登山の日焼け止め徹底比較−女性目線で選ぶのが正解

登山では紫外線量が平地に比べて、雪のない時で10〜30%、雪があると照り返しで80%増えると言われています。登山中に日焼けをするってとっても危険です、また年を重ねると『しっかりと日焼け止めをしておけばよかった』と悔やむこと間違いなしです。今回はアットコスメや、美的などの女性雑誌や、山旅旅の女性読者からアンケートを取った結果を踏まえて、11種類の日焼け止めを紹介し比較していきます。

まずは紫外線について学ぶことが大事

日焼け止めを買う時に必ず目に入ってくるのがSPF50、PA++++などの表記です。そもそも紫外線は波長の短い順に3種類に分類されます。この3種類は｢UV-C｣｢UV-B｣｢UV-A｣と呼ばれています。

｢UV-C｣は大気圏などに全て吸収され人間には届きません。怖いのは｢UV-B｣｢UV-A｣です。

｢UV-B｣はほとんどは大気圏で吸収されますが一部は人間にも届き、主に皮膚や目の表面に作用し炎症とシミの原因になります。｢UV-B｣は皮膚がんとの関連も指摘されています。紅斑と呼ばれる皮膚が赤くなる現象の主役はこの｢UV-B｣です。

｢UV-A｣は波長が長いため皮膚の奥にまで到達してコラーゲンなどを破壊することで、しわ・たるみなどの原因になります。

日焼けをすると疲れる、だから登山では大きなリスク

日焼けを起こすと、体内の水分不足と、紫外線による体のストレスによって疲れを引き起こします。

水分不足による疲れ

さらに皮膚表面の温度が高くなることで、クールダウンするために汗をかきます。汗をかくと血液中の水分が奪われて濃縮されてしまいます。

血液がドロドロになることで体は酸素不足になり、老廃物もたまりやすくなります。これによって少しずつ疲れが溜まってきます。

ストレスによる疲れ

紫外線を浴びることで体の中に活性酸素が増えます。活性酸素は正常な細胞を傷つけ体にストレスを与える危険物質です。この活性酸素を中和するために体内にあるビタミンC・A・Eが大量に使われます。

これらのビタミンは疲労回復のために重要な栄養素ですが、活性酸素中和のために使われることで、疲労物質が溜まってきます。これによって疲れがどんどん増大していきます。

山では1000m標高が上がると紫外線は約10%高くなる

標高が1000m高くなると紫外線は約10%高くなると言われています。大気が非常に澄んでいる場合は、さらに紫外線が強くなることがあり、ドイツでは1000mあたり50%以上増加したとの観測結果もあります。上の表を見てもわかるように、特に快晴時はUVインデックスの数値が高く、曇りや雨の日でも紫外線量があることに注目しましょう。

また月毎、時間毎にも紫外線量が変わることにも注目しましょう。上の表は山のデータではありませんが、参考データとしてご覧ください。

標高が高い山は、稜線に出ると日陰になるような場所がないため、四六時中紫外線にあたっていることになります。

日焼け止めの基礎知識と塗り方

ここまで見てきた通り、日焼けは非常に怖い存在で、日常よりも登山では特に気をつけなければならないことがよくわかったと思います。次に日焼け止めの基礎知識を知っておきましょう。

｢UV-B｣、皮膚や目の表面に作用し炎症とシミの原因になる。これはSPFで防御レベルを表しています。

｢UV-A｣、皮膚の奥にまで到達してコラーゲンなどを破壊する。これはPAで防御レベルを表しています。

ウォータープルーフだから、絶対汗でとれないというわけではありません。石鹸で落ちるタイプの日焼け止めは約2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されていますが、汗をよくかく人は2時間に1回の目安としましょう。

塗り方は温めることで伸びが良くなるため、一度手に取り温めてから顔や首、手足などに塗布しましょう。

また手足など広範囲にわたって塗布する際は、縦に塗ったら次は垂直に、というように格子を意識しながら塗ることで、塗りもれを防ぐことができます。

登山におすすめの日焼け止め11選

これから紹介する日焼け止めはSPF50+、PA+++以上で、ウォータープルーフのものを選んでいます。

コストパフォーマンスに優れた『ニベアUVディーププロテクト＆ケア』

美容液成分が配合されており肌に潤いも与える日焼け止めです。さわやかなクリアフローラルの香りがあり、塗ることでリラックス効果を得ることもできます。価格が安いのでたくさん登山に行く人にとってはコストパフォーマンスに優れた日焼け止めです。

塗りやすさ抜群！『カネボウ化粧品アリィークロノビューティ』

汗や水はもちろん、擦れにも強いジェルタイプの日焼け止めです。美容液成分としてヒアルロン酸Naが配合されています。素肌にスーッと伸びて均一に密着するので塗りやすく、べたつかない特徴があります。

サラサラ感が持続する『紫外線予報さらさらUVスティック』

日焼け止めを塗った後にサラサラした肌感が持続する日焼け止めです。ベースレイヤーやマスクなどをこの日焼け止めをした上に着用してもベタつきません。さらさらしているのにウォータープルーフでしっかりと肌に残って紫外線から肌を守ってくれます。

透明感美肌仕上げ『アネッサパーフェクトＵＶスキンケアミルク』

透明美肌仕上げのスキンケアミルクタイプの日焼け止めです。塗ることでビューティーアップ効果、透明美肌仕上げを特徴とした女性に人気のある日焼け止めです。トリプルディフェンス技術と呼ばれる汗・水・太陽などの熱でブロック膜が強くなるテクノロジーが備わっています。

隙間の発生を防ぐ技術『ビオレUVアクアリッチ』

花王独自のミクロディフェンス処方と呼ばれる塗った後にミクロレベルの隙間の発生を防ぐ日焼け止めです。テクスチャは軽めでみずみずしい使用感です。

飲んで内側からも日焼け対策『ロートヘリオホワイト』

日焼け止めを塗り忘れたなんていうことがあっても、この錠剤を飲んでおくことで内側からの日焼け対策となり、一定の効果を発揮します。あくまで塗る日焼け止めとの併用が基本と考えて、登山における強い紫外線対策の1つとして検討してみると良いでしょう。

肌に定着する2層タイプ『KOSEスポーツビューティサンプロテクト』

汗や水、擦れにも強いスーパーウォータープルーフタイプの日焼け止めです。汗をかいた時に日焼け止めの、ぬるつき、ベタつきを抑えた快適な感触が特徴です。2層タイプなので、しっかりと肌に定着する特徴があり、塗り直しタイミングの時間を延ばすこともできます。石鹸で落ちづらいこともあるため、その場合はクレンジングでしっかりと落としましょう。

スプレータイプだから塗り直しがラク『KOSEサンカットパーフェクトUVスプレー』

スプレータイプだから塗り直しが楽で、さらにスプレーをした後にムラなく伸ばすことで塗りもれを防ぐことができます。商品名にパーフェクトがつくこちらの商品は耐水性テスト済みの、水や汗に強いタイプです。スプレータイプだから髪や頭皮に塗布することも容易です。

爽やかなグレープフルーツの香りでリラックス『エテュセハーバルUV』

グレープフルーツの香りがリラックス効果を生み出す日焼け止めです。伸びの良いジェルタイプでしっかりと肌になじみ、伸ばすことができます。着色剤・鉱物油・防腐剤・パラベンフリーなので、肌が弱い方も使いやすい日焼け止めです。

虫除け効果も期待でき、リラックス効果も得ることが出来る『ヴィーヴォOutdoorUV』

スティックタイプだから液体が漏れる心配がありません。またユーカリやハッカ油が配合されているので虫除けにも効果があります。ヒノキチオールを配合しておりリラックス効果も期待できます。

塗り直しの必要なし！『アグレッシブデザインTopAthleteSunProtect』

ハードなアクティビティをする人に作られた日焼け止めで、しっかりと肌に定着するので塗り直しの必要がありません。注意点としては日焼け止めが肌に残りやすいため、しっかりとクレンジングをして落とすことが大事です。無着色で無香料、さらに肌に優しい植物エキスを配合しています。

まとめ

日焼け止め1つ見ても様々な特徴があります。登山では汗の匂いが気になるので、華やかな香りのある日焼け止めを好む方もいらっしゃいます。

また塗り直しを忘れてしまう人はアグレッシブデザインの日焼け止めのようにしっかりと肌に定着するタイプを選ぶのがおすすめです。

スプレータイプは髪は頭にも塗布することが容易で、さらに塗り残ししづらいため、積極的に使用している方も多く見かけます。

女性の方は、軽い塗り心地、化粧の下地、保湿成分のありなしなどで選ぶ方も多いようです。またノンケミカルな日焼け止めで年齢肌に対しての対策に心がけている方もいらっしゃいます。

今回紹介した日焼け止めはいずれも紫外線をしっかり抑え、汗にも強いタイプです。ジェルタイプによる伸ばしやすさ、香りのあるなし、塗った後の肌の感触など好みに合わせて、一度購入して実際に使ってみることをお勧めします。