首都圏の登山者において人気のエリアである奥多摩・奥武蔵。個性的なルートと眺望を持つ低山を豊富に有し、気軽に訪れることができることが魅力である山域の中で、沢沿いを通って飽きのない登山を楽しめる棒ノ折山は、一度は登ってみたいおすすめの低山です。今回は奥多摩・奥武蔵を代表する山の一峰、棒ノ折山をご紹介します。
棒ノ折登山が人気の理由
人気①:飽きの来ない登山道−白谷沢ルート
棒ノ折山はアクセスや眺望といった、低山を登る際に基本となる要素がしっかり備えられた山ですが、棒ノ折山の人気の秘訣となっているのが、白谷沢を通過するルートです。
「ここは一般登山道なの?」と疑ってしまうような景色が続き、尾根道とは異なる沢の美しさに気軽に触れることができます。沢登りは一定の経験や知識が必要で、遡行者の視点で沢を見るには準備が必要となりますが、その視点を一般登山道で体感することができるのは、白谷沢で登る大きな魅力となっています。
人気②:登山後に気軽に温泉に立ち寄れる
公共交通機関で棒ノ折山にアクセスする場合、さわらびの湯バス停で下車して登山口に向かいます。バス停そばにある温泉のさわらびの湯は、棒ノ折山登山後に立ち寄れる入浴施設で、バス停が近くにあるので立ち寄りやすく、マイカー登山でも駐車場があるので利用にストレスがなく、人気があります。
登山の後に入浴施設を探す手間もなく温泉が楽しめるのも、棒ノ折山が登られる人気のひとつとなっています。
人気③:適度な難易度で楽しい岩場と鎖場
登山では様々なシチュエーションの難所が待ち構えています。切り立った岩場や水量の多い沢の渡渉など、想像するだけで腰が引けそうな場所がありますが、棒ノ折山にも登山ならではのシチュエーションがあり、鎖場や岩場があります。
とはいえ腰が引ける難所はなく、基本的な登り方やグリップなどを意識して登れば通過は問題なく、心地良い緊張感を味わえます。歩くだけでは少しつまらないと感じている方には、棒ノ折山はおすすめの山です。
棒ノ折山登山のQ&A
難易度は?
登山道は整備されていて登りやすく、登山をする上で基本的な体力があれば登頂できます。沢沿いや天候の変化、状況によっては滑りやすい急登を歩くこともあるので、登山靴やレインウェアといった登山装備は揃えておきます。
アクセスと駐車場は?
公共交通機関では西武池袋線飯能駅からバスに乗りさわらびの湯バス停で下車します。バス停そばに駐車場があり、マイカー利用も可能です。マイカーの場合は登山口近くに停めることもできます。
水場とトイレは?
トイレはさわらびの湯バス停そばにあります。水場はありませんがバス停付近に売店があるので、こちらで購入することができます。飯能駅周辺でも入手できるので、バスに乗るまでに入手しておくのが確実でおすすめです。
雪は?
11月下旬より降雪があり、4月頃まで雪が残ります。棒ノ折山登頂には、雪の低山登山に必要な装備が必要で、軽アイゼンや冬用ウェアが必須です。沢沿いを通るルートでは凍結で滑りやすくなるので、一般的な尾根道とは異なる緊張感があり、転滑落には十分に注意して登ります。
棒ノ折山登山のおすすめルート紹介
紹介した山 | 棒ノ折山 |
都道府県 | 東京都・埼玉県 |
標高 | 969m |
天気・アクセスなど | 棒ノ折山の詳細情報 |
白谷沢を経由して山頂へ−棒ノ折山おすすめルート
スタート地点 | さわらびの湯バス停 |
ゴール地点 | 棒ノ折山 |
地点間の距離 | 4.4km |
片道コースタイム | 3時間15分 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
さわらびの湯をスタートし、白谷沢を通って山頂を目指すルートです。沢を抜けて尾根を登り、棒ノ折山の稜線に出て山頂に到達する本ルートは、頂上付近まで樹林帯の中で静かな山登りが楽しめ、沢から尾根、稜線という登山のシチュエーションがコンパクトに詰まっています。
白谷沢登山口。
沢沿いは涼しくて、夏場はつい立ち止まってしまいます。
森林と沢の風景は心落ち着きます。
沢が終わると、林道を横切って登山道が続きます。
急登を越えると棒ノ折山山頂です。
山頂は広く休憩にちょうど良い場所です。眺望もあるのでゆっくりしてしまいます。
おすすめ温泉情報
さわらびの湯
さわらびの湯バス停近くにある入浴施設で、下山後に立ち寄りやすい場所にあるため、登山者に人気があります。木のぬくもりを感じる館内と、内湯は心地良い陽光が入り、露天風呂も開放感のある空間で、心ゆくまで浸かっていられます。お土産品も扱っていて、棒ノ折山登山の思い出を形にして持ち帰れます。
棒ノ折山登山で低山の魅力を感じよう
棒ノ折山は東京都と埼玉県の境に位置する、標高969mの低山です。沢から尾根、稜線という山の色々な一面が見られ、鎖場や岩場などの程良い緊張感を味わいながら登れ、山登りの面白さが詰まっているおすすめの山です。登山の後はさわらびの湯で汗を流して、気持ち良く帰路につけます。
棒ノ折山に登って、低山の魅力にぜひ触れてみてください。