登山初心者でも素晴らしい景色を楽しみながら稜線歩きができ、危険箇所も少ない登山道を使って日帰り登山を楽しむことができます。日帰り登山ならば代表的なものとして3つのコースを選択することができ、所要時間が短い、長い、中間的なコースを選ぶことができます。自分の体力と使える時間を考えて、大菩薩嶺の楽しい登山を計画しましょう。
大菩薩嶺の登山が人気の理由
大菩薩嶺は百名山ならではの素晴らしい景色と、車でも公共手段を使っても登山を楽しむことができるアクセスのしやすさが特徴です。気軽に素晴らしい景色を楽しむことが出来る事から人気のある山で、登山シーズンにはバスの混雑、駐車場の混雑が予想されます。この大菩薩嶺の登山が人気の理由を紹介していきます。
アクセスがしやすく、初心者にも上りやすい
日本百名山に数えられる大菩薩嶺は標高2000m 級の山ですが、最も標高の高い登山口が1600mの標高にあるため、初心者から日帰り登山に人気の山です。登山道の途中には山小屋があり、また、3シーズンでは人が多いため、安心して登山を楽しむことができます。
東京都内から公共交通手段を使ってもアクセスがしやすいです。以下は大菩薩嶺登山をする際の電車のアクセス方法です。
- 特急を利用する場合(所要時間約1時間20分)
- 新宿駅→大月駅→甲斐大和駅
- 特急を利用しない場合(所要時間約1時間40分)
- 新宿駅→八王子駅→甲斐大和駅
- バスで移動(所要時間約40分)
- 甲斐大和駅→大菩薩入口(上日川峠)
大菩薩嶺からの雄大な景色
大菩薩嶺からは富士山の眺望が素晴らしく、頂上ではこの雄大な景色を楽しみながら、ランチタイムを過ごすことができます。富士山以外にも南アルプスや八ヶ岳、東京都最高峰の雲取山まで眺めることができます。
売店や食事処が多く初心者にも安心
大菩薩嶺に向かう登山道には福ちゃん荘や介山荘などの食事処や売店があり、おしるこやもつ煮込み、おでんなど食事を楽しむことができます。
もし雨などに見舞われても逃げ場がある安心感と、多くの登山客で賑わう場所なので初心者の方で登山に不安を感じる場合には、安心感の高い登山を楽しむことができます。
大菩薩嶺の歴史
標高は2,057mで百名山の他、甲信越百名山、山梨百名山、花の百名山に選定されている魅力の多い山です。
大菩薩嶺の登山コースの経由点にある賽の河原は、その昔大菩薩峠と言われており最大の難所とされていました。食料や木材などの物資を運ぶ旧青梅街道の重要な峠として位置づけられており、1878年頃から道が整備され現在の登山道となりました。
中里介山が執筆した小説『大菩薩峠』では、かつて旧青梅街道を利用していた人々の事が書かれた貴重な資料として知られています。
山の名前 | 大菩薩嶺(だいぼさつれい) |
都道府県 | 山梨県 |
標高 | 2,057m |
天気・アクセスなど | 大菩薩嶺の詳細情報 |
大菩薩嶺登山のQ&A
大菩薩嶺の降雪は?
大菩薩嶺は12月頃より降雪があり、4月頃まで雪が残ります。冬期の大菩薩嶺登山は大菩薩峠登山口からのアクセスが一般的で、冬用ウェアと軽アイゼンなどの装備が必要です。
冬山としても初心者向けの山で、明瞭な登山道と急勾配の少ないルートのため、雪の感触と冬山独特のキリッとした空気を肌で感じられます。
大菩薩嶺の登山時間
大菩薩嶺へは時期や体力にもよりますが、上日川峠まで車でアクセスできる時期であれば半日で周回できます。大菩薩嶺が最も賑わうシーズンであり、気軽に楽しめる2,000m峰の眺望、歩きやすく整備された登山道は、程良い疲労感でファミリーハイクにもおすすめです。
冬期やゲートが閉まり、大菩薩峠登山口からのアクセスの場合は、1日がかりの登山となります。
大菩薩嶺の難易度別おすすめ登山コース
日帰り登山で楽しむ場合の大菩薩嶺への登山口は最もスタンダードで多くの人が利用する上日川峠と、丸川峠入口を経由する大菩薩峠登山口の2種類があります。
上日川峠は約1600m付近の登山道となり、大菩薩嶺頂上までの標高差は約500mほどと初心者の登山者に人気のコースです。上日川峠からピストン登山が最も短いコースとなり、それ以外に大菩薩峠を経由する周回コースを取ることもできます。
今回は最も短い上日川峠からのピストン登山コースと、同じく神日川峠を利用する大菩薩峠を経由する周回コース、西に位置する大菩薩峠登山口からの3つの登山コースを紹介します。
上日川峠からピストン登山・初心者におすすめ
スタート地点 | 上日川峠 |
ゴール地点 | 大菩薩嶺 |
地点間の往復距離 | 約5.3km |
累積標高 | 約548m |
コースタイム | 2時間40分 |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
上日川峠には駐車場とバス停があり、甲斐大和駅から土日・祝日便は午前中に3便、8時10分、9時20分、9時50分に出発します。平日は8時10分と9時50分となっています。
※詳しくは栄和交通(0553-26-2344)に要問い合わせ
上日川峠から緩やかで整備された登山道を約30分歩くと福ちゃん荘に到着します。福ちゃん荘から唐松尾根を1時間ほど歩くと雷岩に到着します。雷岩からは素晴らしい景色を眺めることができます。
雷岩から稜線を少し歩くと大菩薩嶺に到着します。ここまでの登山道は危険箇所が少なく、幼い子供と一緒に家族登山を楽しんでいる人も見かけることができます。大菩薩嶺で景色とランチを楽しんだら元来た道を戻ります。
上日川峠から大菩薩峠を周回・初心者におすすめ
スタート地点 | 上日川峠 |
ゴール地点 | 大菩薩嶺 |
地点間の周回距離 | 約7.1km |
累積標高 | 約585m |
コースタイム | 3時間15分 |
難易度 | ★☆☆☆☆ |
大菩薩嶺までは上で説明した登山道と全く同じルートを歩いて行きます。帰りは雷岩から右に曲がると唐松尾根ですが、左に曲がり賽の河原、大菩薩峠方面に歩いて行きます。
賽の河原付近は強い風にあたることが多いのでウインドブレーカーなど防寒着を持ち歩きましょう。賽の河原を過ぎると大菩薩峠に到着します。
そのまま歩いて行くと石丸峠へと進みますが、右に曲がって福ちゃん荘へ向かい、その後上日川峠に下山します。大菩薩峠の正面には介山荘があり、オリジナル煎餅や羊羹、その他オリジナル T シャツやキーホルダー、登山バッジなどが販売されています。
食事はラーメンやおでん、味噌田楽などが販売されているので、ランチ利用も可能です。
大菩薩峠登山口から楽しむ静かな登山
スタート地点 | 大菩薩峠登山口 |
ゴール地点 | 大菩薩嶺 |
地点間の往復距離 | 約12.3km |
累積標高 | 約1,385m |
コースタイム | 6時間20分 |
難易度 | ★★★☆☆ |
上日川峠からの登山に比べると圧倒的に登山者の数が少なくなり、静かな登山を楽しみたい人に人気のコースです。
大菩薩峠登山口には駐車場がないため塩山駅からバスを使ってアクセスすることになります。
車の場合は大菩薩峠登山口を過ぎ丸川峠入口までアクセスします。ここには約20台の無料駐車場があります。大菩薩嶺と鶏冠山の登山口となっています。
大菩薩峠登山口からは約25分歩くことで丸川峠入口に到着します。丸川峠入口からは丸川峠へ向かうミゾ沢沿いの登山道と神日川峠へと向かう登山道があります。利用するのは丸川峠へ向かう登山道です。
この道は日陰斜面となるため、春先は登山道が凍っていることがあるため注意が必要です。丸川峠にある山小屋丸川荘のブログで登山道の情報をチェックすることができます。
丸川峠から1時間20分ほどで大菩薩嶺に到着することができます。ここまでの道のりは非常に静かなので、大菩薩嶺に到着すると多くの人で賑わっていることに驚くことでしょう。下山は元来た道を戻ります。
大菩薩嶺周辺の観光&グルメスポット&温泉情報
勝沼ぶどう郷
今回紹介した登山で利用する甲斐大和駅と塩山駅の間に勝沼ぶどう郷駅があります。勝沼ぶどう郷周辺にはマンズワイン勝沼ワイナリーや原茂ワインなど甲州ワインを楽しめるスポットが多く点在します。
塩山温泉 源泉の地
塩山の湯は、向嶽寺を開山した抜隊禅師により発見されたと伝えられています。1724年の資料によると年間1万人の湯治客があったとされている歴史ある温泉郷です。泉質はアルカリ泉で胃腸病や神経痛や冷え性などに効き目があるとされています。