力と持久力がある第一線で活躍するランナーさん。この「歩くよ」という言葉にどれだけ救われたか。それでも『着いていく』というちょっとした挑戦を楽しみの1つに取り入れた1日目だったのである。

 

広河原のバス停にて

広河原バス停に到着すると多くの人で賑わいを見せていた。北沢峠までのバスチケットを購入する人、北岳へ登る人、彼らに背を向けるように僕らは人の気配が全くない登山道へと入っていく。「あんなに混んでいたのに、こちらは静かでマイペースに楽しめるね!」と幸先のいいスタートとなった。

広河原峠までの登山道

それにしても僕ら以外にこの登山道を利用している人は誰もいない。地図にはしっかりと登山道としてルート表記もあるのだけれど、北岳や甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳といった100名山のピークハントを目的にしている人の多いことが伺える。僕らが目指すアサヨ峰で300名山。このルートが地味に映るのも仕方がないのかもしれない。

 

広河原峠までの登山道

しかも登ってわかった事なんだけど広河原峠入口から広河原峠までの登りが相当な急勾配。わずかな時間で標高を稼げるけれど難儀を強いられた。ナミネムくんは「バーティカルレースに凄いいいコースだなあ」なんて言っていたけど、こんな登りのレースに出場したら間違いなく心臓が破裂するだろう・・なんて思いながら前へ前へと進んだ。

 

広河原峠までの登山道

結局アサヨ峰に到着するまで人とすれ違う事もなく、なんとも静かで有意義な山登りを楽しめたのだった。それにしてもナミネムくんの「歩く」は非常に早く、着いていくのがやっと。こうやってまじまじと持久力の違いを見せ付けられると、どんな練習をしているのかが気になる。

 

広河原峠までの登山道

広河原峠に到着すると前方には優駿な山影がみえる。最初は「甲斐駒ヶ岳なんじゃ?」と2人で合点していたのだけど、調べてみたら八ヶ岳だった。それから早川尾根を歩きながら周りの景色を楽しみアサヨ峰まで向かう。

 

アサヨ峰

標高2,799mというアサヨ峰。到着間近になると森林限界を超えハイマツの中を突き進む。

 

アサヨ峰

そうして歩き続けてようやく到着!ゆっくり周りを見渡すとなんとも形容しがたい眺めが360度僕たちを囲んでいた。この景色をみてナミネムくん「いやーすごい!南アルプスに何度も来ているけど、今までの中でも上位に食い込む景色だね!」と感動。「100名山に登ってしまえば、その100名山を眺めることは出来ないもんね。眺めでは100名山を越える素晴らしさがアサヨ峰にはあるね!」と僕。お互いに感無量になりながら回りの景色を堪能する。

 

アサヨ峰

見えた山は鳳凰三山、北岳、仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳といった南アルプスを代表する山以外に、八ヶ岳そして富士山までも拝めることができた。

電波も通じていたので、ここで嫌がらせのように「ヤバイ!泣きそう!」とLINEでマウンテンカラメンバーへ壮大な景色と僕やナミネムくんの映った画像を送信。「もう稜線出たんだ~!早いね」と優しい返事をみて栗沢山へ向かう。

 

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栗沢山は危険マークがつくようなガレ場の多い山だった。それでも眺めは最高!この頂上で待っていたのは優しいおばあちゃん。僕らが向かう北沢峠にある長衛小屋から来たという。

 

栗沢山

栗沢山を後にし長衛小屋へと下山しているとガレ場の上に急峻な登山道。「おいおい、ここ登ったの!?」という場面が幾つもあり、先ほど出会ったおばあちゃんの体力の凄さに感嘆した。

長衛小屋のテント場

きっとこの時間に来ているのはまだ少ないんじゃないかなあ?と6時間程をかけて到着した僕らはテントの数に驚かされる。ビッシリと敷き詰められたテントの数は100張りは超えていたと見えた。

奥の奥にスペースがありそこにテントを立てようとする2人。しかしながら地面が岩盤で形成されているスペースだった性か、ペグがなかなか刺さらず難儀を強いられた。

 

マウンテンハードウェア ゴーストUL1テント

僕は『マウンテンハードウェア ゴーストUL1テント』。700グラム台という軽量を誇りながらもダブルウォールテントで完全自立式。立て方もシンプルだからあっという間に完成。

 

ZEROGRAM ZERO 1 テント

ナミネムくんは『ZEROGRAM ZERO 1 テント』。こちらは630グラムで手持ちのトレッキングポールと合わせて立てる非自立式の個性あるシェルター。山から吹き流れる風に対処するために場所を変えつつペグの刺さりをチェックして要約設営完了。時間のロスも重なり、仙丈ヶ岳への登山は断念し、テント場の目の前に流れる北沢を見て「うんうん!釣りをしよう!」と意気投合し早くも南アルプスの釣行が現実のものとなる。

準備を整えているとナミネムくんが山小屋で偶然トレラン仲間に出会った。「僕らのテンカラ見てみたいんだって。」という事で竿を持つ僕らとそれを見守る2人というなんとも奇妙な釣行がスタートした。

 

北沢の渓

北沢の渓は周りの木々が覆いかぶさるようにあるため、初日からライントラブルに巻き込まれないよう注意が必要だなあと思いながら川面を眺めていると、いるいる!魚影が濃くウキウキする。

堰堤のプールでの魚影の濃さは最たるもので、まるで管理釣り場のよう。「これは釣れるでしょう!」と期待に胸を膨らませつつフライを投げる。しかしながらやっぱり木が邪魔で、思う場所にフライが届かない。

 

岩魚

しかもスレているのか全然食いついてくれない。そうこうしているとナミネムくんにヒット!流石である。魚は今までみたこともないオレンジがかった岩魚。これがヤマトイワナという種なのか?それともニッコウイワナなのか?

ヤマトイワナはニッコウイワナの放流によって交雑し生息数が急激に減っているという。ヤマトイワナの特徴は背中の白い斑点が目立たないという事らしいが、見ると白い斑点が見られる。じゃあヤマトイワナではない?

 

北沢の渓

なんだか不確かな情報を元にヤマトイワナではないと決め付けるのにはまだまだ勉強不足。だからといって綺麗な魚には変わりない。一時見とれてリリースし夕方までの時間、釣りを楽しむも今日はこのナミネムくんの釣った1匹のあたりのみ。

 

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「夕飯にしますか」という事で引き上げた僕らはご飯の準備。そうこうしているとナミネムくんのお友達もテント場へ。おつまみやらビールを持ってきてくれてご馳走になる。山を好きな人とはどこか共通点があるのか、直ぐに意気投合で話が盛り上がる。彼らもまたランナーさんで明日は相当な距離を走るという。仙丈ヶ岳に登り、その後北岳に行って・・・というなんともハードな山行。僕らは6時30分に広河原のバス停に到着するだろうマウンテンカラ部の2人を待ち受けるべく、4時には出発し林道を走って広河原山荘のテント場へ。

こうして無事1日を終え、2日目の釣行で尺以上のイワナを釣り上げる夢をみるのだった。


・マウンテンカラVol.3「1日目」
マウンテンカラVol.3「2日目」
マウンテンカラVol.3「最終日」

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