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落ち着いた山容と歩きやすい登山道で初心者から経験者まで多様な登山者を迎えている北八ヶ岳。屹立した南八ヶ岳と異なる特徴を持つ山域の中で、ロープウェイを利用して気軽に八ヶ岳を楽しめる北横岳は、老若男女、多くの方が訪れる人気の山頂です。今回は北八ヶ岳を代表する山、北横岳をご紹介します。
北横岳登山が人気の理由
標高2,480m、南八ヶ岳に位置する横岳の北方に位置しているのが北横岳です。北八ヶ岳エリアでは、初心者の方も登れるおすすめの山として人気があります。山頂は北峰と南峰があり、特に南峰からの眺望が優れており、八ヶ岳山域が広く望めます。
| 山の名前 | 北横岳 |
| 都道府県 | 長野県 |
| 標高 | 2,480m |
| 天気・アクセスなど | 北横岳の詳細情報 |
北八ヶ岳ロープウェイで一気に標高を稼げる気軽さ
山頂までの最短ルートの起点となる、北八ヶ岳ロープウェイは、北横岳登山を人気にしている理由のひとつです。山頂までのアクセスを容易にしたことだけでなく、登山と観光が同時に楽しめるのがポイントで、しかも通年で利用できるため、冬山登山入門としても重宝されるなど、北八ヶ岳方面での登山では必須のスポットです。ロープウェイから見る景色も良く、休憩を含めた多様な利用ができるのが良いですね。
北八ヶ岳の様々な大自然を楽しめる
北横岳まで到達するルートは、蓼科山、麦草峠、北八ヶ岳ロープウェイなどからの計画を立てることができ、北八ヶ岳エリアが持つ自然を感じながら山頂を目指すことができます。諏訪富士の別名を持つ蓼科山の溶岩、麦草峠周辺の原生林と池、北八ヶ岳ロープウェイ周辺にある溶岩台地など、他の山域にはない幻想的な空間はとても魅力的で、この自然を経て山頂の景色を眺めるのがとてもおすすめです。
春夏秋冬で移り変わる景色を楽しむ
雪山として初心者にもおすすめな北横岳は、通年を通して登山を楽しめます。初心者の方でも雪山登山を楽しめる要因としては、北八ヶ岳ロープウェイの存在は大きく、山頂までのコースタイムも余裕があるので、日照時間が短い冬でも安全な登山が可能です。
冬の北横岳から見る蓼科山、南八ヶ岳などの眺望は、八ヶ岳ブルーと呼ばれる青空と相まって、いつまでも見ていられる見事なものです。冬の北横岳を体験して、近隣の蓼科山、天狗岳などへステップアップするのも楽しいですね。
北横岳の難易度別おすすめ登山コース
北横岳へのアプローチは、最も多い北八ヶ岳ロープウェイからの他、南方の麦草峠、北方の蓼科山方面からの登頂が基本となります。日帰り、小屋泊、テント泊といった柔軟な登山計画を立てることができ、マイカーの他、公共交通機関を利用でもアクセス可能です。
登山技術は基本的な登山経験があれば問題なく、8時間を歩き通せる十分な体力があれば、北八ヶ岳の多様な一面を堪能できるルートを取れるので、遠方から来られる方は十分な休息を取ってから登るのが良いです。
今回はロープウェイ利用を始めとした3つの山行プランをご紹介します。
山頂駅から2時間以内−北八ヶ岳ロープウェイで気軽に山頂へ
| スタート地点 | 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅 |
| ゴール地点 | 北横岳 |
| 地点間の距離 | 1.8km |
| 片道コースタイム | 1時間25分 |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |
北横岳へ登頂する最短ルートで、最も多くの登山者が歩かれます。
歩き始めは山頂駅からで、坪庭を経て登山道に入り、北横岳ヒュッテを経て山頂に至ります。
技術的難所もなく、足場もしっかりしているところが多いので、周囲の自然や眺望を楽しみながら歩けるのがこのルートの魅力です。
日程には余裕がありますが、予約をすれば北横岳ヒュッテに泊まることができるので、遅めの入山で翌日から北横岳を始めとした北八ヶ岳の周回という計画も良いですね。
北八ヶ岳の池と植生を満喫−麦草峠からの周回ルート
| スタート地点 | 麦草峠 |
| ゴール地点 | 麦草峠 |
| 地点間の距離 | 15km |
| コースタイム | 8時間 |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
天狗岳、北横岳方面の登山口として知られる麦草峠から、雨池、双子池、亀甲池を経て北横岳に至るルートです。
北八ヶ岳は原生林、苔といった豊富な植生、また池が各所にあり、眺望だけではない登山の魅力である、自然に包まれた山歩きが楽しめる場所です。
どの池も神秘的な雰囲気を持ち、季節や天候によって姿が変わります。眺めていると心が癒やされ、吸い込まれてしまいそうなほど美しい空間は、北八ヶ岳の池が持つ大きな魅力です。
北横岳を登頂することで登山としてのメリハリもでき、植生のほか、溶岩台地としての姿も持つ北八ヶ岳を見ることで、充実した北八ヶ岳山行となります。
蓼科山から双子池で一泊−北横岳周辺の自然を堪能
| スタート地点 | 蓼科山登山口 |
| ゴール地点 | 北八ヶ岳ロープウェイ山頂駅 |
| 地点間の距離 | 11.9km |
| コースタイム | 8時間30分 |
| 難易度 | ★★★☆☆ |
八ヶ岳北端の山として知られる蓼科山を登頂後、双子池で一泊、翌日に北横岳を登頂し、北八ヶ岳ロープウェイで下山するルートです。日程的にも余裕があるので、焦ること無くのんびりと歩ける内容となっています。
2つのピークを登る満足感、北八ヶ岳を代表する池のひとつである双子池での宿泊がこのルートの魅力で、双子池での夜は、稜線での宿泊とはまた異なる特別な時間となります。
日帰りで踏破できる内容でもあるので、健脚の方はそちらもおすすめです。
山小屋・テント場情報
双子池ヒュッテ
双子池にある山小屋で、4月頃〜11月頃まで営業(以降の営業は要確認)しています。森の中にあり、近くにある双子池キャンプ場でテント泊も可能です。静かな雰囲気で北八ヶ岳ならではの時間を過ごせ、双子池の神秘的な空間と相まって、登山の宿泊とは思えない贅沢な時間を味わえます。
北横岳ヒュッテ
北横岳の近くにある山小屋で、予約時に営業しています。日帰りも十分に可能な北横岳ですが、公共交通機関の場合、麓からのアクセスに時間を要したり、遠方の場合は移動疲れも残っているので、北横岳ヒュッテで宿泊して翌日の山をしっかり取っていくという方法もおすすめです。
蓼科山頂ヒュッテ
蓼科山の山頂にある山小屋です。数十年前よりこの地で営業されている歴史ある山小屋で、館内は古き良き日本の山小屋での雰囲気が漂い、どこか懐かしく居心地が良いです。山頂からの夜景は筆舌に尽くし難い美しさがあり、蓼科山頂ヒュッテで泊まるからこそ見られる贅沢な景色です。
蓼科山荘
蓼科山の北東、将軍平に位置する山小屋です。宿泊のほか、蓼科山へ登頂する際の最後の登りを前にして休憩する方も多く、蓼科山登山で泊まる他、北横岳へ向かう際の休憩スポットとして利用するのがおすすめです。
北横岳のトイレ情報
北八ヶ岳ロープウェイ・蓼科山登山口・麦草峠にそれぞれトイレがあり、各山小屋にもトイレがあります。距離と比較して山小屋も豊富にあるので困ることは少ないと思いますが、事前に済ませておくとより安心です。
北横岳の駐車場情報
北八ヶ岳ロープウェイ・蓼科山登山口・麦草峠に無料駐車場があります。麦草峠は駐車場が満車の場合は、近くに白駒池方面の有料駐車場があり、そちらも利用できます。
北横岳周辺の観光&温泉情報
白樺湖、蓼科湖を始めとした観光地が随所にある北八ヶ岳方面。北横岳登山の後に温泉や観光も楽しめます。行程の余裕を持った計画が組めるのが北横岳登山の特徴でもあるので、下山後の観光にぜひ立ち寄ってみてください。
長門牧場
女神湖方面に車を走らせたところに位置する牧場で、自家製製品から敷地内での動物との触れ合い、ピザを始めとしたお食事などが楽しめます。牧場の広大な敷地でのんびりと過ごせるのは、登山での時間とはまた違う開放感があり、登山後の癒やしの時間として最適です。
テンホウ塚原店
長野県のソウルフードとして有名な食事処のテンホウ。八ヶ岳登山の入ぐりである茅野市に住んでいた時、よく利用していました。特に観光地っぽいメニューはありませんが、肉揚げ、テンホウメン、テンホウのぎょうざなど、ここでしか食べられないメニューと、登山後でスカスカのお腹を満たすメニューは、食べたら八ヶ岳登山の思い出となることは間違いありません。
個人的には肉揚げがおすすめです。
パンドトナリテ
八ヶ岳・車山エリアの登山口に向かう道中に静かに佇むパン屋さんです。通り沿いには色々なお店があり通り過ぎてしまいそうになりますが、初めて入った時、今まで入らなかったことを後悔したのを覚えています。定番メニューから時々お目にかかれるパンなど、ここでしか味わえないパンが沢山あります。イートインスペースもあり、小腹を満たすも良し、お土産や帰路で食べるも良しです。
白樺湖温泉 すずらんの湯
蓼科山登山口に向かう途中、白樺湖にある温泉施設です。年中無休（臨時休業を除く）というのが嬉しく、登山後も安心して立ち寄れます。利用後も目の前にある白樺湖が、旅の終わりを一層思い出深くしてくれます。
北横岳に登って豊かな自然を心ゆくまで楽しもう
北横岳は北八ヶ岳を代表する山として、また周辺に池や植生、溶岩台地といった豊かな自然を有する場所として知られています。登山口によって日帰りから一泊まで多様な登山計画が組め、どれも行程に余裕があり、山小屋も豊富にあるため、焦らず安全な登山ができます。
避暑地としても有名な八ヶ岳なので、下山後の温泉を始めとした観光といった楽しみもあります。
北横岳で、のんびり優雅な山旅を楽しんでくださいね。
