装備の軽量化を行い縦走登山をするようになって約10年が経ちます。それまでに使用してきたテントはビッグアグネス、NEMO、ゼログラムなど様々ですが、今現在、愛用をしているのがヘリテイジ『クロスオーバードーム〈2G〉』です。

クロスオーバードーム〈2G〉と山岳用テントの違い

ヘリテイジ『クロスオーバードーム〈2G〉』は、メーカーのサイトを見るとドームツエルトという表現があるように、今まで使ってきたダブルウォールテントと比較すると、素材は非常に薄い10デニールのリップストップナイロンで、ポールはアルミ合金の中空ポールで、ヘリテイジのトレッキングポールと同じ素材で華奢な作りです。

メーカーサイトでは『最低限の強度とプロテクションを有した』という表現があるように、今まで使用してきたテントと比べると快適・安心とは言い難く、北アルプスなどの山岳地帯において使用するテントとして決して強くおすすめできるアイテムではありません。しかし僕は雨の確率が少ない山行では、クロスオーバードーム〈2G〉を中心に縦走登山を楽しんでいます。

結論から言うと、凄く良い部分と、凄く駄目な部分の両極端を兼ね備えたドームツエルト(以降テントと表現します)で、『丁度良い』とか『平均的』といった真ん中の部分の感想があまりない、好みが分かれるテントです。

クロスオーバードーム〈2G〉の設営は慣れれば2分で完了

クロスオーバードームは、シングルウォールなので、本体とレインフライという構造ではないため設営がシンプルで、慣れれば約2分で設営を完了させることができます

設営が早いということは、撤収スピードも早く、その分就寝時間を長く設定できるし、悪天候時に早くテント内に潜り込むことができます。

テントポールは吊り下げ式ではなくスリーブ式です。ポールを通す時にガイラインを取り付ける赤いループに引っかかるのがストレスではありますが、2本のポールをスリーブに通してテンションをかければ設営完了です。

ペグダウンは本体四隅と、ガイライン(購入時にはついてこないので別途購入が必要)4つ、合計8つです。

ガイラインのペグダウンは必須と考えます。理由はただでさえ強度が低いテントであるということと、高さが105cmと一般的な山岳用テントと比べると比較的高く風に煽られやすいからです。

ちなみに、登山口近くに前日入りする時、キャンプ場でサクッとテントを立てて数時間就寝する時に、この設営の速さはものすごく魅力的です。

凄く良い部分

1.設営・撤収スピードが早い

クロスオーバードーム〈2G〉の出入り口の作り

出入り口のパネルは1枚のナイロン生地構成で、メッシュパネルはありません。

出入り口の形状は L 字型で、横にスライドするジッパーと、縦にスライドするジッパーを使って開閉します。

出入り口を開けっ放しにすると、季節と場所によっては虫がジャンジャン入ってきます。なので基本閉めておくことが多いです。

ただし気温が低いときはテント内に体を入れてクッカーを外に出してお湯を沸かす、なんていうときもたまにあって、そのときは出入り口を開けっ放しにしておきたいのですが、開けっ放しにするための固定する方法がなく、唯一思いつくのが、ポールスリーブの上に取り付けられた、ガイラインを取り付ける赤いループに出入り口の生地を引っ掛ける方法です。

ただしこれ、風が吹くと取れてしまって、出入口の直ぐの場所にあるストーブの火と干渉して危ない思いをするし、じゃあしっかり結ぶなどして開けておいても、生地がダラ~ンとして開放感ないしで、どうにもこうにもストレスを感じます。

ほとんどは山小屋の自炊ルームを活用しているのでシーンとしては少ないです。

凄く駄目な部分

1.出入り口が固定できない

クロスオーバードーム〈2G〉の居住空間

クロスオーバードーム〈2G〉の「〈2G〉」とは、“2nd Generation(セカンド・ジェネレーション=第2世代)」の意味です。2人用を表現しているわけではありません。でも互い違いで寝れば結構狭いですが大人2人が就寝できるスペースが確保されています。

サイズは横幅100cm、長さ210cm、高さ105cm です。

山岳用テントは軽量化のために、頭側と足元側の横幅が異なる台形型を要していますが、このテントは長方形です。そして高さもあるので居住空間はとても広いです

スリーブ式を採用しているので、テント内部から頭上を見ても張りがあり空間に拡がりを感じます。これはシングルウォールならではの結露が、座った状態で体に付着しづらいメリットを享受できます。

また1人使用の場合はテントマットの横にかなりの空間を確保できるので、空いた場所に荷物を置いておくことができます。前室がないので、荷物置き場を内部に確保できるので過ごしやすいです。

凄く良い部分

2.居住空間が広く内側の壁にに体が当たりづらい(結露で衣類が濡れづらい)

3.荷物置き場を内部に確保できる

クロスオーバードーム〈2G〉のベンチレーション

ベンチレーションは出入り口とは反対の下部、出入り口側の上部に丸型の通気口が設けられています。両方とも外側から見ると円柱形の張りのあるパーツで屋根の様な形状で上から滴る雨を防ぐつくりになっています。

下部の方は本体と同じ素材にメッシュ地を組み合わせて、内部から絞り込むことができます。このベンチレーションは、横殴りの強い雨に当たるとこの場所から雨が入ってくる予感がしますが、実際ジャンジャン入ってくることはありません。

上部のベンチレーションは、メッシュ部分はオプションで購入しなくちゃいけません。何も購入しないと開放された状態で虫がどんどん入ってきます。

閉じ切ると結露がひどくなってしまうので、別売りのベンチレーター用モスキートネットを715円で購入しましょう。そしてこれ、失くしやすいです。特に暗がりの中撤収するときは気をつけましょう。

凄く駄目な部分

2.ベンチレーションが完全に閉じ切らない

3.上部のベンチレーションをメッシュにする為にはオプションで購入が必要

シングルウォールならではの使い方

シングルウォールは結露がひどいと言いますが、クロスオーバードーム〈2G〉は、2Gになって「第一世代と比較して透湿性1.9倍」とうたってますが、相変わらず結露は凄いです。

なので就寝時は吸水性の良いパックタオルや、セームタオルを枕元に置き、結露が気になったら拭き取るようにしています。朝起きたらまず初めに結露を吹き、ダウンシュラフやダウンウェアに結露が付かないように気をつけます。基本はシュラフカバーを追加しています。(モンベル/ブリーズ ドライテック プラス スリーピングバッグカバー180g)

前室がないのもシングルウォールならではのデメリットの1つです。雨の日はぐちょぐちょになった登山靴や濡れたザックをテント内に入れなくてはいけません。

また煮炊きをするときはテント内でこれを行うと一酸化炭素中毒の危険性があるので、前室を使いたいところですがありません。※一酸化炭素中毒は酸素が少ない場所で火を起こして不完全燃焼だと起こります。完全燃焼の場合は二酸化炭素が起こります。

なので傘をさす、オプションのフロントフライを使う、山小屋の自炊室を活用するなどして難を回避する必要があります。

これらはクロスオーバードーム〈2G〉が駄目と言う事ではなく、シングルウォールを使う宿命なので、慣れる必要があることと、雨の心配がある時はダブルウォールテントにするという軌道修正も必要です。

クロスオーバードーム〈2G〉の素材・ポール

素材の10デニールの薄い素材は1,230mmの耐水圧です。モンベルのステラリッジが1,500mm、アライテントのエアライズが2,000mmなので、それなりに低い値です。

物凄い雨にクロスオーバードームが叩かれた時は、耐水圧の低さで、粉かな飛沫が時々顔に当たっていたので、大雨の時のリスクはそれなりにあることを念頭におく必要があります。

ポールは凄く軽いです。DACのものより軽く、軽量重視なのであれば選択肢としてはよくできたポールです。モンベルでテントスペアパーツにテントポールが登場して、テントポール単体を購入できるので、これをサイズで切ってクロスオーバードーム〈2G〉用のポールにすることもできると思いますが、計算すると結果重くなります。

柔軟性、耐久性はDACが圧倒的に良いものに思いますが、実際に比較したわけではないので解りません。

凄く良い部分

4.薄い素材、軽いポールで耐久性は劣るが軽い

まとめ

以上、クロスオーバードーム〈2G〉の登山での使い勝手について紹介してきました。今まで挙げてきた凄く良い部分と、凄く駄目な部分を以下に列挙します。購入前のヒント、使用時の改善に役立つことを祈っております。

凄く良い部分

  1. 設営・撤収スピードが早い
  2. 居住空間が広く内側の壁にに体が当たりづらい(結露で衣類が濡れづらい)
  3. 荷物置き場を内部に確保できる
  4. 薄い素材、軽いポールで耐久性は劣るが軽い

凄く駄目な部分

  1. 出入り口が固定できない
  2. ベンチレーションが完全に閉じ切らない
  3. 上部のベンチレーションをメッシュにする為にはオプションで購入が必要

シングルウォールテントならではの対応

  • 朝起きたらまず初めに結露を拭く
  • 前室がないから雨が降ると以下の問題が生じる
    • 濡れた登山靴をテント内に入れる
    • 煮炊きを行う為の対策を講じる

製品概要

ブランドヘリテイジ
商品名クロスオーバードーム〈2G〉
商品説明クロスオーバードーム<2G>シリーズは10dnの高強度極薄・日本製素材をパネルとスリーブに新採用。パネル素材は特殊な防水透湿PUコーティングを国内加工し、耐水圧は第1世代の約1.5倍、透湿性は約1.9倍と大幅に性能アップしています。
価格¥48,400(税込)
重量630g
耐水圧1,230mm
室内サイズ210×100cm
高さ105㎝

管理人の評価・レビュー

総合評価★★★★☆
快適性★★☆☆☆
軽量性★★★★★
コンパクト性★★★★★
設営・撤収時間★★★★★
コストパフォーマンス★★★☆☆

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