自分の体に合ったザックを買おうとすると多くの要素を考えないといけません。登山で何泊するのか、装備重量は何キロなのか、でも一番重要なのはそのザックが自分の体に合っているかということです。この記事では以下の流れで登山ザックについて理解を深めていきます。
- 1背面長の測り方
- 2ザックのフィッティング方法
- 3ザックの正しい背負い方
登山ザックを正しく背負うために重要な背面長の測り方
自分に合ったサイズのザックを購入する上で背面長を測ることはとっても重要です。また背面長の微調整ができるザックを自分の背中のサイズに合わせることも重要です。
ザックの購入時のステップでは、登山専門店に足を運ぶことで、ザックの背面長を測ることができるフィッティングツールを活用することもできますが、自宅でも背面長は簡単に測ることができます。4つのステップで背面長を正しく測りましょう。
背面長を測る上で友人やパートナーがいると背面長を測るのが楽になります。準備するのはテープメジャーです。
ステップ1:おへその位置を確認
まず初めにおへその位置を確認しましょう。おへそから水平に指を移動すると腰骨の上端を見つけることができます。
ステップ2:腰骨の位置を特定
腰骨の左右の上端に指を当てたら背中側でイメージで線を引き、計測の視点を特定します。
ステップ3:脛骨の位置を特定
次に第7脛骨の位置を特定します。これは首の後ろにあるのですが、真下を見た時に飛び出る骨です。
第7脛骨を特定する際は、左右に首を振っても動かない骨を見つけましょう。
ステップ4:メジャーで背面長を測る
次に左右の腰骨通し(写真で言うところの親指の先)がぶつかる点から、第7脛骨までをメジャーで測ります。
首を上げて横から第7脛骨を見てそこまでの長さを見て背面長のサイズがわかります。
ステップ5:背面長にあったザックの購入とサイズ調整
背面長のサイズがわかったら、サイズにあったザックを購入し、背面長サイズの調整ができるザックの場合は、自分の背面長にサイズ調整を行いましょう。
服のサイズと背面長のサイズは違う
『背面長の測り方で調べた結果55cmでした。その結果ザックのサイズはLサイズがちょうど良いことが分かりました。普段服のサイズはSS サイズを着用しています。』
上の人の結果を見てもわかるように、服のサイズとザックのサイズは全然別のものということを覚えておきましょう。
ザックのフィッティング方法を学ぶ
背面長を測り自分の体に合ったザックを手に入れたら、次に学ぶのがフィッティングです。ザックのフィッティングは、ザックの正しい背負い方にも通ずるのでしっかりと学びましょう。
また登山本番でフィッティングをするのではなく、自宅で事前にフィッティングをしておくことで、間違ったフィッティングで登山をするリスクを軽減できます。
ステップ1:枕などをザックに入れて重さを作る
まず初めに自宅にある枕などで、ザックを5kg 〜10kg ほどの重さにします。何も入っていない軽い状態のザックでは、正しいフィッティングができません。
ステップ2:全てのストラップ類を緩める
全てのストラップ類やショルダーストラップ、ウエストベルトを緩めておきましょう。緩めた状態からザックを背負うことで、体に合ったフィッティングが可能になります。
ステップ3:ウエストベルトを腰に固定する
まず初めにウエストベルトバックルを固定します。固定位置はおへその位置です。左右のヒップベルトの中心を腰骨の横の中心に合わせます。
合わせたらヒップベルトのストラップを左右で持って、左右均等に締めていきます。
イメージは腰骨をウエストベルトが包んでいる状態にします。(この時左右のウエストベルトがバックルに当たってしまう場合はウエストベルトが大きすぎるということです。)
ステップ4:ショルダーハーネスを締める
ショルダーハーネスの端を掴んで、後方斜め下へと均等に引きます。肩周りにショルダーハーネスが沿うようにテンションをかけていきます。
ショルダーハーネスが正しくフィットすると脇の下の真下にショルダーハーネスの下端が来ます。
ステップ5:ショルダースタビライザーを締める
ショルダースタビライザーとはショルダーハーネス上部についているストラップです。ロードリフトストラップ、ロードリフターなどとも呼ばれています。
これは荷物を持ち上げるパーツではなく荷物を体に引き寄せるためのパーツです。
まずショルダーハーネス沿いに手をあげます。2本のスタビライザーを手探りで掴み引っ張ることで、ザックの荷重を背中側に引き寄せていきます。
スタビライザーの角度が45度になっていれば適正です。角度が緩かったり、急だと正しい背面長になっていない可能性があります。その場合は背面長サイズの調整を行いましょう。
ステップ6:チェストストラップを固定
次にチェストストラップを固定します。チェストストラップの高さは鎖骨の少し下、もしくは脇の下の高さにくるように調整をします。
息を深くすってストラップを締めます。こうすることで登山中に呼吸をする時、胸は苦しくないけれどもザックのブレを防ぐちょうどよいストラップの締め具合を作ることができます。
ステップ7:正しい背面長になっているか確認
最初のステップで行った『背面長を測ってザックのサイズ調整』が正しく行われているか念のため確認をしましょう。
第7脛骨とバックパック上部との間隔が約5cm になっているかを確認します。もしも5cm になっていない場合はこれを目安にショルダーストラップを上下させて調整をします。
登山ザックの正しい背負い方
登山ザックの正しい背負い方を学んでいきましょう。このステップは、背中に担ぎ上げるところから、ザックを下ろすところまでを学んでいきます。
ステップ1:全てのストラップ類を緩める
ストラップ類を緩めておくことで、この後説明するステップ3以降がスムーズに行うことができます。
ステップ2:ザックを背中に担ぎ上げ背負う
ザックの重量が5キロ以上ともなると片手ですんなり背中に担ぎ上げることが難しくなります。まず初めにザックのショルダーを両手で持ち、肩膝に乗せます。
そして片方の肩で背負ってから反対の手を通します。
ステップ3:ザックのストラップを順番に締めていく
ザックのフィッティング方法で紹介した順番でザックのストラップを順番に締めていきます。
- ウエストベルト
- ショルダーハーネス
- ショルダースタビライザー
- チェストストラップ
この順番で体にフィットさせていきます。
ステップ4:ザックの下ろし方
ザックがフィッティングされた状態で下ろさずに、全てのストラップを緩めてから下ろすようにしましょう。こうすることでザックを背負う時にいちいちストラップを緩める必要がなくなります。
背負う時とは逆の順番でザックを下ろしていきます。まず初めに片方の腕からザックを抜きます。
中腰になってザックを肩膝に乗せ、反対側の手でショルダーストラップをつかんで反対の腕もザックから抜きます。
ショルダーストラップを両手で持ってザックを下ろします。
まとめ
登山ザックの背面長の測り方から、ザックのフィッティング、正しい背負い方を学んできました。登山の基本となる知識ですのでしっかり覚えておきましょう。