こんにちは、釣り人です。
山旅々というよりも、僕の場合は山釣旅々なんですが、山旅が好きな皆さんに向けて「同じフィールドでこんな遊びもできますよ」とその魅力を紹介させていただきます。
まず、同じ山釣旅でも、釣りが目的なのか?トレッキングのついでに釣りをするのか?でスタイルはかなり違ってくると思います。
僕の場合はもちろん釣りが目的。なので出かけるのは魚のいる山で、たくさんいればなおよし!そして、僕が山の中で狙っている魚が「イワナ」です。イワナは源流と呼ばれる渓流でもかなり標高が赤い場所にいるのですが、冬は凍りつき、夏は渇水の恐れがある源流域はかなりタフな環境。実はこんな山奥に生息できる魚はイワナだけなんです。
そんな環境に暮らしていますが、見た目はかなり可愛いくて、そのギャップがかなり魅力的です。目が大きく全体的にふっくらとした魚体。一見すると地味ですが、生息場所によって違う色や模様は興味深く、プニプニした触り心地(イワナの体温は人間よりもはるかに低いので、そのまま触るとイワナが火傷してしまいます。触る時は手を水で十分冷やしましょう)は魚というよりは両生類を思わせます。
そして、この釣りの旬は間違いなく夏。夏山を楽しみながら、釣りも楽しめます。この時期になるとイワナが住む標高が高い場所も水温が上がってきて、活発に虫を食べるようになってきます。
また、この時期はアリや小さな甲虫、バッタ、毛虫などの陸に棲む生物を主に食べているので(虫も何かの拍子に川に落ちるらしい)、それを模したフライ(毛ばり)はサイズが大きく、オモチャっぽいです。虫っぽく作らないと食べてくれない同じ渓流魚の「ヤマメ」を釣るよりも気軽なのは間違いありません。「こんなフライでも食べるのかな~」とイタズラ心満載で作ったものでも食べてくれたりします。
では、簡単に釣れるのか?と言うとそうでもなく、特に人影や、岩が動く音、真上を横切るものにはかなり敏感。釣りの世界ではよく「木化け、石化け」と言いますが、木や石になったかのように気配を消しながらイワナに近づいていかないと、すぐに逃げられてしまいます。実は、これが一番難しいです。
ちなみに僕は匍匐(ホフク)前進も厭わないので誰かに見られたら確実に変な人です(笑)。
そんな苦労の末に無事フライが届く場所まで近づき、イワナの口元にフライを届けることさえできれば、かなりの確率でフライを咥えてくれます。そして、ほとんどの場合、食べる瞬間が見えるので、アドレナリンは全開です!
さて、ここでこの山釣旅の釣り以外の楽しみを紹介しましょう。実は、釣り人だけが見れる山の姿があるんです。
登山では基本的に登山道を歩きますが、釣りでは道なき道を行く、藪漕ぎがほとんどです。(もちろん環境負荷が大きくならないように踏み跡を作らないように歩く)
これは地図を読むことが重要なので(うまくできないと川に入れないし、出れない)ルートを探す楽しみがあります。
そして、そうやって川を釣り歩いていると、地図にない滝。大きなボルダー。滑床の川(滑り台になる)。朽ち果てた倒木などなど、釣り人しか出会うことができない景色を発見できます。僕はそういう景色を見たとき、「釣り人は得だなあ」と感じます。
さて、山釣旅々もやってみたいと思いましたか?
いつもの山も『釣り』というフィルターを通して見ると全く違うフィールドになると思います。今、山の道具屋さんでも釣りが好きな人はたくさんいらっしゃいます。もちろん釣具屋さんも相談に乗ってくれると思うので、興味がでてきたら、ぜひ新しい世界に足を踏み出してみてください!
最後に僕の2016年の山釣旅々の写真を紹介して終わります。
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