8mm 30mのロープとスリングは、登山中に滑落の危険性のある場所で使うものです。ロープの太さに決まりはないんですけど、登山ガイドという資格を持っている人たちがよく使っているのは8か9ミリという太さが多いと思います。長さは30メートルというのがオーソドックスな気がします。
なぜ8mm 30mのロープなのか?
クライミングや岩登り用ではないので、太さ的に強度はないんですけど、足元が「づるっ」て滑りやすい場所で体を支えるには握りやすくちょうどいい太さです。これがもっと細くなってしまうと握りづらいんです。6ミリだと実際持てないと思います。そういうバランスから、細くても8ミリ、強度もある程度あるという塩梅です。
長さについては30メートルというのがガイドのカリキュラムに載っていることが多く8、30というのが一般的です。
ロープとスリングの使い方
一緒に持ち歩いているスリングについても何センチが何本っていうのがある程度決まっていて、そのルールに従っています。
シーンとしては例えば登山道の一方が切り落ちているような危険な場所があったとして、そういう場所を通らなくてはいけないとします。僕がガイドとしてお客さんを案内していて、複数人の人たちを無事に通過させたい。そういう時にこれらの道具が力を発揮します。
そういう場所に出くわしたら、初めにスリングとロープを使って今いる場所の適当な場所、例えば丈夫な木にスリングを巻きつけます。それからそのままロープを持って危険な場所を通り先に進み、そこでまた新たにスリングを使って木などに巻きつける。その後元の場所に戻れば危険な道にロープが渡された状態を作ることができます。
そこをお客さんたちに通ってもらって最後に僕がスリングとロープを回収しながら通っていく。そうやって安全に登山道を通過していきます。
必ず持ち歩くロープとスリング
山を選んで持っていくというのではなく必ず持ち歩いてます。自分一人で行く時や仲間と行く時に相手が経験者であれば持っていかない時もありますが、ガイドをする時は持っていくんです。あとはマップで破線になっている箇所、いわゆるバリエーションルートを通る時には一人でも持っていきます。
ガイドの時、これらのギアを全く使わない時もありますし、使っても全て使うということは多くないですが、保険という意味では大事なギアだと考えてます。