テント泊装備と食料、水を入れて20Lのザックでファストハイクを行いました。目的は林道のゲートから20km走り、川の源流域までアクセスしテンカラを楽しむ為です。登山で楽しむファストハイクと装備の内容はほぼ同じです。違うのは竿と釣りの道具がある点です。
今回はファストハイクでパッキングした装備一覧と食料を紹介します。
使用したザック−マウンテンハードウェア サミットロケット20
今回使用したザックはベスト型のショルダーハーネスを採用したマウンテンハードウェアのサミットロケット20ベストパックです。
水筒、行動食、日焼け止めなどをショルダーベルトについたポケットに収納することができます。
このモデルは既に製造中止となっており、今手に入るもので最も近いのがアルティメイトディレクションのファストパック20や、パーゴワークスのラッシュ20、サロモンの XA 25です。
ファストハイク用テント泊装備について
ファストハイクで使用したテント泊装備は縦走登山で使用するテント泊装備と大きな違いはありません。
ファストハイク用のテント
ヘリテージのクロスオーバードーム2Gを投入しました。シングルウォールでシンプルな作りのため素早く設営をすることができます。重量は630g で、手のひらにのせることができるほどコンパクトにすることができます。
ファストハイク用のシュラフ
シートゥーサミットのスパーク SP 1を投入しました。撥水ダウンを使用しているため濡れに強く、非常に軽量なのにとても暖かいシュラフです。気を使ったのはレインカバーを装備に加えないため、軽量で耐久性に優れたダイニーマ製のドライバックを使用し、この中にシュラフを収納することで雨や汗に濡れないようにしました。
暖かな季節であれば同じくシートゥサミットのスパーク SP 0に変えています。SP 1がレギュラーサイズで350g、SP 0がレギュラーサイズで225gなので、125g軽量化することができます。
ファストハイク用のテントマット
サーマレストのネオエアーウーバーライトのS サイズを投入しました。S サイズは横幅51cm、長さ119cmで、体幹〜お尻部分のみ支えるテントマットです。お尻から足先は後から紹介する座布団と、ザックを置いて就寝します。
ネオエアーウーバーライトのレギュラーサイズは長さ180cm で250gです。S サイズと比べると80g重いモデルです。
このテントマットは軽いんだけれども、マットの上に体を乗せると滑りやすく、また寝返りを打つと音が出るのがマイナスポイントです。
クッカー・食料
テンカラでイワナを釣ることができれば、魚を食べることができますが、釣れるかどうかわからないので釣れなかった時のことを考えた食料と、それを作るための道具としています。
味噌汁鍋・炊飯をするためのクッカー
焚き火缶の小サイズを投入しました。直接焚き火にかけることもでき、最大4人分ぐらいまでの炊飯と味噌汁を作ることができるクッカーです。蓋はお皿にもなるし、アルミなので熱伝導率が良くフライパンのような使い方もできます。
もう1つのクッカーはエバニューのチタン400 FD です。火にかけてスープやカレーを作ることもできるし、お皿やマグカップとしても活用することができます。
固形燃料で軽量化
燃料は固形燃料でお湯を沸かしたり、食事を作ることができます。固形燃料は焚き火をする時の着火剤にもなります。
風がある環境下でもしっかり着火してクッカーに熱を伝えることができるエスビットのミリタリーと、五徳にチタニウムストーブを使用しました。
魚を捌くためのナイフ
ベンチメイドのミニバグアウトは、魚をおろす、塩焼きにするための串作り、きのこが取れた時に刻んだりするのを目的に装備に加えています。
カトラリー類
この後紹介するジップロック飯を食べるのに、少し長めのスポークがあると便利で、スノーピークのチタン先割れスプーンを使っています。またイワナを食べたりするのにはお箸が便利なので、コンビニで手に入れた割り箸を装備に加えています。
調味料と油
調味料は塩と米油を小さな容器に移し替えて軽量コンパクトにしてクッカーの中に収納しています。使い切りタイプのスイートチリソースと味噌はおつまみになる食材につけたり、味噌は味噌汁に食料として加えています。
カレーの材料
もしもイワナが釣れなかった時のためにカレーを作ることを想定して食材を準備しました。カレーに加えるのはカゴメの濃縮トマトペースト、シーチキンのパウチ、カレーパウダー、油です。
作り方は大変簡単で、少量のお湯を作って全てを投入し混ぜれば完成です。味は水の量で調整します。
プラティパスの水筒と浄水器
プラティパスの水筒は1 L サイズです。この中に川の水を入れて浄水器でクッカーに移せば綺麗な水の出来上がりです。
お酒類
誰もいない場所を探して向かうわけなので、山小屋などはありません。だからお酒は飲みたいだけ持っていく必要があります。今回はビール500mlとボタニカルジンを持っていきました。ジンは200mlサイズのOKスパウトに入れました。
行動食
行動食はミネラル補給とタンパク質補給、満足度の高い食料の3種類で構成しました。
ミネラル補給のための行動食
ファストハイクではミネラル補給は非常に重要です。そこで考えているのがマグネシウムやカリウムといったミネラルの含有量です。
水筒には経口補水液のOS-1パウダーを混ぜて水分補給と同時にミネラル補給ができるようにしています。
また塩熱サプリと水の組み合わせでミネラル補給ができるようにもしています。
タンパク質補給
できるだけ美味しく食べることができるプロテインバーを数種類準備しました。またアミノ酸の摂取を頻繁に行うためのパウダーも1日4本計算で追加しました。
行動の始まりと終わり、中間で何度かアミノ酸の摂取とプロテインバーの摂取を怠らないようにすることで、疲れを残さないように注意しています。
満足度の高い行動食
スタンドコジーとジップロック飯を1日1食計算で行動食に加えています。ジップロック飯の中身は、インドの押し米をベースに、フリーズドライのスープや、お茶漬けの素、ふりかけ、高野豆腐などを好みの味で混ぜて準備しておきます。
食べる1時間前に水を入れておけば、食べる時にはチャーハンのようになっています。
その他の装備類
ごまごまとしたものですが大変重要な装備です。
ヘッドライトとランタン
ランタンは焚き火を囲んで食事をする時に手元の道具類を照らすのに便利です。ランタンとヘッドライトは軽量かつ全体を明るく照らすことができるレッドレンザーのML5とMH5を使っています。
ファーストエイド
ファーストエイドは大きな傷を負った時に使えるものとしています。またこの時期マダニや蜂などの虫刺されにも気を使う必要があるので、ポイズンリムーバーと、痒み止め、虫除けスプレーを加えています。
またテンカラをする際に水に濡れた足で走る歩くをする必要が出てくるので、マメができた時用のバンドエイドを加えています。
サングラス
釣りをする時にも必要だし、ランニングをする時にも紫外線対策のためにサングラスを着用します。ハードに動いてもぶれないアイボルのサングラスを使っています。
タオル
ランニング中の汗拭き、首にかけて日焼け対策の目的のためのタオルです。軽量で吸水性が高いパックタオルのパーソナルを活用しています。
グローブ
防寒用グローブというより、入渓する時に手を怪我しないように耐久性に優れたグローブを装備に加えています。
座布団
焚き火を囲んで外で食事をする際にお尻に敷くための座布団です。寝る時は足の下に敷くために活用します。山旅 UL マットをカットして使っています。
サンダル
トレイルランニングシューズ、沢シューズで足を酷使したあとの休憩時に使用するサンダルです。なくても良い装備ではありますが、非常に重要度は高いと考えています。
防寒、雨対策のためのウェア類
登山同様、山の中は寒く、晴れ予報でも雨の確率は高いため、防寒着とレインウェアは必須です。
レインウェア
僕が持っている中で最も軽量なノースフェイスのストライクトレイルフーディーです。上下共にこのレインウェアを装備に加えています。
防寒着
防寒着は同じくノースフェイスのホワイトライトジャケットです。ダウンではなく化繊のジャケットで雨や汗、湿気に強く水の多い環境では安心です。
テンカラ道具
テンカラを楽しむための道具は非常にシンプルです。
竿
ダイワのテンカラ竿「燕翔」を使っています。以前服部文祥さんに取材をしたときにおすすめしていた竿で、テンカラを始めてからずっとこの竿です。
ビク
釣れた魚はできるだけ生かしておきたいので大きな水筒のようなビクを活用しています。ガバッと開口部が開くので釣った魚をすぐにこの大きな水筒の中に入れて、川の水を入れてザックにしまって持ち歩きます。
テンカラの道具
テンカラの道具はレベルライン、ハリス、フライです。それ以外に爪切りのような形をしたハサミと、フライが浮くようにするための道具がいくつかという、お決まりのセットをウエストポーチに入れています。
最後に
20キロの林道を走っていろいろな出来事に遭遇しました。熊と遭遇もしたし、尺イワナを釣ることができたし、美味しいイワナ料理を堪能することができたりと様々です。登山とはまた違った危険と楽しみがある源流釣行です。