シートゥサミットのスリーピングマットはセルフインフレータブルマットとエアーマットの2種類があります。他のマットメーカーと比較するとサイズ展開が豊富で、自分好みのマットを選べるようになっています。今回は登山で持ち歩くのに最適な重量のスリーピングマット11種類を比較し、寝心地の良さの特徴や最軽量なマットを紹介します。
シートゥサミットのスリーピングマットの選び方
登山に持ち歩きやすいスリーピングマットの重量は3シーズンの登山であれば500g以内に収めたいところです。登山装備の軽量化を重視するのならば300g以内だとインパクトがあります。(ちなみにサーマレストの最軽量のテントマットがレギュラーサイズで250gです)
重量と一緒に気にすべきポイントは寝心地の良さとR値です。寝心地の良さは内部構造の違いとスリーピングマットの厚さにより大きく異なります。寝心地の良さはシートゥサミットの大きな特徴です。
スリーピングマットの内部構造の違い
内部構造はセルフインフレータブルマットとエアーマットの2種類があります。
セルフインフレータブルマット
セルフインフレータブルマットは内部にポリウレタンフォームを内蔵しマットのバルブを開けると自動である程度まで膨らみます。
ポリウレタンフォームによるしっかりとしたサポート感があって寝心地が良いのが特徴です。
エアーマット
エアーマットはポリウレタンフォームを内蔵しない空気のみで膨らませるマットです。セルフインフレータブルマットと比較すると軽量でコンパクトになることが特徴です。これによってマットに厚みを持たせることができ、厚みによる寝心地の良さを特徴としています。
寒い季節におけるスリーピングマットも豊富で、内部で冷たい空気の対流が起きにくいインサレーティッドマットの展開があり冬山登山などで活用します。
シートゥサミットのエアーマットの最大の特徴がエアスプラングセルと呼ばれる気室構造で、これは無数のドット状の気室をテントマット内部に接着し、網の目のように小さな気室がマット内の構造を作っています。これによってマットの上に体重をかけた際、圧力が分散され、柔らかく体にピッタリ沿い、快適な寝心地を提供します。
R値について
R値とは熱抵抗値の略称で、スリーピングマットがどれだけ熱を逃さないかを評価する指標です。この値が高いほどマットの断熱力が高く、寒い季節におけるスリーピングマットや、寒がりな人はR値の高いスリーピングマットを選ぶようにしましょう。
地面の温度は空気よりもずっと低く、就寝時は下から体温が奪われます。シュラフが暖かくともスリーピングマットのR値が低いことで、眠ることができないということもあるので注意しましょう。
シートゥサミットが採用しているATSMF3340-18は、Therm-a-Rest(サーマレスト)、NEMO(ニーモ)、EXPED(エクスペド)、BigAgnes(ビッグアグネス)、KLYMIT(クライミット)のR値でも活用しているため、メーカーをまたいでも比較することができます。
- ASTM R値(0~2.0):夏向け
- ASTM R値(2.0~4.0):3シーズン向け
- ASTM R値(4.0~6.0):積雪期
- ASTM R値(6.0~):高所・極地でも対応できる
シートゥサミットの女性向けスリーピングマット
シートゥサミットはシリーズによって女性向けにデザインされたモデルがあります。以下の3つが特徴です。
- 腰の幅が広め、肩幅は狭めの形状
- 体幹部が冷えないよインサレーションの量と配置を変え断熱性を向上
- 女性の身長に合わせたサイズ展開
寝心地に優れたスリーピングマット
シートゥサミットの中で、登山使用に適した重量で寝心地が良いモデルは2種類あります。
ウルトラライトS.I.マット
セルフインフレータブルマットの中で最も軽量コンパクトなスリーピングマットです。 必要な箇所にクッション性とサポート性をもたせ、体の部位に応じて内部のフォームの肉抜きが調整されています。
バルブには空気入れと撤収をより簡単にできる設計で、逆止弁付バルブと開放バルブが備わっています。また空気をフルに入れた後に硬さを微調整するボタンが付いており、好みに合った硬さに調整することができます。
エアロピローをマットに固定するピローロックシステムも備わっており、就寝中にずれてマットからピローが落ちないようになっています。
コンフォートプラスマット
ウルトラライトS.I.マット同様のバルブ構造とエアロピローの固定機能が付いています。
エアスプラングセルと呼ばれる極上の寝心地を提供する気室構造が最も特徴的で、無数のドット状の気室をテントマット内に接着し、網の目のように小さな気室がマット内の構造となっています。これによってマットの上に体重をかけた際、圧力が分散され柔らかく体にピッタリ沿うような寝心地で、快適な眠りをもたらします。
ポンプが一体になったスタッフサックが付属されているので、1回息を吹きかけるだけで素早くマットをセットアップすることができます。
最軽量のスリーピングマット
最も軽量なマットはイーサーライトXTマットでレギュラーサイズで390gです。このマットは1サイズ展開ですが、スリーサイズ展開のウルトラライトマットはXSを選べば296g、Sが345g、レギュラーでも395gと5gの差です。
イーサーライトXTマット
シートゥサミットのスリーピングマットの中で最も軽量で最も厚みがあります。エアスプラングセルマットを採用しており気室構造が、コンフォートプラスマットと異なりループ構造を採用し、少ない生地量で大きな気室を生み出しています。
ウルトラライトS.I.マット同様のバルブ構造とエアロピローの固定機能、またポンプが一体になったスタッフサックなど使い心地にも優れたスリーピングマットです。
ウルトラライト マット
コンフォートプラスマットと同様のエアスプリングセルを採用し、5cmの厚みで軽量性を生み出したスリーピングマットです。寝心地の良さを維持しながら厚みを落としたことでR値が低くなっており夏向けのスリーピングマットに仕上がっています。
シートゥサミットのスリーピングマット比較表
※横スクロールで表がスクロールできます。商品名 | ウルトラライトS.I.マット | イーサーライトXTマット | イーサーライトXT インサレーティッドマット | イーサーライトXTエクストリームマット | ウルトラライト マット | ウルトラライト インサレーティッドマット | コンフォートライトマット | コンフォートライト インサレーティッドマット | コンフォートプラスマット | コンフォートプラス インサレーティッドマット | コンフォートプラスXT インサレーティッドマット |
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構造 | セルフインフレータブルマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット | エアーマット |
厚さ | 2.5cm | 10cm | 10cm | 10cm | 5cm | 5cm | 6.3cm | 6.3cm | 6.3cm | 6.3cm | 8cm |
R値 | 2.6 | 1.2 | 3.2 | 6.2 | 1.1 | 3.1 | 2 | 3.7 | 2 | 4 | 4.7 |
サイズ展開 (全長×幅) | XS=125×51cm S=170×51cm R=183×51cm | 183×55cm | S=168×55cm R=183×55cm RW=183×64cm | R=183×55cm L=198×64cm RR=183×64cm RRL=201×64cm | XS=125×55cm S=168×55cm R=183×55cm | XS=128×55cm S=168×55cm R=183×55cm | 184×55cm | S=168×55cm R=184×55cm | S=168×55cm R=183×55cm | S=168×55cm R=183×55cm | 183×64cm |
重量 | XS=385g S=520g R=550g | 390g | S=470g R=490g RW=630g | R=720g L=950g RR=950g RRL=1,050g | XS=296g S=345g R=395g | XS=349g S=430g R=480g | 515g | S=590g R=640g | S=640g R=710g | S=775g R=845g | 1,185g |
女性モデル | ◯ | ✕ | ◯ | ◯ | ✕ | ◯ | ✕ | ◯ | ✕ | ✕ | ✕ |