登山用パンツをどのように選べば良いのか、自分に合った登山用パンツはどういったものなのか、そんな疑問に答えるべく登山用パンツの正しい選び方とおすすめモデルを紹介します。
登山用パンツの正しい選び方
登山では膝を大きく曲げ、場所によっては鎖を使って岩をよじ登るような登山道もあります。また汗をかく、雨や水溜りで濡れる事も念頭に置く必要があります。これらを踏まえて登山用として相応しいパンツは
- 膝を曲げやすい
- 濡れても乾きやすい
- 汗をかきづらい=通気性がある
これら3つは最低限登山用パンツとして必要な機能です。これ以外に人によって登山用パンツに求める機能が異なります。例えば
- ポケットの数と場所
- ジッパー付きのポケットか否か
- ウエストのフィット構造
- パンツの形状(股上や全体の締めつけ感)
- 裾の形状
などが挙げられます。これらを踏まえて自分に合った登山用パンツを選びましょう。
最低限登山用パンツとして必要な3つの機能
膝を曲げやすい・濡れても乾きやすい・汗をかきづらい。この3点の機能について深掘りしていきます。
膝を曲げやすい
登山用パンツの多くが膝を曲げやすいようにストレッチ素材を採用しています。パンツ全体ストレッチ素材か、膝部分のみか、膝部分を特にストレッチ性を強めているか、などパンツによって作りが異なります。
濡れても乾きやすい
コットンではなく化繊素材が登山用パンツで使用されている素材です。これによって汗や雨に濡れても乾きやすく、濡れによってパンツが重くなったり、冷たくなることを防いでいます。
汗をかきづらい
登山用パンツに通気性があることで、登山中汗をかきづらくなります。パンツは上半身のように細くレイヤリングができないので、単体でしっかりと通気性を持たせる必要があります。完全に風をシャットダウンする場合はシェルパンツを上から履くと良いでしょう。
登山用パンツに求める5つの特徴
次に人によって登山用パンツに求める機能が異なる代表的な5つの特徴について深掘りしていきます。
ポケットの数と場所
登山用パンツでポケットを配置できる場所としては、左右のハンドウォーマーポケット、お尻のポケット、膝ポケットとなります。ポケットがあることで貴重品や行動食などをしまっておくことができますが、しまう場所をパンツポケットではないところに求める人にとっては邪魔になります。自分にとって登山用パンツをどのように活用するか事前に決めておくことをおすすめします。
ジッパー付きのポケットか否か
パンツにしまっておくものを絶対に落としたくないと考える人にとってはジッパーがあると便利です。しかしジッパーがあることで登山用パンツの重量は重くなります。また手をポケットに突っ込んだ時にジッパーが邪魔になることもあります。登山時のポケットの使い方を想定する必要があります。
ウエストのフィット構造
ベルトでウエストを絞る人、バックルで締める人、ゴムの伸縮のみのイージーパンツ仕様などウエストのフィット構造は様々です。自分の好みを見つけましょう。
パンツの形状(股上や全体の締めつけ感)
パンツのフィット感は、ある程度な締め付けがあると風にパンツがバタつかず、シルエットが綺麗に見えます。反対にレギュラーフィット感のパンツの場合は、締め付けがない分、足の開放感があります。
また股上は適度な深さがあると動きやすいメリットがあります。
裾の形状
裾周りは、泥や小石などが登山靴に入りづらいように登山靴をパンツで被せる事ができる形状のパンツがあります。このパンツのデメリットは、登山で早い行動を好む方の場合、パンツによって足元が見えづらい事があります。登山スタイルに合わせて最適なパンツを選びましょう。
おすすめの登山パンツ
ここで紹介するパンツは登山をする人に人気のパンツで、長年細かな改定を繰り返しながらリリースされ続けているものです。
※横スクロールで表がスクロールできます。ブランド | ザ・ノース・フェース | アークテリクス | パタゴニア | マウンテンハードウェア | ファイントラック | モンベル |
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商品名 | バーブパンツ | ガンマLTパンツ | アルトヴィア・トレイル・パンツ | アセントパンツ | カミノパンツ | O.D.パンツ |
膝の曲げやすさ | 全体がストレッチ | 全体がストレッチ | 全体がストレッチ | 全体がストレッチ | 全体がストレッチ | 全体がストレッチ |
素材(乾きやすさ) | ナイロン92%、ポリウレタン8% | フォーティウス DW 2.0: 88%、エラスタン12% | ポリエステル86%、ポリウレタン14% | ライトウェイトストレッチナイロン88%、ポリウレタン 12%) | ナイロン100% | ポリエステル100% |
通気性 | 生地全体&左右サイドにベンチレーション | 生地全体 | 生地全体 | 生地全体 | 生地全体&左右サイドにベンチレーション | 生地全体 |
ポケットの数 | 3つ | 3つ | 5つ | 3つ | 3つ | 4つ |
ジッパー付きポケット数 | 3つ | 3つ | 5つ | 3つ | 3つ | 4つ |
ウエストのフィット | バックル | バックル | ウエストバンド | バックル | バックル | バックル |
パンツの形状 | ややテーパード | 細身シルエット | 細身シルエット | 細身シルエット | 細身シルエット | レギュラー |
裾の形状 | シューズ上でフィット | シューズ上でフィット | ジッパーによってシルエット調整可能 | シューズ上でフィット | シューズ上でフィット | シューズを覆う |
重量 | 490g | 355g | 315g | 320g | 345g | 345g |
ザ・ノース・フェイス バーブパンツ
ザ・ノース・フェイスの登山用定番パンツとして毎年人気があるのがバーブパンツです。ハイキングから縦走登山、クライミングなど伸縮性の高いパンツであることから様々なアクティビティで活用ができます。左右サイドにベンチレーションがあるのが特徴でパンツそのものに通気性が施されていますが、ベンチレーションを使うことで衣服内のムレを効率的に排出することができます。
アークテリクス ガンマLTパンツ
汎用性の高さが非常に高い登山用パンツとして知られるのがガンマ LTです。優れたストレッチ性によってバーブパンツ同様様々なアクティビティで活用することができます。耐久性にも優れた素材で、ハーネスやヒップベルトとの相性も良く、アクセスしやすい膝ポケットが付いた登山用パンツです。
パタゴニア アルトヴィア・トレイル・パンツ
4方向に伸縮する織りを採用したパンツで、ポケットの数が5つと多いのが特徴のひとつです。ウエストは左右についたバンドで調整をするため、登山中でも容易にウエストのフィット感を出すことができます。裾部分はジッパーがあり、ジッパーを開くことでハイキングブーツの上にフィットするように作られています。
マウンテンハードウェア アセントパンツ
適度な厚みを持つため、オールシーズン着用できるパンツです。ウエストのベルトは取り外すことができ、通常のベルトも着用可能です。マウンテンハードウェアのパンツの中で最も細身のパンツで日常使いにもおすすめです。
ファイントラック カミノパンツ
薄手でありながら耐久性を備えたナイロン繊維を採用したパンツです。縦横に伸びるクロスストレッチ性で、細身シルエットだから足さばきが良く、程よい防風性を備えているため3シーズン着用可能な登山パンツです。
モンベル O.D.パンツ
耐久性と速乾性のバランスが良い登山用パンツです。モンベルの中では中厚手で、3シーズン活躍するパンツです。シルエットはストレートで裾が登山靴にかぶる形状です。適度なフィット感で歩きやすく多くの登山者に人気のあるパンツです。