ゴアテックスウェアは洗わない方が長持ちすると思っている方も多いのではないでしょうか?実はこれは大きな誤りです。今回はゴアテックスウェアの撥水性能や最大の特徴である防水透湿性を最大限に活かすためのメンテナンス方法を紹介します。
登山でゴアテックスウェアを着用するとどうなるか
登山でゴアテックスウェアの着用後は雨や土や砂埃などたくさんの汚れがゴアテックスウェアの表面に付着しています。また内側には汗による皮脂汚れも付着しています。
この汚れを放置した状態だと、外側の汚れによって、撥水性能が失われゴアテックスウェアの表面の生地が保水してしまい重くなってしまいます。また、内側の汚れはシームテープの剥がれにつながることがあります。シームテープがはがれると防水性を失うことにつながります。
このようなことがないように、ゴアテックスウェアを正しくメンテナンスすることで、登山におけるリスクを軽減することができます。
ゴアテックスウェアのメンテナンス方法
ゴアテックスウェアのメンテナンス方法を正しく行うことで、ウェア本来の性能を引き出し、長く保つことができます。それではステップ毎で説明をしていきます。
STEP1:ウェアについている洗濯表示を確認
まずウェアに付いている洗濯取り扱い表示を確認しそれに従いましょう。5つの基本記号があり洗濯の仕方、漂白の仕方、乾燥の仕方、アイロンのかけ方、クリーニングの種類です。この基本記号に付加記号と付記用語が追加されています。
上の写真は3種類のゴアテックスウェアの洗濯取り扱い表示ですが、ブランドごと、製品ごとに異なります。生地だけでなく、その他に使われている部材によっても変わる場合があります。上の写真から洗濯時に以下のようなことに注意する必要があります。
- 洗濯温度は40℃を限度、洗濯機では弱い洗濯処理とする
- 漂白処理はできない
- 洗濯処理後に低い温度(最高60℃)タンブル乾燥処理(回転させながら温風で乾燥させる方法)ができる
- ドライクリーニング処理はできない
ステップ2:洗濯をする
洗濯をする時には、全てのファスナーやポケットを完全に閉じて、ストラップやフラップなどもしっかり留めます。弱い洗濯メニューで40℃以下のぬるま湯で洗濯をしましょう。
洗剤は衣料用液体洗剤を少なめに使用するようにしましょう。漂白剤や柔軟剤などが入っている洗剤は絶対に避けましょう。このような成分がウェアの表面に残ることが、撥水性低下の原因となります。
すすぎも2回以上しっかり行い、ウェアについた洗剤をしっかり取り除きましょう。
ステップ3:乾燥させる
すすぎが終了したら、陰干しをしてしっかり乾かしましょう。乾燥機を使う場合は高温ではなく60℃以下の中温で乾燥をかけてください。
ステップ4:撥水回復のための熱処理
撥水性能が落ちてきたと感じる場合は乾燥後に熱処理を加えることで撥水性が回復します。乾燥機の場合は、親が乾燥した後さらに20分間、同じ熱で温風乾燥をしてください。
アイロンを使用する場合は必ず当て布をして低温設定で行います。この時スチームは使わないようにしましょう。
撥水剤を使う場合
撥水剤で撥水加工を行う場合は、洗濯機に投与して使えるウォッシュインタイプが楽でおすすめです。
ステップ2と3の間で、汚れをしっかり洗濯機で落とした後に、ウォッシュインタイプの撥水剤を使って、撥水剤をゴアテックスウェアにまんべんなく付着させます。
その後はステップ3に戻って陰干し、撥水回復のための熱処理、または温風乾燥を行います。これで終了です。 難しいことはありませんので、是非登山を行う前に手持ちのゴアテックスウェアをメンテナンスしておきましょう。