アルコールストーブは素材、燃焼容量、サイズ、五徳との相性など実に様々なものがあります。このアルコールストーブに使用する燃料もまた様々なものがあり、
- 燃料に使われる成分とリスク
- 燃焼効率の高さ
- コストパフォーマンスの違い
などをチェックして自分に合ったアルコールストーブ用燃料を選ぶ必要があります。
燃料に使われる成分とリスク
燃料に使われる成分はメタノール、エタノール、イソプロパノールの3種類が主に使われています。
- エタノール=エチルアルコール
- メタノール=メチルアルコール
メタノールは主に天然ガスから作られており、プラスチックや合成繊維、工業用の洗浄剤や塗料などに使用されています。この成分は『劇物』に指定されるほど危険性が高く、消毒用としても使用することはできません。誤って飲んでしまうと意識障害、失明、死亡の危険性があります。
これらの理由からメタノールよりも消毒・除菌用として販売されているエタノールのみのアルコールの方が取り扱いに気を揉むことなく使用することができます。
メチル系の燃料を燃焼させた炎でマシュマロを炙るなどは基本的に避けるべきです。
しかしアルコールストーブの燃料選びはこれだけでは収まりません。もう少し深堀りしていきましょう。
燃焼効率の高さ
次に燃焼効率の高さですが、エタノールを主成分とするアルコールはオレンジ色の炎となります。オレンジ色の炎の内側に目に見えにくい青白い炎があり、この部分が1400〜1700℃ という高温の炎です。
青白い炎は完全燃焼に近い燃え方をした場合に出る炎と言われており、燃焼時に煤が少ないのも特徴です。
メタノールを主成分としたアルコールで燃焼をするとオレンジではなく青白い炎が出ます。
このようにエタノールもメタノールも使用することができないわけではありませんが、除菌や消毒ができるアルコールは価格が高くなり、さらに燃焼効率が悪いので、山で使用するアルコールはメタノールとし、例えば子供と一緒にキャンプをする時に使用するアルコールはエタノールとするなどシーンによって使い分けるのが良いでしょう。
おすすめのアルコールストーブ用燃料
今回紹介するアルコールストーブ用の燃料は全部で5種類です。いずれもネットやアウトドアショップで取り扱いのあるアルコール燃料で、気軽に入手することができます。
※横スクロールで表がスクロールできます。メーカー | ケンエー | リンデン | 小堺製薬 | ケンエー | トーヤク |
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商品名 | 燃料用アルコール | 除菌もできる燃料用アルコール | ネンコール | 消毒用エタノールIPA | アルコK2 |
価格 | ¥550 | ¥1,210 | ¥399 | ¥840 | ¥726 |
容量 | 500㎖ | 500㎖ | 500㎖ | 500㎖ | 500㎖ |
成分 | メタノール、エタノール、イソプロパノール | エタノール:83〜86% NPA:3〜4% IPA:1〜2% 水:10〜12% | メタノール95%、エタノール5% | エタノール(C2H6O)76.9~81.4vol%、イソプロパノール | メタノール95%、エタノール5% |
ケンエー 燃料用アルコール
ドラッグストアでも購入することができる燃料用アルコールです。メタノールとエタノールを混合したアルコールで最も多くの人が利用しているアルコール燃料です。
リンデン 除菌もできる燃料用アルコール
カーボンニュートラルなエネルギー源としてサトウキビを原料としたバイオエタノールに食品添加物にも使われるNPAと IPA を配合した燃料用アルコールです。火力もメタノール同等とうたわれており、燃料効率の高さとリスクが少ない特徴を備えた燃料です。このような理由から価格は高めですが、アウトドアショップなどでも販売されている人気のあるアルコール燃料です。
小堺製薬 ネンコール
メタノールを95%、エタノール5% で燃料用アルコールに特化した成分です。価格も紹介するアルコール燃料の中では最も安く手に入れることができます。
ケンエー 消毒用エタノールIPA
ドラッグストアでも購入することができる消毒用エタノールです。危険性が少なく、安価で手に入れることができるアルコール燃料です。
トーヤク アルコK2
品質を厳選した無臭性アルコールです。ホームセンターなどで購入することができるアルコール燃料です。セーブ比率は小堺製薬のネンコールと同じで、価格は若干高めに設定されています。
アルコールの保管方法
燃料用アルコールの保管方法は、当然の通り容器のキャップをしっかりしめて、念のため漏れがないか確認をしましょう。
また直射日光があたる場所や高温になる場所に保管をすると、温度が上がり加熱性蒸気が発生することがあります。ですので直射日光の当たらない場所且つ、高温となる場所を避けて保管をしましょう。