チェーンスパイクは滑りやすい登山道や山道を歩く際に、足元のグリップ力で滑りを防止し、転倒や滑落を防ぐギアです。寒い季節においての凍結した登山道を歩く以外にも、沢登りやバリエーションルートでの登山、藪漕ぎを強いられるような道なき道を歩く山行で重要なアイテムに位置づけられます。今回はチェーンスパイクに力を入れている4つのブランドのチェーンスパイクの比較と、チェーンスパイクの選び方について紹介します。
チェーンスパイクとアイゼンの違い
チェーンスパイクはアイゼンと比較すると軽量性に優れており、またコンパクトにして持ち歩くことができます。
チェーンスパイクは登山靴やトレイルランニングシューズなどにも装着することができ、汎用性に優れている一方、アイゼンと比較すると爪の大きさや形状が簡易的なもので、雪が深い場所では爪がしっかりと地面に刺さらず高所の厳冬期登山では使い物にならないということを理解しておく必要があります。
チェーンスパイクを使用するシーン
チェーンスパイクを使用するシーンを理解することで軽アイゼンやアイゼンの必要性、チェーンスパイクでは事足りない場所や季節の理解につながります。
またチェーンスパイクは冬だけでなく3シーズンでも活用するシーンが多いことも理解しましょう。
- 冬の低山で少々の積雪及び登山道の凍結
- 高所登山において9月末あたりの初冠雪からの積雪の状況を踏まえて検討
- 雪渓のある登山道(踏み固められている状況など踏まえて検討)(登る傾斜角度の確認)
- トレースの無い山道(沢登り、源流域でのでの釣りなど)
チェーンスパイク→軽アイゼン→アイゼンの順番で爪の大きさが変わるので、雪の深さなどが不明であれば軽アイゼンやアイゼンを持参し命の危険から身を守ることが懸命です。
チェーンスパイクの選び方
アイゼンと比較するとグリップ力が低いチェーンスパイクですが、各モデル毎で違いがあります。チェーンスパイクを選ぶ際のポイントは爪の大きさです。爪が大きいモデルが重量が嵩みますがそれだけグリップ力に優れています。
爪の数が多いからといってグリップ力に優れているわけではありません。爪が大きいモデルは爪の数を少なく設定している傾向があり、爪の数は、小さい爪ながらもグリップ力を引き出している側面があるので、軽量なチェーンスパイクを選ぶ際は爪の数を参考程度にチェックするのが良いでしょう。
紹介する4つのブランドのチェーンスパイク
チェーンスパイクに力を入れているブランドは幾つかありますが、今回紹介するのはスノーライン、モンベル、ブラックダイヤモンド、CAMPの4ブランドで、これ以外にも最近ではコストパフォーマンスに優れた中華製も人気がありアマゾンで手に入れることができます。
これら4つのブランドのチェーンスパイク+アルファでおすすめのチェーンスパイクの比較と特徴を紹介していきます。
スノーラインのチェーンスパイク
※横スクロールで表がスクロールできます。ブランド | スノーライン | スノーライン | スノーライン |
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モデル | チェーセントレイル | チェーンセンウルトラ | チェーンセンプロ |
イメージ | |||
価格(税込) | ¥6,050 | ¥5,830 | ¥5,170 |
素材 | ステンレススチール、シンセティックラバー | ステンレススチール、シンセティックラバー | ステンレススチール、シンセティックラバー |
ペア重量 | M(180g)、L(200g)、XL(205g) | M(360g)、L(390g) | S(280g)、M(330g)、L(360g)、XL(410g) |
27㎝サイズの重量 | 200g | 390g | 360g |
爪の数 | 13本 | 14本 | 11本 |
前の爪 | 8本 | 8本(最前の2本は前方に出ている) | 8本(Sは6本) |
後ろの爪 | 5本 | 4本 | 3本(Sは2本) |
爪の大きさ | 小 | 中 | 中 |
スノーラインにはアプローチシューズやトレイルランニングシューズ向けの軽量なチェーンスパイクと前の爪が先に2本前方に出ている爪の長さが特徴のチェーンスパイク、ベルクロストラップ付きのスタンダードタイプの3種類の展開です。
軽量性に優れたチェーンスパイク『チェーンセントレイル』
チェーンセントレイルは爪が非常に短く勾配の少ない登山道に適しており、13本爪のチェーンスパイクの中では2番目に軽いスペックです
前爪2本に特徴あるチェーンスパイク『チェーンセンウルトラ』
より安心感を求める場合はチェーンセンウルトラかチェーンセンプロの選択がおすすめです。チェーンセンウルトラは前爪2本が前方に出ているため、爪先で氷雪面に食い込ませて安定を確保することができます。
優れたグリップ力で安心のチェーンスパイク『チェーンセンプロ』
チェーンセンプロはベルクロストラップでチェーンスパイクの横ずれを防ぐことができ、さらに爪が長い為安定感に優れたチェーンスパイクです。
モンベルのチェーンスパイク
※横スクロールで表がスクロールできます。ブランド | モンベル | モンベル |
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モデル | チェーンスパイク | L.W.チェーンスパイク |
イメージ | ||
価格(税込) | ¥5,830 | ¥5,830 |
素材 | ステンレス鋼、エラストマー | ステンレス鋼、エラストマー |
ペア重量 | S(280g)、M(325g)、L(360g)、XL(405g) | S(216g)、M(238g)、L(268g)、XL(290g) |
27㎝サイズの重量 | 360g | 268g |
爪の数 | 10本 | 12本 |
前の爪 | 8本 | 8本 |
後ろの爪 | 2本 | 4本 |
爪の大きさ | 大 | 中 |
シンプルな展開のモンベルのチェーンスパイク
モンベルのチェーンスパイクは2種類の展開があり、ライトウェイトモデルは爪が短い変わりに爪の数が12本という仕様です。
10本爪のチェーンスパイクは爪の大きさが大きいため安定感に優れています。
ブラックダイヤモンドのチェーンスパイク
※横スクロールで表がスクロールできます。ブランド | ブラックダイヤモンド | ブラックダイヤモンド | ブラックダイヤモンド |
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モデル | ディスタンススパイク | アクセススパイク | ブリッツスパイク |
イメージ | |||
価格(税込) | ¥12,320 | ¥9,240 | ¥4,950 |
素材 | ステンレススチール、ソフトシェル(つま先側)とエラストマー(かかと側) | ステンレススチール、エラストマー | ステンレススチール、ウェビング製トーループとエラストマー製ヒールリテイナー |
ペア重量 | S(220g)、M(230g)、L(240g)、XL(250g) | S(240g)、M(250g)、L(260g)、XL(270g) | S(108g)、M(114g)、L(120g)、XL(126g) |
27㎝サイズの重量 | 230g | 250g | 114g |
爪の数 | 14本 | 14本 | 6本 |
前の爪 | 9本 | 9本 | 6本 |
後ろの爪 | 5本 | 5本 | 0本 |
爪の大きさ | 小 | 中 | 小 |
ブラックダイヤモンドのチェーンスパイクは3種類あり最も軽量なモデルはわずか114gと紹介するチェーンスパイクの中で最も軽量です。
軽量性に優れたトレイルラン向けチェーンスパイク『ブリッツスパイク』
最も軽量なチェーンスパイクはブリッツスパイクで爪の数も6本で、かかと側にはスパイクが配置されていないトレイルランニング向けのチェーンスパイクです。
シューズの透湿性を損なわないラン向けのチェーンスパイク『ディスタンススパイク』
ディスタンススパイクは230gと軽量でつま先側にはソフトシェル、かかと側はエラストマーを組み合わせたチェーンスパイクです。こちらもトレイルランニングシューズにフィットしやすく透湿性にも優れています。
汎用性の高さと軽量性が両立されたチェーンスパイク『アクセススパイク』
アクセススパイクは爪の数が多く、爪の大きさが紹介するスパイクの中で平均的で軽量性にも優れています。
CAMPのチェーンスパイク
※横スクロールで表がスクロールできます。ブランド | CAMP | CAMP | CAMP | CAMP |
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モデル | アイスマスター ラン | アイスマスター ライト | アイスマスター EVO | アイス マスター R |
イメージ | ||||
価格(税込) | ¥7,200 | ¥6,200 | ¥5,800 | ¥5,400 |
素材 | ステンレススチール、シリコンラバー | ステンレススチール、シリコンラバー | ステンレススチール、シリコンラバー | ステンレススチール、シリコンラバー |
ペア重量 | S/約172g(パープル) M/約178g(オレンジ) L/約188g(ライトブルー) XL/約198g(グレー) | S/約270g(パープル) M/約278g(オレンジ) L/約292g(ライトブルー) XL/約302g(グレー) | S/約425g(パープル) M/約433g(オレンジ) L/約442g(ライトブルー) XL/約450g(グレー) | S :約455g(グレー) M :約478g(オレンジ) L :約495g(レッド) LL:約500g(ブルー) |
27㎝サイズの重量 | 188g | 292g | 442g | 495g |
爪の数 | 13本 | 13本 | 13本 | 13本 |
前の爪 | 8本 | 8本 | 8本 | 8本 |
後ろの爪 | 5本 | 5本 | 5本 | 5本 |
爪の大きさ | 小 | 中 | 大 | 大 |
4種類の特徴あるチェーンスパイクを展開しており爪の数と爪の配置は全てのチェーンスパイクで共通です。
軽量性に優れたチェーンスパイク『アイスマスターラン』
アイスマスターランは爪の大きさが短く冬のランニング用に設計されたミニマリストバージョンです。程よい食い込みで足さばきがしやすく作られています。紹介する10本爪以上のチェーンスパイクの中で最も軽量です。
バランスの良いチェーンスパイク『アイスマスターライト』
アイスマスターライトは軽量性と爪の大きさによる安定感のバランスの取れたモデルで、汎用性の高さも魅力です。
厳しい環境でも頼りになるチェーンスパイク『アイスマスターEVO』
アイスマスターEVOはアイスマスターRの進化系モデルという位置づけで最も厳しい環境で使用できるチェーンスパイクに仕上がっています。爪の大きさや爪先が屈曲した時の追従性能など特徴あるつくりです。
汎用性に優れたチェーンスパイク
アイスマスターRはオールラウンドに機能するチェーンスパイクで安定感に重きを置いたスタンダードモデルです。
Amazonで人気のあるコストパフォーマンスに優れたチェーンスパイク
Amazonでもチェーンスパイクが豊富に揃っており、コストパフォーマンスに優れたモデルが多く出回っています。
アマゾンで一番人気『ZAFIELDのチェーンスパイク』
中でも人気なのがZAFIELDのチェーンスパイクで19本爪でベルクロバンド付きの安定感のある仕様です。上で紹介したチェーンスパイクの重量と比較すると27cmでLサイズが455gと重い仕上がりですが、価格が約3500円で手に入れることができるので重量にこだわらなければおすすめのチェーンスパイクです。
コストパフォーマンスに優れたチェーンスパイク『ネイチャーハイクのチェーンスパイク』
登山用テントでも人気のネイチャーハイクからもチェーンスパイクが販売されています。ネイチャーハイクのアイゼンも19本爪で横ぶれ防止のベルト付きで安心感のある作りです。27cmでMサイズが約400gです。