この記事の結論:初心者が最初の1双に選ぶなら、春〜秋の低山で使える手のひらが丈夫な「トレッキンググローブ」。これから寒くなる季節は、薄手の「ウール(メリノ)のインナー」と、風と雨を防ぐ「シェル(レイン・防風ミトン)」を足した2〜3枚の重ね使いが基本です。選ぶ基準は「季節と山(保温力)」「素材(濡れても冷えにくいか)」「サイズ(指先が余らず、重ねられるか)」の3つです。
(2026年11月2日更新:紹介する手袋をメーカー公式の価格・重さで確かめ直し、確認できない商品を入れ替え、比較表とサイズ選び・よくある質問を加えました)
登山用グローブ(手袋)は、手の「保護」「防寒」「防水」という3つの役割を担う、大切な安全装備です。素手や軍手のままだと、転んだ時のけがや指先の冷え、雨や雪による体温の低下につながることもあるため、季節や山行スタイルに合ったグローブ選びが欠かせません。
この記事では、登山グローブの選び方、7種類の特徴、季節別の組み合わせ、タイプ別のおすすめをまとめて紹介します。
登山用手袋・グローブの役割

けが・行動不能を防ぐ
岩や木の根、鎖場・はしごなど、登山では手を使う場面がたくさんあります。素手だと擦り傷や切り傷を負いやすく、転んだ時にもグローブがクッションになって手のひらや指先を守ります。「痛みでストックが握れない」「岩をつかめない」といった行動不能のリスクを減らせます。
防寒で体力と安全を守る
手は体の末端にあるため冷えやすく、風の強い稜線では季節を問わず指先がかじかみます。指の感覚がなくなると、ストックや岩のホールド、カラビナの操作など細かい動きが難しくなり、転倒や滑落、冬山では凍傷や低体温症のリスクにもつながります。
防水・防風で冷えと滑りを防ぐ
雨やみぞれ、雪で手が濡れると、一気に体温が奪われます。防水性・防風性のあるグローブなら、冷たい風や雨雪から手を守り、濡れによる冷えと滑りを抑えられます。
登山用手袋・グローブの選び方

選び方は「いつ・どんな登山で使うか」「どんな素材・性能が必要か」「自分の手に合うサイズか」の3ステップで考えるとわかりやすくなります。
基準1:季節・標高・山行スタイルを決める
春夏の低山日帰り、秋の涼しい登山、夏のアルプス、冬の低山、雪山など、季節や標高によって必要な保温力や防水性は大きく変わります。まず「いつ」「どこで」使うかを決めることが、失敗しないグローブ選びの前提です。
基準2:素材と性能(保温・防水・耐久性)で選ぶ
- メリノウール・フリース:保温性が高く、濡れても冷えにくい(ウール)。インナーに最適
- 化繊ニット・メッシュ:乾きが速く、汗をかく春〜秋の行動用に
- 防水透湿素材・防風素材:雨や風から手を守るシェル用
- レザー・合成皮革の手のひら:岩場や鎖場で丈夫さとグリップ力を発揮
- 中わた(化繊綿など):冬の低山〜雪山の保温用
基準3:サイズとフィット感(操作性)を確かめる
指先が余るとストックや小物が握りにくく、きつすぎると血のめぐりが悪くなって冷えやすくなります。指を曲げ伸ばしして違和感がないか、スマホやカラビナを操作しやすいかを目安に選びましょう。重ねて使うシェルやオーバーミトンは、下に着けるグローブの厚みを考えて少し大きめに選ぶのがこつです。
価格の目安
- インナー・フィンガーレス:2,000〜6,000円台
- トレッキンググローブ:3,000〜6,000円前後
- レイン・防風シェル、オーバーミット:数千円〜1万円台
- 冬山用のインサレーショングローブ:2万〜3万円台
よくある失敗
- 軍手で登る:綿は濡れると乾かず、冷えの原因に。手のひらも滑りやすい
- 厚手を1枚だけ持つ:登りで汗をかき、休憩で汗が冷える。薄手を重ねて調整するほうが快適
- シェルのサイズがぴったり:インナーの上に重ねられず、結局使えない
- 冬に予備を持たない:濡れた手袋は保温力が落ちる。冬は予備のインナーを1双
登山用グローブの種類(7種類)と特徴
- フィンガーレスグローブ:イメージ / 使う季節 3シーズン / 役割 夏の登山や沢沿いの道で、通気性と操作性を優先
- トレッキンググローブ:イメージ / 使う季節 3シーズン / 役割 通気性、フィット感、グリップ力のバランスがいい定番
- インナーグローブ:イメージ / 使う季節 オールシーズン / 役割 春〜秋は軽い防寒・汗対策、寒い季節はほかのグローブの下に重ねる
- メリノウールグローブ:イメージ / 使う季節 オールシーズン / 役割 濡れても保温力が落ちにくく、においにくい
- インサレーショングローブ:イメージ / 使う季節 冬山 / 役割 中わたを入れた保温重視のグローブ
- オーバーグローブ:イメージ / 使う季節 オールシーズン / 役割 インナーなどの上から重ねるミトン形のアウター
- レイングローブ:イメージ / 使う季節 オールシーズン / 役割 防水透湿素材の薄手シェル
季節別・山行スタイル別の組み合わせ例
夏の低山・ハイキング・里山

- 基本セット:フィンガーレスグローブ または トレッキンググローブ
- 樹林帯中心なら通気性と指先の操作性に優れたフィンガーレス、岩場や鎖場があるならトレッキンググローブが安心です。
- 汗で滑る、手の甲が日焼けする、といったトラブルも防げるので、夏でも1双は持ちましょう。
春・秋の低山日帰り

- 基本セット:トレッキンググローブ または インナー/メリノウールグローブ + レイングローブ(防風ミトン)
- 歩き始めの肌寒い時間や尾根ではインナーやメリノで軽く保温し、暑くなったら外すかトレッキンググローブに切り替えます。
- 雨や風の強い日、山頂での休憩時には、上からレイングローブや防風ミトンを重ねます。
夏〜秋の高山(アルプス・富士山など)

- 基本セット:トレッキンググローブ + インナー/メリノウールグローブ + レイングローブ
- 日中はトレッキンググローブで岩や砂礫、鎖場から手を守り、早朝や稜線ではメリノを、雷雨や強風、ご来光待ちではレイングローブを重ねます。
冬の低山日帰り(積雪ほぼなし)

- 基本セット:メリノウールグローブ + インサレーショングローブ + レイングローブ(防風ミトン)
- 行動中はメリノ、寒い日や休憩時はインサレーションを重ね、風や雪の時は外側にシェルをかぶせます。
- 冬の低山の服装全体は登山の服装、足元の滑り止めはチェーンスパイクの記事も参考に。
冬山・雪山(初冬・残雪期)

- 基本セット(2〜3層):メリノウール(インナー)+ インサレーション + レイングローブ または オーバーグローブ
- 登りで暑い時はインサレーションを外して「メリノ+シェル」にするなど、こまめに調整します。
厳冬期の本格雪山(縦走・高標高)

- 基本セット(3層+予備):メリノウール + インサレーション + オーバーミトン、予備のインナーとインサレーションを各1双
- 強風・吹雪・ビバークに備えて、濡れや破損用の予備を持つことが大きな保険になります。
おすすめの登山用手袋・グローブ15選
価格はメーカー公式サイトの税込価格(2026年11月2日確認)です。重さは公式に記載があるものだけ載せています(サイズにより異なります)。在庫や価格は変わることがあるので、購入前に公式で確認してください。
比較表
- ブラックダイヤモンド トレイル グローブ:タイプ フィンガーレス / 税込価格 4,070円 / 重さ ― / 特長 夏のハイク・トレラン向けの軽量ハーフフィンガー
- モンベル WIC.UVテクト トレッキング フィンガーレスグローブ:タイプ フィンガーレス / 税込価格 3,100円 / 重さ ― / 特長 UVカット生地の甲で日焼け対策
- モンベル WIC.UVテクト トレッキング グローブ:タイプ トレッキング / 税込価格 3,300円 / 重さ ― / 特長 指先まで覆うUVカットの夏向けモデル
- モンベル トレッキンググローブ:タイプ トレッキング / 税込価格 5,500円 / 重さ ― / 特長 3シーズンの行動用の定番
- ザ・ノース・フェイス ドライドットインナーグローブ:タイプ インナー / 税込価格 4,950円 / 重さ ― / 特長 汗をすばやく乾かす二層構造の生地
- ブラックダイヤモンド グリッドテックストームフードグローブ:タイプ インナー+フード / 税込価格 11,000円 / 重さ ― / 特長 フリースに収納式の撥水フード付き
- ポッサムメリノ・グローブ(山旅ショップ):タイプ メリノ / 税込価格 ショップで確認 / 重さ ― / 特長 ポッサム×メリノの薄手で暖かいインナー
- Ridge Merino メリノ・ライナーグローブ(山旅ショップ):タイプ メリノ / 税込価格 ショップで確認 / 重さ ― / 特長 メリノの薄手ライナー
- ブラックダイヤモンド ミッドウェイトウールライナー:タイプ ウール / 税込価格 6,380円 / 重さ ― / 特長 中厚手のウールライナー
- ブラックダイヤモンド ソロイストグローブ:タイプ インサレーション / 税込価格 20,900円 / 重さ 261g(M) / 特長 取り外せるインナー付き。厳冬期の定番
- ザ・ノース・フェイス インフェルノシーカーグローブ:タイプ インサレーション / 税込価格 30,800円 / 重さ ― / 特長 GORE-TEXインサートの高所・冬季登攀向け
- ブラックダイヤモンド ウォータープルーフオーバーミット:タイプ オーバーミット / 税込価格 14,300円 / 重さ 94g(M) / 特長 3レイヤー防水透湿シェル
- ブラックダイヤモンド ULオーバーミット:タイプ オーバーミット / 税込価格 9,680円 / 重さ ― / 特長 軽さ重視のオーバーミット
- CODURA製軽量コンパクト防風ミトン(山旅ショップ):タイプ 防風ミトン / 税込価格 ショップで確認 / 重さ ― / 特長 小さくたためる防風・簡易防水シェル
- OMM Kamleika オーバーミット:タイプ レイン / 税込価格 8,470円 / 重さ 30g(1組) / 特長 耐水圧20,000mmの防水ミトン(確認時点で売り切れ)
フィンガーレスグローブ|夏の里山・暑い時期に
手のひらにしっかりしたグリップがあり、甲は薄手やメッシュで風通しのいいものを選びます。UVカットがあると日焼け対策にもなります。
ブラックダイヤモンド トレイル グローブ

出典:ブラックダイヤモンド
夏のトレッキングやトレイルランニングで、手の保護と通気性を両立したい人向けのハーフフィンガーグローブ。甲側は通気性のいいストレッチ素材、手のひら側は丈夫な合成素材で、ストックや岩をしっかり握れます。
モンベル WIC.UVテクト トレッキング フィンガーレスグローブ

出典:モンベル
春〜夏のトレッキングで日焼け対策と快適さを重視したい人に。甲側に紫外線をカットする生地を使い、通気性と速乾性に優れるので、汗をかいてもさらっとした着け心地が続きます。
トレッキンググローブ|春〜秋の定番
夏寄りなら通気性・速乾性・UVカット、春秋や高山寄りなら適度な保温性と防風性を。手のひらに合成皮革などの丈夫な素材があると、岩や鎖をつかむ場面でも安心です。
モンベル WIC.UVテクト トレッキング グローブ
出典:モンベル
フィンガーレスと同じUVカット素材のシリーズで、指先まで覆うタイプ。夏の低山から高山の行動用まで、日差しが強い季節に使いやすい1双です。
モンベル トレッキンググローブ
出典:モンベル
モンベルのトレッキング用グローブの基本モデル。3シーズンの行動用として、最初の1双を探している人の候補になります。
インナーグローブ|オールシーズンのベースレイヤー
春〜秋メインなら速乾性の高い化繊、秋〜冬寄りなら薄手〜中厚手のニット。単体でも使うなら、フィット感とスマホの操作しやすさも確かめましょう。
ザ・ノース・フェイス ドライドットインナーグローブ

出典:ザ・ノース・フェイス
汗をかいても手をドライに保ちやすい「手のベースレイヤー」。素材はLightweight Dotknit(ポリエステル100%)。春〜秋は単体で、秋〜冬はほかのグローブのインナーとして使えます。
ブラックダイヤモンド グリッドテックストームフードグローブ

出典:ブラックダイヤモンド
保温性の高いグリッドフリースのグローブに、必要な時だけかぶせられるフードを組み合わせたモデル。急な雨や冷たい風の時はフードをかぶせ、ポールを握ったまま歩き続けられます。「インナー兼軽量シェル」として3シーズンの行動用に。
メリノウールグローブ|秋〜春の保温インナー
薄手〜中厚手のメリノなら「春秋の低山は単体で、冬はインナーに」と使い回せます。メリノ100%は保温・防臭に優れる一方で乾きはやや遅いので、汗をたくさんかく人は化繊との混紡も候補に。
ポッサムメリノ・グローブ(山旅ショップで取り扱い)

ポッサムファイバーとメリノウールをブレンドした、軽さと暖かさを両立した秋冬向けのインナーグローブ。中空のポッサムファイバーが空気をたくさん含み、メリノの調湿性と合わさって、薄手でも指先までしっかり暖めてくれます。伸縮性のあるニットで手にやわらかくなじむので、「薄手を重ねて調整する」という選び方の基準にそのまま合う1双です。
Ridge Merino メリノ・ライナーグローブ(山旅ショップで取り扱い)
アメリカのメリノウールブランド、Ridge Merinoの薄手ライナー。厚手の手袋の下に重ねても動かしやすく、夏の高山の朝から冬のインナーまで使える、重ね着の土台になるグローブです。
ブラックダイヤモンド ミッドウェイトウールライナー
出典:ブラックダイヤモンド
中厚手のウールライナー。薄手より保温力がほしい冬の低山の行動用や、インサレーションの下に重ねるインナーに。
インサレーショングローブ|冬の低山〜雪山
行動中に使うなら厚すぎない中わた量を選び、汗をかきすぎないことを意識します。冬の低山ならインサレーション+レイングローブ、本格的な雪山ならインサレーション+オーバーミトンと組み合わせやすいモデルを。
ブラックダイヤモンド ソロイストグローブ

出典:ブラックダイヤモンド
厳冬期の雪山登山やアルパインクライミングの定番。取り外せるインナーにプリマロフト ゴールドの中わた、外側にBD.Dryの防水インサートとGTT Empelの撥水加工、手のひらにヤギ革を使い、高い保温性と防水・防風性を両立しています。重さは261g(Mサイズ)。
ザ・ノース・フェイス インフェルノシーカーグローブ

出典:ザ・ノース・フェイス
高所登山や本格的な冬季登攀を想定したハイエンドモデル。GORE-TEXのインサート、ヤギ革とDyneema Leatherの手のひら、部位ごとに使い分けたPrimaLoft Goldの中わたで、保温性と操作性のバランスを高めています。
オーバーグローブ(ミトン)|厳冬期・強風の雪山
防風・防水のミトン形は、指どうしが暖め合うので保温力が高く、寒がりな人に向きます。下に重ねるグローブの厚みを考えて、少し余裕のあるサイズを。
ブラックダイヤモンド ウォータープルーフオーバーミット

出典:ブラックダイヤモンド
伸縮性のある3レイヤーの防水透湿シェルで、濡れ雪や雨まじりの悪天、強風の稜線でも下に重ねたグローブを守ってくれます。手のひらにはグリップを高めるパネル付き。重さは94g(Mサイズ)。
ブラックダイヤモンド ULオーバーミット
出典:ブラックダイヤモンド
軽さを重視したオーバーミット。冬の低山や残雪期に「念のためのシェル」としてザックに入れておきたい人の候補に。
レイングローブ・防風ミトン|オールシーズンのシェル
単体では保温力が低いので、インナーやメリノと重ねて使う前提でサイズを選び、季節を問わずザックに入れておくと安心です。
CODURA製軽量コンパクト防風ミトン(山旅ショップで取り扱い)

コーデュラのリップストップ・シルナイロンを使った、手のひらサイズにたためる防風ミトン。表面のシリコンコーティングで雨粒をはじくので、「冷たい風+小雨」くらいならレイングローブ代わりにもなります。インナーの上からさっと重ねられ、ポケットにも入る小ささなので、「重ねて使う」「季節を問わず持ち歩く」という基準に合うシェルです。
OMM Kamleika オーバーミット

出典:OMM
悪天候でのトレイルランやファストパッキングを想定した防水オーバーミット。4方向に伸びる防水生地で耐水圧は20,000mm、重さは1組30g。生地がやわらかく、インナーの上に重ねても手の動きについてきます。2026年11月2日の確認時点では公式ストアで売り切れでした。
よくある質問
登山に軍手ではだめですか?
おすすめしません。綿の軍手は濡れると乾きにくく、冷えの原因になります。手のひらも滑りやすいので、ストックや鎖を握る時に不安です。低山でも化繊やウールの登山用グローブを選びましょう。
初心者は何枚持っていけばいいですか?
春〜秋の低山なら、トレッキンググローブかインナー1枚+雨や風用のシェル1枚の2枚が基本。冬の低山はメリノのインナー、保温用、シェルの3枚に予備のインナーがあると安心です。
サイズはどう選べばいいですか?
指先が余らず、きつすぎないものを。手のひらの周りの長さをメーカーのサイズ表と比べ、迷ったら試着して指を曲げ伸ばししてみましょう。上から重ねるシェルやミトンは、少し大きめを選ぶと重ねやすくなります。
スマホは操作できますか?
タッチパネル対応の指先を持つモデルなら、着けたまま操作できます。厚手のインサレーションやミトンは対応していないものが多いので、薄手のインナーで操作できるようにしておくと便利です。
洗濯はできますか?
多くのグローブは手洗いできますが、レザーや防水素材は洗い方が決まっていることがあります。商品のタグやメーカーの案内に従ってください。冬の服装全体は冬の登山の服装、防寒着はダウンジャケットの記事も参考にしてください。
※本記事の作成にはAIを活用し、製品の仕様は各公式サイトの掲載情報(確認日時点)と照合しています。





