登山中に登山靴のソールが剥がれてしまう可能性は0ではありません。ほとんどの登山者の方は経験したことのない事故だと思いますが、自分は大丈夫だと過信せず、ソールが剥がれてしまった時の準備と対策方法を知っておきましょう。
登山靴のソールが剥がれるタイミング
登山靴の修理を行っているプロの職人さんにソールが剥がれるタイミングについて聞きました。
職人さん曰く『何年ぐらいが登山靴の修理のタイミングですか』という質問をよくされますが、購入から経過した年数ではなく、使用回数と使用距離によって時期は違ってくるので、一概に何年という答えが出せない、いう答えでした。
登山靴のソールの剥がれは、登山靴に使用されているポリウレタン素材が加水分解によってボロボロになっている状態で起きるケースがほとんどということです。なので登山に出かける前に、ソールの状態がどのようになっているのか確認して、張り替えが可能な登山靴であればソールの張り替え、または登山靴の買い替えが必要です。
登山中に登山靴のソールが剥がれた場合
現場で登山靴のソールが剥がれてしまったら、最悪の場合登山を続けることができなくなってしまいます。長い期間の登山で、1日目にソールが剥がれてしまったら登山を中断するのが最も賢明ですが、場所によってはそれが難しい場合もあるでしょう。
そのようなことがあっても、応急処置によって登山を継続することができます。今回は2種類の応急処置方法を紹介します。
結束バンドを使って登山靴のソールを固定
ナイロン結束バンドは実に様々な使い方ができる優秀なエマージェンシーキットです。登山靴だけじゃなくザックが破れたり、テントポールのスリーブが使い物にならなくなったり、様々な状況において応急処置ができるアイテムです。
結束バンドで登山靴のソール剥がれを修理する方法は、まず初めに登山靴の土踏まずから、甲と踵方向へ2箇所締めます。
その後踵の方は、さらにもう一本の結束バンドをつないで足首の方向に向かって締めます。
こうすることで踵から土踏まず周辺のソールの固定が可能です。
最後につま先の部分にもう1本結束バンドをつなげます。この時登山靴にもよりますがシューレースに引っ掛けることができれば、より強固に固定ができます。
登山靴片方に対して合計4本の結束バンドが必要になります。結束バンドは繋げることで長くなるので、4×2=8本ぐらいあると良いでしょう。エマージェンシーキットに加えておくことで、左右の登山靴のソールが剥がれてしまった時の応急処置を行うことができます。
ダクトテープを使って登山靴のソールを固定
ダクトテープもまた結束バンドと同様、様々な使い方ができるエマージェンシーキットの一つです。トレッキングポールが折れてしまった時、テントマットや枕が破れて空気が抜けて使い物にならなくなってしまったり、テントが破れて雨や風が入ってくるのを防いだりと様々な使い方ができます。
ゴリラ・タフは厚手のタイプで、耐水性に優れ凹凸面でも優れた粘着力でくっつく優秀なダクトテープです。
ダクトテープで登山靴のソール剥がれを修理する方法は結束バンドを使ってつま先の部分の固定をする時と同様にダクトテープをぐるぐる巻きにします。
踵側のソールが剥がれた場合はダクトテープでの固定は難しく、やはり結束バンドがあると便利です。
ダクトテープは非常にくるくると貼り付けながら巻いてエマージェンシーキットの1つに加えています。